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吉田 直優 院長の独自取材記事

よしだファミリークリニック

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2024/02/13

吉田直優院長 よしだファミリークリニック  main

岐阜駅からほど近い、幹線道路に面した「よしだファミリークリニック」。内科、小児科をはじめ、外科や整形外科、リハビリテーション科も標榜している。さまざまな診療科を標榜しているのは、吉田直優院長の「地域住民が困ったときに気軽に相談できるクリニックでありたい」という想いがあるからだ。院長自身、救命救急の現場で研鑽を積み、命に関わるような治療に長年携わってきた。だからこそどのような症状を抱える患者でも受け入れて、致命的な疾患を見逃さずに、地域の健康を支えていきたいと願っているのだそう。救命救急での経験について、またファミリークリニックとしての心がけ、三大疾病への取り組みについてなど、話を聞いた。

(取材日2019年7月17日/情報更新日2024年2月1日)

救命救急から学んだ、チーム医療の大切さ

開業されるまでの経緯を教えてください。

吉田直優院長 よしだファミリークリニック 1

岐阜県の海津市の出身です。幼い頃から人の命を救う仕事に憧れがあり、特に外科の医師になりたいと思っていました。手術によって患者さんの抱える症状を改善していく外科という分野が、目に見えてわかりやすく、理解しやすかったというのもあります。もともと手を動かすのも好きでしたので、消化器外科を専門にしたんです。その後、静岡県や岐阜県内の医療機関で救急医療にも従事し、2012年に当院を開業しました。この辺りは、以前から住んでいるご高齢の方もいらっしゃれば、駅が近く昨今では宅地開発も進んでいるので、新たに移り住む若い世代も多いです。縁あって前のクリニックから継承しましたので、昔から通ってくださっている患者さんも大切にしつつ、新たな患者さんとそのファミリーもサポートしていきたいです。

救命救急の現場で、どのような経験を積まれたのでしょうか?

岐阜大学医学部附属病院や羽島市民病院で、救命救急の経験を積んできました。岐阜大学にいた頃はドクターヘリの黎明期でしたので、その立ち上げにも関わりました。郡上や高山といったエリアには、重傷を負った患者さんへ専門性の高い医療に対応できる施設や体制が少なく、山間部ではアクセスも悪いので、ドクターヘリの導入が望まれていました。土地柄、冬場のスキー事故なども多かったですね。脊髄損傷といった重篤な障害を負ってしまうケースも少なくなかったので、必死で対応していました。忙しく、緊張感のある仕事ではありましたが、やりがいは大きく、学ぶことも多くありました。

そうした経験から、どんなことを学ばれましたか。

吉田直優院長 よしだファミリークリニック 2

例えばドクターヘリで行う救命は、医師だけでは完結できません。専門職が各々の分野の知識や技術を生かしてチームとして動いていくことが必要です。適材適所という言葉がまさにそれです。私は大学時代にラグビーをやっていたのですが、ラグビーもそういうスポーツなんですよね。足が速い、背が高い、力が強い、そして私のような小柄な人間でも、各々が特性を生かして活躍できるのがいいところです。ラグビーも救命もチームに対する信頼が重要で、私はその両方で素晴らしい仲間を得られたことを誇りに思っています。ラグビーの先輩・後輩はいまだに付き合いもあって、開業後も患者さんを紹介したりすることもありますね。チームの大切さを身にしみて感じたので、当院でも看護師との連携を大事にしています。高齢の患者さんに優しく声がけしてくれる看護師が多く、助かっています。

地域住民のかかりつけとして、さまざまな症状に対応

どんなクリニックをめざして開業されましたか。

吉田直優院長 よしだファミリークリニック 3

病院勤務の中で、外科治療に携わってきましたが、手術するだけでは完全ではない場合が多々あると感じていました。手術前後の患者さんのケアがとても大切で、私自身もそこまで責任を持って関わっていきたいという思いもありました。また、そうした患者さんを支えるご家族も、多くの負担や苦労があることを感じていました。だからこそ、自分が開業したら、地域で必要とされる治療をすべて手広く手がけたいと思っていました。内科、外科、整形外科、小児科、リハビリテーション科と、多くの診療科を掲げているのも、そうした気持ちの表れなんです。年代、症状を問わず、家族4世代で通えるクリニックにしようと、全世代を受け入れていますし、患者さんの家族構成も把握して、それぞれの患者さんの環境に合わせた治療や無理のないケアができるよう心がけています。

