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浜野 巨志 院長の独自取材記事

はまの耳鼻咽喉科クリニック

(門真市/大和田駅)

最終更新日:2026/08/28

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック main

京阪本線の大和田駅から徒歩1分の「はまの耳鼻咽喉科クリニック」。全面バリアフリーで、中待合の椅子の背もたれは吸入などの処置を行う患者の目隠しのためにあえて高めにするなど、こまやかな配慮を感じる設計になっている。院長を務める浜野巨志(きよし)先生は、長く睡眠時無呼吸症候群の研究と診療に携わってきた日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。2018年の開業から8年がたった現在は、なじみの患者も多く、院内には笑い声が絶えないのだそう。「耳鼻咽喉科領域に限らず、患者さんの病気を早く見つけてあげたいんです」と話す浜野院長に、診療への思いを聞いた。

(取材日2026年7月31日)

領域に縛られない全人的な診療で病気の早期発見を

今年で開業から8年ですね。

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック1

勤務医として過ごす中で、もっと患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供したいと思うようになり、開業しました。開業当初は難聴や耳鳴り、めまい、睡眠時無呼吸症候群などに悩むご高齢の患者さんが中心でしたが、現在は幅広い年齢層の方にお越しいただいています。めまいや耳鳴りに長期間苦しまれた方が当院に駆け込んで来ることも多いですね。近年は、子どもの頃からアレルギーの根治をめざす舌下免疫療法に注力していて、お子さんだけでなく治療を希望される大人の方も少しずつ増えてきています。

クリニックの診療方針を教えてください。

当院では、全人的に診ることを大切にしています。耳鼻咽喉科領域はもちろん、耳鼻咽喉科以外の疾患についても耳鼻咽喉科的な観点からアプローチしていくことで、早期発見・早期治療につなげられればと考えているからです。患者さんの中には耳鼻咽喉科にしか通っていない方も意外と多く、「自分は大丈夫」と、ご自身の健康を過信している方もいらっしゃいます。ですが、専門の医師でも自分の病気を見つけられずに亡くなってしまうことがあるのです。たとえ私の専門分野ではなかったとしても、知っている患者さんががんで亡くなったり、後で病気が見つかったりするのは気持ちのいいものではありません。早い段階で病気を見つけられれば治療できる可能性も高まるわけですから、少なくとも当院に来てくださる患者さんには、自分の専門外でも隠れている疾患のサインを拾えればと思っています。

具体的にはどのようなアプローチをしているのですか?

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック2

耳、鼻、喉、顔の症状や病状などから必要性を感じた場合に、いろいろな検査を行っています。特に顔や舌は、消化管の症状など耳鼻咽喉科領域以外のさまざまな疾患のサインが出やすいため、注意深く診ていますね。例えば、咳が続く場合、一般的な薬を長期にわたって処方するのではなく、その咳の性質や状態がおかしいと感じた段階ですぐにCTを撮ります。CTがきっかけで肺がんが見つかることもあり得ます。エックス線では見逃されてしまう疾患はたくさんありますから、もう一歩踏み込んだ検査を勧めるようにしています。めまいや耳鳴りを繰り返していたり、なかなか改善が見込めない患者さんは、動脈瘤や脳腫瘍、脳梗塞などの病気が隠れている場合がありますから、脳のMRIで積極的に調べています。当院にも耳鼻咽喉科用CTは導入していますが、頭の検査や胸部のCTなどは、連携している萱島生野病院で速やかに検査をしてもらえる環境を整えています。

睡眠時無呼吸症候群をはじめ専門性の高い治療を提供

睡眠時無呼吸症候群の治療がご専門だと伺いました。

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック3

睡眠時無呼吸症候群の治療を始めた患者さんに耳や鼻以外に現れる兆候について知り、興味深く思い、治療と研究を続けてきました。例えば、睡眠時無呼吸症候群は、不整脈や血圧、急性心不全にも影響があることがわかりました。この病気は年齢に関わらず、骨格や体重が原因だったり、痩せていても顎の小さい方はかかりやすいため、小さなお子さんの患者さんもいます。また、子どもの場合は、成長ホルモンの分泌が少なくなるとされていて、身長の伸びが遅い、勉強が続かないといったことがきっかけで治療されている方もいます。受診の目安は、朝起きた時の口渇感が大きなポイントになりますが、それ以外に朝から頭が痛い、夜中に何回か目が覚めるなどの症状や、昼間に強い眠気を感じたり集中力がない方は、早めに検査を受けていただきたいです。

耳鼻咽喉科での睡眠時無呼吸症候群の治療は特にどんな点がメリットでしょうか?

