田中 誠一 院長の独自取材記事
たなか歯科クリニック
(京都市上京区/二条駅)
最終更新日:2026/05/15
京都市上京区、千本中立売交差点の角地にたたずむ「たなか歯科クリニック」。院長を務める田中誠一先生は、朝日大学歯学部を卒業後、奈良や京都の歯科医院にて研鑽。その後、居心地の良い歯科医院をめざし、2018年に同院を開業した。患者に「またここに来たい」と思ってもらえるクリニックづくりを重視し、院内の至る所にこだわりが光る。「症状がなくても定期的に歯科医院でケアする大切さを、地域の方にも知ってもらいたい」。そんな田中院長に、同院のポリシーや予防歯科の重要性について語ってもらった。
(取材日2026年4月15日)
保険診療を軸に、短時間で精密な歯科診療をめざす
歯科医師をめざしたきっかけや開業までの経緯についてお聞かせください。

父が宮崎で歯科医院を開業しており、小さい頃からずっと歯科医師になると思っていました。父は僕が大学在学中に亡くなりましたが、生前「開業するならもっと都会で」と言われていたんです。妻が京都出身ということもあり、大学卒業後は歯科医師である義父の紹介で京都の一般歯科にて勉強しました。その後は、治療のスピードと精度の高さの両方を学ぶために、他の歯科医院でもお世話になり、小児の治療も経験しました。そちらの歯科医院で副院長を経験した後、2018年に当院を開業しました。
診療にあたってのポリシーやこだわりを教えてください。
「良質な保険治療を第一に考える」ということですね。患者さんが一番求めているのは保険内でできる良質な治療であって、お金がかからないに越したことはないと思うんです。例えば、白い詰め物を希望されたら、いきなりセラミックを勧めるのではなく「保険でできる白い詰め物がありますよ」という話からさせていただきます。その上で、保険診療外の機能的かつ見た目にも優れた詰め物も紹介し、それぞれの費用の違いや良いところ・悪いところをきちんと説明します。また、できるだけ保険内でも質の高い治療を提供できるよう、設備面も良い物は積極的に導入するようにしています。例えば、現在2台あるエアフローは歯と歯茎への負担に配慮しつつも、細菌に対してはしっかりとアプローチできますし、昨年導入した口腔内スキャナーは、粘土を使わず精密な型採りができるので、嘔吐反射がある方にもお勧めです。
クリニックのアピールポイントはどんなところですか?

皆さんに「またここに来たいな」と思っていただけるような雰囲気と空間づくりを大切にしています。外から見える2階のディスプレーも、季節に合わせてスタッフが手作りしてくれているんですよ。治療に関しては、怖くない雰囲気の中で、できるだけ短い時間で精密な治療を提供したいと思っています。今の時代は以前に比べると技術や材料が良くなり、歯を守るための選択肢が増えてきました。歯の健康寿命を延ばすためには、治療をゴールと捉えるのではなく、残された歯を良い状態でキープするために、定期的に歯科検診やクリーニングを受けることが非常に重要です。生活習慣だけでなく歯石の量や硬さも人それぞれ異なりますから、クリーニングにかかる時間も変わってきます。一人ひとりの歯の状態に合わせてしっかりとチェアタイムが確保できるよう、チェアと歯科衛生士も開業当初から増やして、現在6台で治療と予防にあたっています。
健康寿命延伸につなぐため、定期検診と予防ケアを
理想とする歯科診療とは、どのようなものでしょうか?

