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曲 惠介 院長の独自取材記事

まがり医院

(新宿区/四谷三丁目駅)

最終更新日:2024/04/19

曲惠介院長 まがり医院 main

四谷三丁目駅から徒歩5分。渋めの飲食店が立ち並ぶ荒木町の一角にある「まがり医院」。1998年の開院以来、地元の子どもから100歳の高齢者まで、幅広い年齢層の患者に対する地域医療に貢献し続けている。明るく清潔感にあふれた院内は、ウッドテイストの温かみのある空間。曲惠介院長は、患者の悩みを丸ごと受け止めてくれそうな包容力を感じるドクターだ。専門は循環器・血管外科だが、生活習慣病や花粉症など専門以外の分野にも対応している。現在、新型コロナウイルス感染症流行下で患者を守るためにやむを得ず完全予約制での診療体制を取っている同院。「患者さんにはなんとか理解していただきながら続けていますが、早く元の診療体制に戻したいですね」と話す曲院長に日々の診療と医療への思いを聞いた。

(取材日2022年11月18日)

完全予約制と診療時間分離で感染症対策を

現在は、新型コロナウイルス感染症流行下のため臨時の診療体制を取っているそうですね。

曲惠介院長 まがり医院1

新型コロナウイルス感染症流行下において、発熱や風邪症状のある患者さんと一般の患者さんは分離しなくてはいけません。誰が罹患していてもおかしくない状況ですから、当院では感染予防のため、やむを得ず完全予約制にしています。予約は電話で受付、発熱者専用の外来に関しては診療時間を分離し、当院をかかりつけにしている患者さんだけを診させていただいています。また、処置室には感染症対策用のブースを設け、唾液によるPCR検査を行っています。2年半ぐらい前からこの体制で診療していますが、だからこそ院内クラスターが発生せず一般の診療も続けてくることができたのだと思います。完全予約制は、本来の当院の診療スタイルには合わないのですが、患者さんにはご理解いただけるとありがたいですね。

新型コロナウイルス感染症によってさまざまな影響が出ているのですね。

発熱者専用の外来は防護服の着用などもありますから、診療時間は長くかかりますし、予約枠がいっぱいなので、当日急に診てほしいという要望にはお応えする余裕がない状態がほとんどです。また、当院は院内処方ですが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で風邪薬や咳止め、解熱鎮静剤などは入手しにくい状況に陥ることもあります。解熱鎮痛系の漢方薬も同じような状況ですね。通常は院内調剤の医院を優先して薬が配分されるので、薬局などではさらに厳しい状況ではないかと思います。慢性疾患の患者さんに対しては、何度も来院していただかなくて済むようできる限り長期処方にも対応しています。

その他の診療についてはいかがでしょう?

曲惠介院長 まがり医院2

必要に応じてエコー検査による腎臓や肝臓、膵臓などの疾患のスクリーニングや胃の検査も実施しています。生活習慣病は自覚がないまま進行しますから、定期的な検診が大切ですね。胸や背中の痛みや締めつけ感を心臓病ではないかと気にされる方は非常に多いのですが、心臓が原因の場合はだいたい15分以内に強い発作に見舞われるといわれていますから、痛みがずっと続いている場合は心臓ではなく肋間神経痛や消化器系が原因と考えられます。当院はプライマリケアに対応していますから何か異常を感じたり、足のむくみや疲れ、血管の浮き上がりの症状などがあれば、ぜひご相談ください。時代の流れやニーズも考慮しながら、今後も相談できるホームドクターとして地域医療に貢献したいと思っています。

回復していく姿に感動し、循環器・血管外科を専門に

先生のご経歴をお聞かせください。

曲惠介院長 まがり医院3

生まれは東京ですが、3歳から高校生までを群馬県で過ごしました。両親ともに医師で、父は消化器外科、母は眼科で開業していました。物心ついた頃から、両親が医師として働く姿をずっと見続けていたので、自分も漠然と医師の道に進むんだろうなと思っていましたね。小さい頃は、父の医院に遊びに行き、勝手に診察室に入ってよく怒られていました(笑)。父は朝から晩まで休みなく働いていましたから、医師の仕事は大変だなと感じていましたね。それと同時に、僕は長男だったので父の医院を継がなければならないという使命感もあったと思います。しかし、僕は父とは違う循環器・血管外科を専門分野に選択してしまい、医院を継ぐことにはなりませんでした。

循環器・血管外科をご専門に選ばれた理由は?