どの診療科を受診されても患者さんの状態に合わせて適切な治療方法が選択されます。重症度や原因に応じた治療方法が適用されますので、一概にどの治療方法が優れているということはありません。しかし、普及している治療法の一つに睡眠時にマスクを装着するものがありますが、そのマスクが合わずに苦しんでいらっしゃる方は、一度、耳鼻咽喉科を訪れてほしいと思います。原因はご本人の鼻の器質的障害や骨格的特徴に起因しますので、耳鼻咽喉科であればマスクをより細部まで調整することができるでしょう。当院では、内科の先生から頼まれてマスクの調整を行うこともあります。毎日使用するものなので、使い方や装着感で気になることがあれば積極的にご相談ください。

オンライン診療にも対応されているそうですね。

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック4

今年の5月からオンライン診療を始めました。「引っ越ししても先生に診てもらいたい」と言ってくれる患者さんに、「引っ越し先で新しい先生を探してね」とお伝えしなければならないことが残念で。オンライン診療は遠方の患者さんや、急用や異常気象で来院できない患者さんも責任を持って診察できるため、非常に良いツールだなと感じています。ただ、ずっとオンライン診療のみという体制にはしていません。どうしても来院できない時や当院を知っていただく窓口として活用できればと考えています。今は再診の患者さんや睡眠時無呼吸症候群の患者さんが中心ですが、舌下免疫療法の患者さんも薬との相性に問題がなければオンライン診療で十分対応できますから、ぜひご活用いただきたいですね。

漢方薬を活用し、薬に依存する人を減らしたい

漢方薬を使った治療にも取り組んでいると伺いました。

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック5

耳鼻咽喉科の疾患は感覚領域のためストレスが関係している場合が多く、心療内科や精神科にかかっている方や、精神安定剤や睡眠薬を服用している方が少なくありません。精神安定剤や睡眠薬は即効性が見込める一方、依存性がある場合があります。もちろん必要な薬は飲まなければなりませんが、中には必要がないのに服用していることもあるため、そういった依存性の強い薬から離脱していくための取り組みの一環として、漢方薬を取り入れています。漢方薬は、治療が進めば薬を減量することができ、最終的には卒業をめざせます。薬を飲まずに生活できるのが、人間の本来の姿だと考えています。依存性の高い薬を飲んでいる人を少しでも減らしたいと思っています。

漢方薬を使った治療で心がけていることはありますか?

耳鼻咽喉科は回転が速いため、一人ひとりの患者さんにあまり時間を割くことができないのですが、限られた時間の中でもしっかりと対話し、ねぎらいの一言をかけるよう心がけています。それですっきりされる方もいらっしゃいますし、そのやり取りからどんな薬が必要かが見えてきますから。また、患者さんの中には「薬を飲まないと眠れない」と思い込んでいる方もいるため、患者さんの意識を変えることも時には必要だと感じています。例えば、人間は疲れたら寝られますから、昼間の散歩など適度な運動を勧めたり、生活リズムが悪いと寝られなくなることを説明したりしています。漢方薬と併せて、運動療法や生活リズムを変えるといったアプローチを行うことで、患者さんになるべく依存性の高い薬から卒業してもらえるようにしています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

浜野巨志院長 はまの耳鼻咽喉科クリニック6

医療の質をもっと高めていきたいですね。今提供している治療法以外の選択肢や患者さんの負担の軽減につながるデバイスなど、より良い方法を探っていければと思っています。痛い、つらいといった負荷を患者さんにかけない治療を日頃から心がけていますが、これからも追求していきたいです。その上で、治せるものは積極的に治し、治療の幅をもっと広げて、耳鼻咽喉科以外の領域も取り入れていきたいですね。そうすれば、患者さんもあちこち通院しなくて済みますから。もちろん、何でも治療できるわけではありませんから、できないところは近隣の総合病院にすぐに引き継ぎます。横隔膜より上に関しては、何かお役に立てることがあるかもしれません。困ったことがあれば、一度診察させていただければと思います。