田仲 眞理 院長の独自取材記事
住吉ミモザ歯科・矯正歯科
(江東区/住吉駅)
最終更新日:2025/06/12

住吉駅から徒歩7分の「住吉ミモザ歯科・矯正歯科」。ミモザカラーの籐椅子が置かれた待合室は自然光に満ちやわらかな雰囲気が漂う。院長の田仲眞理先生に温かく迎えられ、緊張がとける人も多いだろう。一般歯科や予防歯科など幅広い診療にあたりながら、専門としている矯正に関しては日々勉強を重ねている田仲院長。「歯並びを良くすることは人生をより良く生きるきっかけになる」と実感するに至ったのはなぜなのか。同院で受けられる矯正の内容や診療ポリシーと併せて、詳しく話を聞いた。
(取材日2023年10月28日/更新日2025年2月28日)
社会人経験を経て子ども時代夢だった歯科医師に
歯科医師をめざしたきっかけやご経歴を教えてください。

親戚に歯科医師がいたこともあり、もともと身近な職業でした。でも何より本と生物学が好きで、学力も足りないからと埼玉大学理学部に進み、卒業後は教育系の出版社を経て医学書を扱う出版社に勤めました。そこで歯科医師にもなりたかったことを思い出したんです。すでに結婚していたものの、夫の応援もあって受験に臨み、一般入試で東京医科歯科大学(現・東京科学大学)に合格した時は本当にうれしかったです。ただ、勉強は理学部の3倍くらい大変でした。多様な分野にふれる中で、口腔がんなどによる顎顔面の損失を再建するための顎顔面補綴にも惹かれましたが、最終的に矯正を志したのは、成人してから矯正治療を受けた経験が大きかったと思います。
住吉に開業しようと思われた理由は何だったのでしょうか。
母校の矯正歯科医局を経て、指導医のもとで研鑽を積みながら10年ほど関東地方や東海地方のクリニックで矯正治療に携わる中で、開業を考えるようになりました。お子さんが多い場所を探していて、町工場跡に大きなマンションが建つなどして若いファミリーが増えそうなこのエリアに出合ったんです。私自身、子育て中でもあったので通いやすいのも魅力的でした。院内はベビーカーでも入りやすいように段差のない設計にして、クッション床で知育玩具などで遊べるキッズスペースも完備しました。お子さんのために低被ばく線量の歯科用CTを設置したのもこだわった点です。実際、開業から今に至るまで子ども連れの患者さんが多いですし、妊産婦歯科健診でいらっしゃる方も少なくありません。少子化時代というのが信じられないような状況です。一方で、お子さんだけではなく、近隣に住むさまざまな方々のお悩みに幅広く対応しています。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

赤ちゃんから高齢の方まで幅広いですね。矯正に関してはお子さんが多いですが、親御さんもいらっしゃいます。親にだって自分の人生があるのですし、親子そろっての矯正も良いと思います。実際、お子さんの矯正をきっかけにご自身の歯並びについて相談され、治療をスタートする方もいますね。大人の場合は、噛み合わせの不調や、虫歯・歯周病のリスクといった機能面にもより着目しながら考えていく必要があります。根本的な問題を置いて枝葉を追いかけても、問題の解決にはならないからです。昔はきれいな歯並びだったのに、親知らずや歯周病が原因で歯列が乱れてしまった方、欠損した箇所が気になる方など、要望はさまざまですが、多少制限はあっても矯正は大人になってからでもできますし、珍しいことでもありません。矯正を通じ、歯並びの美しさや機能性の向上をめざすとともに、患者さんが前向きになっていく姿を見届けることが、私のやりがいでもあります。
専門とする矯正では患者のニーズに繊細に対応
こちらで行っている矯正方法について教えてください。