子どもの診療で感じることはありますか。

軽微な症状でも薬に頼りがちな親子が多いと感じます。すぐに薬を使ってしまうと、免疫機能が高まっていかないことがあるんですよ。規則正しい生活、特に食事と睡眠のバランスに気をつけて日常生活を送ることで、まずは免疫を高めていってほしいですね。運動も大切だと思います。私自身、学生時代はラグビーに親しみ、今はジョギングに精を出していて、フルマラソンも走っているんですよ。子どもの患者さんには「部活何やってる?」とつい聞いてしまいますね。体をつくっていく時期の運動はとても重要です。

高齢者の診療ではどんなことを感じていますか?

吉田直優院長 よしだファミリークリニック 4

人生100年といわれる時代ですので、元気に長生きをしてほしいですね。健康寿命を延ばすお手伝いができたらと思いながら、診療を行っています。糖尿病などの生活習慣病を抱えていらっしゃる方、骨粗しょう症に悩まされている方、そんな患者さんが多いです。こういった慢性疾患にも運動が有用です。日光にあたって体を動かすことで、随分症状は改善に向かうと思いますよ。当院では機械を使ったリハビリテーションも行っていますので、ぜひこうした設備も活用してほしいですね。毎週の習慣のようにクリニックに行って、患者さん同士で体調についてなど井戸端会議をして、リハビリを楽しそうに受けて帰る。そうやって通院する・おしゃべりする、それ自体が良いリハビリになると思っています。健康維持のために、どんどんクリニックを使っていただきたいです。

三大疾病の早期発見にも注力

三大疾病の早期発見や診療にも力を入れていますね。

吉田直優院長 よしだファミリークリニック 5

がん、心疾患、脳卒中の三大疾病を見落とさず、適切な治療につなげることに注力しています。歩き方がおかしくなったり、尋常ではない胸の痛みを感じたりした場合には、ためらわず来院して教えていただきたいですね。もちろん、救急車を呼ぶことも念頭においてほしいです。消化器系のがんについては、救命救急と同時に自分が専門としてきた分野なので、見落としがないように気を配って診療しています。

がんの早期発見に向けて、どんな取り組みをされていますか?

自治体が行っている健診はもちろん、既往歴やご家族の持病などもお聞きして、別の症状で来院された時にもがんの可能性を頭の隅に置きながら、診療を行っています。血液検査も適宜行い、状況を把握するようにもしています。それでも見落としがないとは言えないので、とにかくがん検診を1〜2年に1度は受けてほしいですね。特に乳がんや胃がんは若くても罹患しますから、検診を習慣にしてほしいです。レントゲンなどの被ばくリスクを気にされる方もいらっしゃいますが、被ばくのリスクとがんを早期発見できるメリットを比べれば、検査を受けないという選択にはならないのではないでしょうか。私はがんで命を落とす人をたくさん見てきましたし、それと同じくらい社会復帰される方も見てきました。だからこそ、早期発見のために自分のできる限りの知見を生かして、患者さんと向き合っていきたいですね。

開業された今も、お付き合いが続く患者さんもいらっしゃるそうですね。

吉田直優院長 よしだファミリークリニック 6

がん治療をした静岡に住んでいる患者さんで、出会いから15年以上たった今もはるばる通院してくださっている方もいます。電話口でちょっとしたことをアドバイスしたり、SNSでやりとりをしたり、まるで親戚のような距離感ですね。それだけ信頼いただけているんだとしたらうれしいですし、その期待に長く応えていきたいと思います。他にも、残念ながら亡くなってしまった患者さんのご家族とのお付き合いが続いています。どんな時でも誠心誠意向き合うことでつないできた縁を大事にしながら、クリニックで出会う患者さんとも、末永いお付き合いができるよう、まっすぐに笑顔で向き合いたいです。

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