全国のドクター9,189人の想いを取材
クリニック・病院 158,628件の情報を掲載(2024年4月29日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 中央区
  4. 水天宮前駅
  5. みんなの内科クリニック人形町・水天宮
  6. 腎臓病は健診後の行動が重要専門の医師の診断で適切な治療を

腎臓病は健診後の行動が重要
専門の医師の診断で適切な治療を

みんなの内科クリニック人形町・水天宮

(中央区/水天宮前駅)

最終更新日:2023/04/14

みんなの内科クリニック人形町・水天宮 腎臓病は健診後の行動が重要 専門の医師の診断で適切な治療を みんなの内科クリニック人形町・水天宮 腎臓病は健診後の行動が重要 専門の医師の診断で適切な治療を
  • 保険診療

健康診断で腎臓の機能異常を指摘されたものの、症状がない、体調は悪くないといった理由で放置している人はいないだろうか。腎臓の病気は初期段階では自覚症状がなく、むくみや疲労感、血圧上昇などの症状が現れる頃にはかなり進行していることが多い。しかも、腎臓の機能がある程度まで悪くなってしまうと元の状態に戻すのは難しくなるため、定期的に健康診断を受けて早期発見・治療を行うことが重要だ。東京都中央区にある「みんなの内科クリニック人形町・水天宮」の谷津圭介院長は、日本腎臓学会腎臓専門医の資格を有する腎臓疾患のスペシャリスト。身近なクリニックで専門性の高い診療を提供する谷津院長に、知っているようで実はよく知らない腎臓病について、そのリスクや早期発見のポイントなどを聞いた。

(取材日2023年3月17日)

薬物治療と塩分制限などの生活習慣改善の両輪で腎機能の悪化を防ぐことをめざす

Q腎臓が悪いとどのような症状が出るのでしょうか。
A
みんなの内科クリニック人形町・水天宮 患者の悩みに向き合い、丁寧な診療を心がけている

▲患者の悩みに向き合い、丁寧な診療を心がけている

倦怠感、むくみ、血圧上昇といった症状がありますが、こうした症状が現れるのは腎臓の機能がかなり低下してからです。初期の段階では自覚症状はほとんどありません。ですから、腎臓病の早期発見には定期的に健康診断を受けることが大切です。尿検査で尿タンパクや尿潜血が陽性の場合、また血液検査でクレアチニン値が高い、腎機能の働きを評価するeGFR値が低い場合は、腎臓の働きが低下している可能性があります。自覚症状がなくても腎臓専門の医師の診察を受けてください。自営業や主婦など定期的に健康診断を受けていない方は、血圧が高い、足がむくむ、夜間尿などが気になったら、医療機関で相談することをお勧めします。

Q腎臓の病気にはどのようなものがありますか。
A
みんなの内科クリニック人形町・水天宮 生活習慣病を放置していると、他の疾患を引き起こす危険性がある

▲生活習慣病を放置していると、他の疾患を引き起こす危険性がある

腎臓病は、高血圧を原因とする腎硬化症、糖尿病が原因の糖尿病性腎症、タンパク尿や血尿が長期間持続する慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)の、大きく3つに分けられます。近年では、腎臓の障害もしくは腎機能低下が3ヵ月以上持続している状態を指して「慢性腎臓病(CKD)」と呼び、腎硬化症や糖尿病性腎症、慢性腎炎などもCKDの原因となります。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満といった生活習慣病はCKDの発症と進行に強く関わっています。特に腎臓病と高血圧は関わりが深く、高血圧になると腎臓が悪くなり、腎臓が悪くなると高血圧を招いてさらに腎機能が悪化するという悪循環が見られ、血圧の管理が重要になります。

Q異常が見つかった後放置していると、どうなりますか?
A
みんなの内科クリニック人形町・水天宮 日本腎臓学会腎臓専門医である谷津院長

▲日本腎臓学会腎臓専門医である谷津院長

放置すると徐々に病気が進行して、むくみや高血圧、全身の倦怠感や疲労感、貧血といった症状がひどくなります。さらに悪化すれば、腎臓の機能が著しく低下した「腎不全」という状態になり、最悪の場合は人工透析や腎移植が必要になることもあります。また、CKDがあると狭心症や心筋梗塞などの心疾患や、脳梗塞などの脳血管疾患などを発症するリスクが高くなることがわかっています。自覚症状がないために放置した結果、気づいたときは透析導入寸前というケースもありますが、私が医師になった20年ほど前と比べて、健康診断をきっかけに早期発見・早期治療につながる方が多くなった印象があります。

Q腎臓病は早期発見・早期治療が大切だと聞きました。
A
みんなの内科クリニック人形町・水天宮 検査値の以上がある場合、早期に受診することが大切

▲検査値の以上がある場合、早期に受診することが大切

腎臓の働きが悪くなってしまうと元の状態に戻すことは難しいのですが、早期であれば治療により回復も見込めます。一般的にeGFR値が60を切ると回復は難しくなるとされていますので、その手前で治療を始めることが大切です。ただし、腎機能はeGFR値だけで判断されるものではなく、eGFR値が60以上でも他の検査値に異常があれば腎臓病と診断されることもあります。また、eGFR値が59以下でも、早めに治療を始めることで病気の進行抑制が期待できます。尿タンパクは疲労が原因で陽性になることもありますし、甲状腺疾患など他の病気が原因でクレアチニン値が上がることもあります。早めに受診して原因を確かめることが大切です。

Qこちらではどのような検査や治療を受けられるのでしょうか?
A
みんなの内科クリニック人形町・水天宮 患者のライフスタイルに合わせて治療を提供している

▲患者のライフスタイルに合わせて治療を提供している

私は日本腎臓学会腎臓専門医として、大学病院などで長年経験を積んできました。腎臓領域を専門とする開業医は少なく、身近なクリニックで大学病院と同じレベルの診療を提供できればと思っています。腎生検など侵襲を伴う検査や入院加療は大学病院に依頼しますが、その他の検査・治療は対応可能です。また、腎臓病は塩分摂取制限など食生活の改善も重要ですが、厳密に遵守し続けるのは大変です。当院では、例えば外食する日は1日2食にするなど、患者さんのライフスタイルに合わせたご提案を心がけています。また、腎臓病治療で大切な高血圧治療の選択肢として、血圧管理アプリも導入しています。興味のある方はご相談ください。

ドクターからのメッセージ

谷津 圭介院長

尿タンパクはストレスや疲労、睡眠不足、水分不足などのほか、妊娠が原因で陽性になることがあります。妊娠すると普段よりも腎臓への負担が増えるため尿タンパクが出やすくなりますが、尿タンパクは高血圧とともに妊娠高血圧症候群のリスク因子でもあり、注意が必要です。将来、妊娠を希望している女性で、健康診断で何度も尿タンパク陽性になっている方は、腎臓内科の医師に相談しておくことをお勧めします。慢性の腎臓病は、自覚症状がないままに徐々に進行していく怖い病気ですが、腎臓領域の治療はどんどん進歩しています。早期に適切な治療を受ければ病気の発症や進行予防が期待できますので、ぜひ気軽にご相談ください。

Access