医学部の実習の時、治療してすぐその場で結果につながることに興味を持ちました。例えば、心筋梗塞や狭心症で発作を起こした患者さんは生きるか死ぬかの危険な状態でやって来るわけですが、投薬やマッサージなどの救命処置を始めることで、容体の安定や症状改善をめざしていきます。今にも死にそうだった患者さんが回復に向かう姿には感動しましたね。初期研修医時代、大学病院では専門の循環器系の患者さんだけを診ていましたが、アルバイト先の病院では専門外のところも診ていました。吐血や脳梗塞の発作、骨折の処置、眼科と耳鼻咽喉科まで診察しましたね。しかし、そのおかげで専門外のいろいろな医療知識を得ることができました。それが当院の総合的医療につながっていると感じます。

これまでのご経験が現在の診療に生かされているのですね。

曲惠介院長 まがり医院4

開院する直前に勤務した小さな病院では専門外の胃腸や肛門を専門的に診る部門に配属され、痔の手術、胃がんや大腸がん、胃潰瘍や食道静脈瘤破裂(しょくどうじょうみゃくりゅうはれつ)の手術や処置を行っていました。救急指定病院だったので、交通事故や自殺未遂の患者さんが運び込まれることが多く救命救急医療もたくさん経験しています。朝から外来患者の診察をしながら合間に手術もして、急患が来たら対応しなければならず、本当に激しい2年間でしたが実に多くのことを覚えました。さらに、その病院では医療だけでなく経営的なことも学ぶことができました。それまでは大学病院のシステムの中で働いていましたから、病院経営にタッチすることなどありませんでしたが、小さい病院では全部自分でやらなければいけません。大変でしたが、今の医院経営に生かされていますね。

気軽に相談できるホームドクターとして地域に貢献

こちらにはどのような患者さんが来院されますか?

曲惠介院長 まがり医院5

10歳から100歳まで幅広い年代の患者さんが来られます。中でも一番多いのは、30代から50代の働き盛り世代ですね。この辺りはビジネス街ということもあり飲食店が多いため、会社員の方や飲食店関係の方などが多い印象です。そういった方々は、お酒を飲む機会が多く生活が不規則なので、肝臓疾患や高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病が懸念されます。そのほか整形外科の患者さんもよく来られますね。腰痛や膝の痛み、肩こりの症状を訴える方は少なくありません。骨折や捻挫、脱臼などの処置はできますし、骨密度測定なども行っていますが、さすがに複雑骨折になると専門の医院にお願いしています。花粉症の舌下免疫療法も導入していますし、いろいろな年代のさまざまな症状の方が来られるので、患者さんの話をよく聞いて混乱しないようにちゃんとカルテに細かく書くことを心がけています。

生活習慣病の治療は生活指導が中心ですか?

そうですね。まず肥満体の方にはカロリーの摂取量を制限して、標準体重を維持するよう指導します。肥満になりやすい人は、夜遅く食べてしまう傾向があります。仕事が忙しくて夜寝る前に食べざるを得ない場合でも、できることなら就寝3時間前には食事は済ませてほしいですね。高血圧の方は塩分を制限すれば、血圧を上げる働きがあるホルモンの活性が落ちて血圧を下げることにつながります。動脈硬化や高脂血症などの原因になるコレステロールが高い場合は、食事制限と運動療法を指導します。食事は最低限必要なカロリーを維持したまま摂取量を減らす。植物性や魚系は取っても大丈夫ですが、肉は控えたほうがいいでしょう。お酒の飲み過ぎはいけませんが、お酒よりも喫煙のほうが高血圧、脳卒中などの循環器疾患やがんを引き起こすリスクが高いので注意が必要です。

最後に今後の展望、読者へのメッセージをお願いします。

曲惠介院長 まがり医院6

新型コロナウイルス感染症が落ち着き次第、できるだけ早く従来の診療体制に戻しますので、患者さんにはもう少しの間ご協力いただき頑張ってもらいたいですね。症状がある場合は、まずはお電話で予約をしてください。その際にどのような症状なのかも伝えていただけると診療に役立ちます。完全予約制で院内の混雑を避けることは、ひいては患者さん自身を守ることになります。感染症の流行が落ち着き、従来どおりの体制に戻した後も、これまでと変わらず患者さんをサポートしていきたいと思います。

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