三嶋 晃 院長の独自取材記事
みしま内科
(品川区/旗の台駅)
最終更新日:2025/08/18

東急大井町線、東急池上線の2つの路線が通る旗の台駅から徒歩2分の場所にある「みしま内科」。院長である三嶋晃先生が2018年に開院して今年で7年目となる。院内は広々としたバリアフリー設計で、高齢者の他、車いすやベビーカーを利用した患者でも通院しやすい。待合室から外を眺めると小さな池があり、コイや金魚が泳ぐ姿が患者の気持ちを自然と和ませている。高齢者の多いこの地域では高血圧症や糖尿病などの生活習慣病に悩む患者が多いため、患者との何げない会話から体調の変化を予測し、検査などを行っている。「往診や訪問診療は研修医時代からよく行っていました。通院が難しい患者さんになるべく対応していきたいと思っています」と話す三嶋院長。地域に密着したドクターとしての心持ちや診療方針、今後の展望を聞いた。
(取材日2025年7月22日)
高齢者に寄り添う診療が地域住民の健康を支える
2018年の開院から何か変化はありましたか?

先々代がこの場所で開院し、その後に義理の父が「瀬底内科胃腸科医院」として地域医療に携わってきました。私は7年前からこの場所を引き継ぎ、当院を開院しました。2018年に開院し、その2年後には新型コロナウイルス感染症の流行が始まりました。どこのクリニックも厳しい状況だったと思いますが、やっと落ち着いてきましたね。この地域は高齢者が多く、私も年を重ねています。地域住民と開業医という関係性ですが、ともに健康を見守り、励まし合っていきたいですね。「ここに来たら、担当の医師がいる」と思ってもらえれば、皆さんにも安心感を与えられるかなと思っています。
高齢者の方にはどのように接していますか?
先ほどもお話しましたが、この旗の台エリアは高齢者が多く、100歳を超えた方もいらっしゃいます。7年前の開院時に改装してバリアフリーにしていますが、診察室に歩いて入って来られる方もいらっしゃいますね。私は100歳を迎えた方と記念に写真を撮るようにしていて、それが楽しみであり、励みにもなっています。患者さんの主訴は、高血圧や糖尿病といった生活習慣病がほとんど。診療をしているとその延長でがんがあるかもしれませんので、慎重に診ています。この7年の間に、ずっと診ていた患者さんとのお別れもあり、それは本当に寂しく感じています。当院では看取りにも対応しており、看取るというのは内科医の大切な役割だと思っていますので、ご家族の方とともに最期の時間を迎えたいと思っています。
往診や訪問診療も積極的に行っていますね。

そうですね。通常の診療時間外で訪問診療にも回っています。また、「腹痛で動けない」「急に立てなくなった」「高熱が出て下がらない」など、自力で病院まで行くことができない方に対しても、往診をしています。研修医時代から訪問診療を行っていたので、まったく苦ではないですね。研修医の時についていた医師が訪問診療を重視しており、よく同行していたからだと思います。都内だけではなく、少し田舎のエリアなどさまざまな所に足を運びました。訪問診療の利点は、その方の生活がすべてわかること。ただ通院されるだけではわからない、患者さんの生活習慣が見えてくるので、これからも力を入れていきたいですね。
品川区民健診に対応し、疾患の早期発見にも貢献
院内は待合室も広々としてゆったりとした造りです。現在の設備について教えてください。

