常賀 敬史郎 院長の独自取材記事
つねが歯科クリニック
(北九州市八幡西区/通谷駅)
最終更新日:2022/03/29
北九州市八幡西区、小嶺インター口バス停から徒歩3分の場所にある「つねが歯科クリニック」。2010年に開業して以来、地域住民の歯を守り続けている。院長の常賀敬史郎先生が特に力を入れているのは、歯をできる限り残す根管治療と、定期的なメンテナンスだ。「当院では未就学のお子さんから高齢の方まで、幅広い年代の方がメンテナンスに来てくださいますよ。歯科衛生士が頑張ってくれているおかげだと思います」と笑みを見せる常賀院長。自身も子どもの頃は歯科が怖かったため、患者に恐怖心を与えないよう心を配っており、患者とスタッフの笑顔がそこかしこで花開くのも同院の特徴だ。根管治療・メンテナンスを重視するようになったきっかけ、地域住民の幅広い相談に乗る同院の治療スタンスなどについて、院長に話を聞いた。
(取材日2022年3月17日)
師匠の教えに感銘を受け、歯を残す治療に注力
先生が歯科医師をめざしたきっかけからお聞かせください。
父がエックス線の検査機器を製造・販売する企業に勤めていて、「将来は医科か歯科に進んだらどうだろう」とアドバイスをくれたんです。自分でも興味があったので、九州大学の歯学部に進学しました。卒業後は信頼できる友人の「良い歯科があるんだ」という言葉もあり、彼とともに久留米の歯科に勤めることになりました。久留米はとても思い出深い土地で、院長先生だけではなく患者さんも良くしてくださいましたね。大学卒業してすぐのひよっこにも優しく声をかけてくださるような方ばかりで、地域の皆さんに育てていただいたのだと感じています。5年ほど勤め、その後は院長先生のお知り合いである北九州市の「かじわらクリニック」へ移動しました。
北九州ではどんな出会いがありましたか?
久留米の先生と北九州の先生は、下川公一先生に師事しているお弟子さん同士でした。その下川先生が注力しておられたのが根管治療、つまり歯をできる限り残す治療です。僕も下川先生の薫陶を受け、今の治療にも生かされています。かじわらクリニックに勤め始めてすぐに古賀市に分院を作る流れになり、そこの分院長を任されました。立ち上げから運営まですべて関わったので、ある意味開業の勉強をしていたような形にもなっていましたね。クリニックが軌道に乗り、そろそろ地元鳥取に帰るかどうか迷っていた頃、下川先生から連絡があったんです。「いい場所があるから、開業してみないか?」と。
それがこの場所なんですね。
下川先生と一緒に足を運び、ここに開業しようと決意しました。下川先生が言うなら間違いないという信頼もありましたし、今実際に患者さんに頼りにされる場所になったと感じています。下川先生は治療の技術、根管治療に対する姿勢はもちろんですが、人間性も豊かな方でした。後進の育成にも力を入れておられましたし、僕自身も先生のような人間になりたいと思っていたのですが、あれほどの人格者になるのはなかなか難しいですね。下川先生を筆頭に、福岡での出会いはいずれも素晴らしいものばかりだと感じています。
乳幼児から高齢者までがメンテナンスに通う環境に
開業して10年を超えましたが、患者さんはどのような方が来ておられますか?
1歳くらいの赤ちゃんの歯科検診から、高齢の方まで幅広く足を運んでくださっています。この地域の方が多く、お子さんが虫歯で来たことをきっかけにお母さんが通うようになってくださったり、その旦那さんが来て、さらに仕事場の方へ広がっていくというケースが多いです。ホームページはありますが、広告は出していませんし、クチコミで来てくださるのは本当にうれしいですね。下川先生の教えもあり、自分のクリニックでも予防とメンテナンスには力を入れていきたいという思いがありましたから、メンテナンスを受ける方が増えてきたことも非常にうれしいです。もちろん開業当初はメンテナンスを受けたことがないという方も多かったのですが、ここまで患者さんの理解が深まってきたのは、やはり歯科衛生士が頑張ってくれているからだと思います。
先生方の働きかけでメンテナンスが根づいたのでしょうか。
そうだと思いますよ。虫歯治療は歯科医師の仕事、歯茎のケアは歯科衛生士の仕事と僕は習ってきましたし、自分でもそうだろうと納得しています。患者さん側には最初は「痛くないのに通うのか……?」という雰囲気もありましたが、地道に僕や歯科衛生士が患者さんそれぞれの歯茎の状態の説明をしたり、メンテナンスの大切さなどを伝え続けていたら、だんだんとメンテナンスに通う方が増えてきたという印象です。メンテナンスの頻度は基本的に3ヵ月に1回ですが、患者さんのお口の状態に応じて2ヵ月に1回にすることもあります。時間は1時間で取っており、最後にはかならず僕が顔を出して患者さんとお話しするようにしています。
先生が来てくださると、患者さんも安心されますよね。
今はかなりメンテナンス希望の方が増えてきてうれしい限りなのですが、歯科衛生士の人数よりも希望者が多い状態になってしまっているので、そこが悩みのタネですね。でもそれくらいにメンテナンスが浸透してきているのだという実感にもなっています。学生さんはもちろん、3歳児検診などをきっかけにメンテナンスを受けてくれる未就学のお子さんもおられますよ。
メンテナンスを軸に歯を残すための治療を提供し続ける
未就学の時期からならば、本当に予防が生活の一部になりますよね。
メンテナンスに苦手意識がありそうな中高年の働き盛りの方でも、「メンテナンスはとても気持ち良いですね」と喜んでくださっています。いずれはもっとメンテナンスが浸透して、僕の仕事が突発的な歯の欠けや、初診の方の虫歯治療くらいになるのが理想ですよね。それだけ地域の方のデンタルIQが高くなるということですから。僕が大事にしている根管治療の他にも、月に1回、矯正専門の先生に来てもらって矯正治療も行っています。歯列矯正に加え噛み合わせが整えられれば、歯磨きがしやすくなりますし、結果、歯を残すことにつながりますから。
診察で気をつけている点はありますか?
患者さんとお話しするときの声のトーンや話すスピードは考えていますね。僕自身も歯科医院が怖かったので、患者さんに恐怖心を与えないように気を配っています。怖くなると、やっぱり治療やメンテナンスからドロップアウトしてしまい、歯を残せなくなってしまいますから。クリニック全体の雰囲気も「医療機関」っぽくないかもしれません。受付スタッフと患者さんが笑顔で話しているのをよく見かけますし、患者さんが楽しんで来てくださるような空間になるようにというスタッフみんなの共通意識があるのだと思います。でも治療はやっぱり怖いんでしょうか、スタッフも患者さんも、僕には見せてくれない笑顔がたくさんあるんですよ。患者さんに笑ってもらえるよう頑張っているのですけどね。
皆さんのお人柄が伝わります。最後に今後の展望や、読者へのメッセージをお聞かせください。
勉強したいと思っているのはデジタルの分野ですね。歯科にもデジタルの流れがあるので、歯を残すことにつながるのであれば取り入れたいと考えています。治療をするならできる限り歯を残す方法を選んでいく、歯を残すためのメンテナンスを浸透させていく。この2つは今後も変わらず、当院の軸です。痛くなってから歯科に行くのではなく、痛くないからこそ、メンテナンスを続けてほしいと思っています。受けたことがない方も、ぜひメンテナンスを体験し、その良さを感じてほしいですね。そうしてじっくりと地域の皆さんの歯を守っていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは全顎矯正/100万円程度
部分矯正:1ブロック5万円
インプラント治療/1本30万円