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白石 康博 院長の独自取材記事

けやき歯科

(米子市/後藤駅)

最終更新日:2021/10/12

白石康博院長 けやき歯科 main

431号線に沿って飲食店や大型店舗、大きなけやきの木々が並ぶ「けやき通り」から、一本入った静かな住宅街に「けやき歯科」はある。米子市出身の白石康博先生は、関東の大学病院などで経験を積んだ後、2018年に地元に帰り同院を開院。「地域に密着し、どの世代の方にも来ていただけるクリニックをめざして開院しました」と優しい笑顔で話す。白石先生は「高齢化が進む中で年齢を重ねても健康でいるためには、自分の歯を残し、しっかりと噛めることが大切」と予防歯科に注力。また専門に学んだ入れ歯治療では、入れ歯のトレーニングなども行う。そんな白石先生に地域への想いやクリニックのこだわりを聞いた。

(取材日2021年4月15日)

将来的に地元での開院をめざして補綴を専攻

先生は大学病院での勤務経験をお持ちですが、ご専門を教えていただけますか?

白石康博院長 けやき歯科1

日本大学歯学部を卒業後、母校の大学病院で補綴学を専門にしていました。補綴とはかぶせ物や義歯のこと。もともと、いずれは地元の米子に帰って開院したいと思っていたのですが、高齢者の多い地方は入れ歯の比率が都市部より高い傾向にあると知り、歯を失った方の力になりたいと考えました。そこで補綴学を選び、中でも義歯を専攻に決めました。義歯を作るときは、口の周りの筋肉もしっかりと診ることがとても重要です。このため東京歯科大学大学院で解剖学も学び、学位を取得した後、米子に帰ってきて当院を開院しました。大学病院ではさまざまな専門の先生がいて、いろいろな治療や症例を学ばせてもらいました。関東の歯科医院での勤務経験もあり、これまでに得たものを生かして地域の歯科医療に貢献したいです。

米子に戻ろうと思われた理由や、この場所に開院されたのはなぜでしょうか?

地元に愛着がありますし、米子は海も山もあって自然がきれいな場所。また人口の変化もあまりないので、安定してクリニックの運営ができて地域に根差せるのではと考えたからです。Uターンする2年ほど前から物件を探していたのですが、大きな幹線道路沿いだと騒音が気になりますし、患者さんが車で来る時に駐車場に入りにくいので、大通りから一本入った場所を探していました。ここはケヤキ通りの並木がとてもきれいですし、大通りから近いのにすごく静か。目の前を遮る高い建物がないので日当たりが良くて視界も開けています。

建物の設計や設備のこだわりを教えてください。

白石康博院長 けやき歯科2

プライバシーの配慮と感染予防のために、診療室を完全個室にしました。診療室は、通常の診療室の他にキッズスペースつきでお子さんも一緒に入れるファミリー診療室があり、さらに予防歯科用の予防室と、複雑な治療用の診療室があります。開業時から感染症対策に徹底して取り組み、各個室にそれぞれ空気清浄機を設置。治療の際の飛沫を吸い込む口腔外バキュームも導入しています。また、車いすの患者さんが入りやすいよう、院内は完全バリアフリーで、靴のまま入ることができます。開業してみて、車いすの方はかなりいらっしゃるのでバリアフリーにして良かったなと思います。デザイン面では、各部屋に窓を設けて緑や光を感じられるようにしました。都会のクリニックで働いていた時、ビルの一角のため、おしゃれですが四季を感じにくかったので、今は働いていて気持ちが良いです。

自分の歯を残すことで、病気のリスクの軽減につなげる

どのようなクリニックでありたいとお考えですか?