ありがとうございます。内視鏡やエコー、エックス線なども完備し、精密な検査にも対応しています。内視鏡に関しては、今年1月にAIを搭載した先進の物を導入したばかり。AIが補助診断してくれるもので、胃の粘膜内の異常を知らせてくれたり、がんが疑われるような部分を画像解析して検出してくれるので、より精密に診断できるようになりました。現在では、月に10件くらい行っていますね。当院は品川区民を対象とした、内視鏡を使った胃がん検診にも参加しています。経口と経鼻、どちらも対応しているので、慣れていない人は経鼻を勧めています。胃カメラに関しては、特に普段の生活で異常がなく、健康な人であれば2年に1回程度受けるのがいいでしょう。ピロリ菌に感染しているかをチェックできますので、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を未然に防ぐことが期待できます。
診察の際に心がけていることはどんなことですか?
問診で心がけていることは、患者さんの話だけではなく様子もしっかり観察すること。毎日通院されている患者さんも多いので、おおよそ状態はわかります。でも、その中で何か引っかかることを感じる時があります。もし「食事をする時に、喉に食べ物がつっかえる感じがする」とおっしゃったら、食道がんの前兆かもしれない。また、腹痛の原因が肺炎や心筋梗塞だったりすることもある。このように、今まで訴えていなかったようなことを言い始めたら、それは病気のサインの場合が多いため、注意深く耳を傾けないといけないですね。普段とはどこか違う表情や口調を感じたら、話を深く聞いてみる。そういう患者さんの些細な変化は見落とさないようにいつも気をつけていますね。
その結果、早期発見につながるのですね。

そうですね。無症状であっても何か違和感があるようだったら、詳しく話を聞くようにしています。そのような心がけが、がんの早期発見につながればと思っています。定期的に診ている患者さんでも、年に1回の区民検診でエックス線を撮ったりすると、異常が見つかったりします。腫瘍が見つかった場合、悪性腫瘍であることも考えられます。がんの場合、体力があり他に問題がないようなら手術したほうがいいというのが私の考えです。しかもこの近辺には頼もしい総合病院がたくさんあるので、患者さんが治療に専念できるように紹介をしていきたいですね。もし地方だったとしたら病院の数も限られますし、手術を受けたくてもスムーズにいかないことが多いと思うので、恵まれた環境だと思います。
地域のかかりつけ医として末長く患者を診療したい
健康を保つためには、どのようなことが必要だと思いますか?

健康診断は年に1回は受けたほうがいいでしょう。生活習慣病、さらにはがんの発見にもつながると思います。血液検査をするだけで発見することができる異常もあります。ただ、難しいのが診断がつかない病気もあるということ。それこそ、近隣の総合病院で診断がつかず、当院にやってくる方もおられます。内分泌疾患などが多いですが、そんな場合にはいろいろ文献を調べたりして、どういう治療を進めたらいいのか考えていきたいと思っています。どうしても診断が難しい疾患というのはあるものなので、その場合どのように対処していくのかが課題です。なるべく患者さんの痛みや不安を和らげるように対応しています。
最近はどのように休日を過ごされていますか?
私自身も健康を保つため、2年ほど前から近所のボクシングジムに通っています。休診日の水曜日に行くことが多いのですが、最近は会議が入ってしまったりして、少し足が遠のいています。ジムを経営している方は元プロボクサーで、私がなかなか顔を出さないとクリニックに立ち寄って誘ってくれます(笑)。あとはゴルフですね。2ヵ月に1回、医師会のゴルフコンペがあり参加しています。新型コロナウイルス感染症の流行中は中断していましたが、また再開できてうれしいばかり。やはり同業者との交流は、情報交換の場にもなりますし、リフレッシュにもなるのでいいですね。
今後の展望を教えてください。

開院当時は思わなかったことですが、自分自身が健康でいることですね。患者さんの健康を見守り、自分の健康もちゃんと管理する。さまざまな病状の患者さんと向き合い診断していく中で、自分が病気にならないという保障はないのだから自分の体も守っていかないといけないと思うようになりました。患者さんの中には、たとえがんでも手術をしたがらない人もいます。それはその方の意思として尊重し、私が責任を持って最期を看取りたいと思っています。地域に根差した開業医である以上、患者さんとともに健康を保っていくことは大事だと思います。心身ともに健やかでないと、診断も治療もできません。体は資本であるということを地域の人たちにも伝えていきたいですね。