症状がなくても定期的にクリーニングに通っていただく、それをこの地域にも根づかせていきたいですね。治療が一段落すると、それ以降は来られない患者さんがまだまだ多いかと思います。虫歯ができたら早いうちに治療して、その後は虫歯や歯周病の予防のために通っていただくのが理想です。クリーニングの重要性についてお話しした場合も、骨が減ったり歯茎が下がったりといった自覚をお持ちの大人の方は理解しやすく、反対に若い年代で目に見えて症状がない場合はなかなか難しいのではないでしょうか。ただ、エックス線で診てみるとわかることもあるので、世代を問わず、定期的な歯科検診やクリーニングはぜひ受けていただきたいと思います。
虫歯や歯周病に対して、特に注意が必要な年代はありますか?
虫歯は中学生以降ですね。好きな時間に食べたり、親が口の中を見る機会もほとんどなくなったりするので。あと京都市の場合、中学生になるとそれまで全額助成だった虫歯治療の費用がかかるようになるため、歯科医院に行く回数が減り、痛みが出てからの受診になってしまうケースも多いです。その結果、小学生の頃には全然なかった虫歯が中学生になって一気に増えてしまうということが起こり得ます。さらに親元を離れて一人暮らしを始める大学生も要注意です。フッ素を取り込む力も若いうちが一番強いですから、小さい頃から定期的にフッ素を塗りに通って、子どもの永久歯を強くするんだという意識を、親御さんに持っていただけたらと思います。歯周病に関しては特に大人の方の予防意識が大切です。歯周病が進むと歯を失うだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼしますので、健康寿命のためにも歯と歯茎もケアしないといけないんだなと思ってもらいたいですね。
小さい頃から定期的に歯科に通う習慣が大切なんですね。お子さんの治療で気をつけていることはありますか?

お子さんが初めて歯科医院に来た時は、基本的に治療は行いません。「今度、虫歯菌をやっつける練習をしようか。お姉さんが一緒に練習してくれるからね」と声をかけて、歯科衛生士が口の中にバキュームの機械を入れる練習をして、フッ素を塗って終わります。終わったら「上手にできたね」とコインを渡して、キッズルームのカプセルトイで遊んでもらうようにしています。虫歯が進みすぎて痛いときは子どもも頑張るものですが、そうでないときに無理やり治療するとトラウマになってしまいますから。小学1年生ぐらいになると我慢する心も成長するものなので、嫌がるときは「絶対できるようになっていくので、待ってあげてほしいです」と親御さんにお伝えしています。
丁寧な説明と気配りで、また来たくなる歯科医院に
クリニック独自の取り組みがあれば教えてください。

歯科診療は目に見えにくく、不安を感じられる患者さんも多いですから、何をするか、何回かかるかなどわかりやすく説明したプリントをお配りしています。抜歯が必要と判断した場合でも「抜いたほうが良いから抜きましょう」といきなり治療に入るのではなく、「この歯を残すのは難しいです。抜くタイミングは〇〇さんにお任せするので、それも含めて考えておいてくださいね」と伝えることが多いですね。患者さんには「抜かれた」ではなくて「抜いてもらった」と思っていただきたいですから、患者さんの意思を尊重した治療を心がけています。
普段スタッフの方とはどのようなお話をされていますか?
患者さんに「また来たい」と思っていただくためには、スタッフとの意思疎通も大切です。スタッフには、患者さんにリスペクトの気持ちを持って丁寧に接することや、顔の見える位置で話しかけることなどを教育しています。受付のスタッフは保育士の資格を持っていて、親御さんが治療されている間、キッズスペースでお子さんの見守りもさせていただきます。勉強会への参加は自主性を重んじており、興味があるものがあれば費用を出すスタンスです。働きやすさを重視し、有休は取りたい時に取ってもらい、連続休暇にして海外旅行に行くなど「好きなことを楽しんで」と日頃から伝えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

痛くなったら通うのではなく、今の良い口の状態をキープするために、歯科に定期検診に通ってもらうことを地域の皆さんに根づかせることが一番の目標です。当院は、どんな方にも不快感を与えず、良い雰囲気だなと思ってもらえるように取り組んでいます。歯科医院が嫌いだな、最近足が遠のいているなという方に気に入っていただけるとうれしいです。現在、ありがたいことに継続して通ってくださる患者さんが増えており、新規の方向けのネット予約が取りにくくなっています。お電話のほうがお口の中の状態を詳しく聞くことができますし、予約も取りやすいので、電話か直接受付で予約を取っていただければと思います。また、当院に限らず歯科医院には通っていただきたいので、ぜひ自分に合った歯科医院を見つけて、お口の中の良い状態をキープできるようにしてくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはオールセラミックインレー/5万5000円~、セラミッククラウン/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