白石康博院長 けやき歯科3

地域に根差し、どの世代の方にも通っていただけるクリニックをめざしています。またご自身の歯をしっかり残せるように、予防歯科にも注力し、予防はもちろん、治療後も良い状態が続くように管理していきたいです。歯を失う原因のほとんどは虫歯と歯周病です。歯が大事だとわかっているのですが、治療を先延ばしにしてしまい、少しずつ悪くなって最終的に歯を失う方が多いです。虫歯も歯周病も、生活習慣病。人生100歳の時代を迎え、歯を残していくためには予防や治療をして、良い状態を維持する必要があります。幸いなことに、米子の人はもともと予防への意識が高く、自分の歯を残すことが大事だと知っている方が多いと感じます。歯を失うと認知症などの全身の病気のリスクも高まるといわれるので、大切にしていただけるよう努めていきたいです。

お口の健康は認知症とも関わりがあるのですね。

噛むことで口周りの筋肉が動き、脳の血流が上がります。すると、アルツハイマー型認知症の因子であるアミロイドβが血管内に留まらずに流されて、認知症のリスクが減るとも言われています。ですから咀嚼はとても大事。自分の歯のほうが噛みやすいですが、失っても入れ歯やインプラント治療などで咀嚼ができれば同じように働きます。入れ歯を入れたけど噛めないという人がいますが、実は入れ歯は入れてすぐに噛めるものではありません。入れ歯は義歯とも言いますが、義足の人がいきなり歩けないのと同じだと思ってください。咀嚼という行為はなにげないようで実は複雑な動作。歯を失って噛み方が変化すると、筋肉や骨、舌の状態も変化します。普段の生活で入れ歯がなじむ人はいいですが、なかなか合わない人は、調整をしやすいトレーニング用の義歯がありますのでご相談ください。

予防歯科の取り組みを詳しくお聞かせください。

白石康博院長 けやき歯科4

虫歯も歯周病も細菌に感染して起こります。予防歯科では、お口の中にこれらの菌がどれくらいいるのか、自分の口腔内の環境を知って興味を持ってもらいたいので、唾液検査をお勧めしています。検査を通して、感染症として認識してもらうことに大きな目的があります。また予防は家庭でのセルフケアもとても大事。歯科衛生士は担当する患者さんのお口の変化や状態を見て、その方に合った大きさや硬さの歯ブラシをアドバイスしています。そして虫歯や歯周病を治療をした後は、定期的な検診が大切です。そうは言っても、病気などでお口のケアができなかったり、検診に来れなかったりする方もいるでしょう。その点も踏まえた上で検診のお話をすることで、意識するきっかけになればと思っています。ご家庭でのセルフケアを続けるには、モチベーションが大事なので、その助けになるとうれしいです。

患者の不安を和らげ、わかりやすい説明を心がける

患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

白石康博院長 けやき歯科5

歯科治療をしたくて通院している人はいないと思います。苦手だったり、マイナスのイメージだったりする中で来ていただいているので、できる限りストレスを感じないような対応をしたいと心がけています。患者さんに説明するときは、モニターを使って視覚的にもわかりやすい説明を意識しています。お口の中は、自分の体の一部ですが、なかなか細かく見ることができない部分。鏡に映して見ることはできても、自分の目で直に見ることは難しいです。当院では初診時にお口の中の最初の状態から撮影し、患者さんと一緒にモニターを見ながら、原因やお口の中の変化を説明します。歯科用CTで撮影した画像もこのモニターに映せますし、アニメーションを使った説明も行っています。

お忙しい中でどのようにリフレッシュをされていますか?

高校生までテニスをしていたので、米子に戻ってからまた再開しました。都会ではなかなか機会がなかったのですが、こちらは気軽にできるので、医科や歯科のテニス仲間の先生たちと楽しんでいます。特に新型コロナウイルス感染症の影響でどこにも出かけることができなくなった分、テニスをする機会が増えて最近は試合にも出場したんですよ。小学生の息子もテニスをしているので、週末に一緒に練習する楽しみもあります。タイミングが合わず、最近は行けてませんが、釣りもしますね。船を持っている知り合いがいて、スタッフみんなを乗せてもらって釣りをしたこともありました。東京にいた時はこんな風にアウトドアの趣味を楽しめる機会がなかったので、気軽にできてよいリフレッシュになっています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

白石康博院長 けやき歯科6

お口の機能は全身の健康のためにもとても大事です。人生100年時代。今までは100年も歯をもたせる必要がなかったのですが、残していこうとすると予防と定期的なケアが必要です。現在は新型コロナウイルスの感染状況が気がかりですが、当院では開院以来、徹底した感染対策に取り組んできました。もしもお口の中のことで何か困っていることがあれば、安心してご相談ください。入れ歯がうまく噛めないなどのお悩みをお持ちの方も、専門的な知識と経験を生かした診療を提供していますので、お気軽にお越しください。

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