マルチブラケット装置による矯正をメインに、口腔内3Dスキャナーを活用したマウスピース型装置を用いた矯正も一部併用しています。お子さんの矯正では開始時期を見極めてできるだけ短期間にとどめ、クリニックへの苦手意識をつくらないようにすることも大事にしています。一方、大人の場合はアンカースクリューという歯科矯正用のミニインプラントを併用し、歯を引っ張る足がかりにすることで、より短い期間で精度の高い矯正につなげています。また、欠損歯を補う方法として、MTM(Minor Tooth Movement)という部分的な矯正をして歯間を詰めることも。隣の歯の状態によっては、入れ歯やインプラント治療が難しく、他の歯に負担をかけてしまう可能性のあるケースにも有用なので、良い方法がないと諦めていた方への新たな選択肢としてご提案しています。
どんなことを大切にしながら診療にあたっていますか?
患者さんのお話を丁寧にお聞きして、ご希望を読み違えないことでしょうか。お口の中で私が気になる部分と、患者さんが気にしている部分が違うというのはしょっちゅうあります。何でもお話ししてくれているようで、一番の本心は口に出せないというのもよくあること。特に矯正はどこまでを目標にするのか、美しさに関する個人の価値観にはだいぶ幅があります。だからこそ、患者さんの様子を見ながら、何に困っているのかをうまく引き出したいと思っています。一方で、口腔内の状況を踏まえるとその方の希望に100%応える治療を提供するのが難しいことも。ですので、患者さんの想いと専門家としての考えとのバランスを大事にしながら、その方にとっての最適解を見つけられるように心がけています。先ほどお伝えした矯正方法をはじめ、幅広い選択肢を用意しているのも、一人ひとりに合った治療を提供するためにほかなりません。
患者さんのライフステージの変化にも対応しないといけないのですね。

はい。例えば、ワイヤー矯正をしている最中に「結婚式が決まったのでその時期だけでも装置を外したい」ということもあると思います。そんな時も、ある程度まで矯正が進んでいたら、途中からマウスピース型装置による矯正に切り替えて対応することもできますので、ご安心ください。
予防歯科にも力を入れて近隣住民の歯の健康を守りたい
今後の展望についてお聞かせください。

専門である矯正に力を入れながら、地域の方々の保険診療のニーズにも広く応えていきたいです。予防で通ってくださる方も多いので、歯石を取りつつ、トラブルは見つけ次第対応し、大事に至らないように診ていきます。歯並びがきれいになれば歯磨きがしやすくなり、磨き残しも少なくなるでしょう。矯正と予防歯科の両輪で歯の健康を守り、痛い治療を受けるような方を減らしたいです。「口腔の健康増進により患者さんの自己実現をサポートするクリニック」という目標を実現するためにも、知識とスキルをブラッシュアップし続けたいです。最近は、スポーツをするお子さん用のマウスガードや、睡眠時の呼吸改善のためのマウスピース作製のご相談も増えています。睡眠時無呼吸症候群は太っている方だけでなく、痩せていてもなることがあるので気をつけていただきたいです。
睡眠時無呼吸症候群用マウスピースや、スポーツ用マウスガードにも対応されているのですね。
睡眠時無呼吸症候群の方には、マウスピースの作製はもちろん病院のご紹介も行いますので、ぜひご相談ください。気になる方は、先にセルフチェック表などで調べるのもいいでしょう。日本人は顎が小さい傾向にあり、喉周辺のスペースが狭いことで無呼吸につながる方がいます。いびきや歯ぎしりがある子も無呼吸の可能性があるので、まずは親御さんに気づいていただきたいですね。お子さんについては、先述したようにスポーツ用マウスガードのニーズも増えています。歯の破折・脱臼をはじめ、舌や唇、頬を噛むのを防ぐのに有用ですし、噛み合わせが安定すればプレーの向上にもつながるでしょう。なお、もしスポーツ中に歯が抜け落ちても対応次第で元に戻せることもあるので、歯の根を触ったり洗ったりせず、専用保存液や冷たい牛乳、なければ本人の唾液に浸した上で、至急ご来院ください。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

美しい歯並びは、思いきり笑って、よく噛んで食事をして、健康的に人生を楽しむための重要な要素の一つだと思います。一方、問題のある歯列を放置していては見た目だけではなく機能性にも支障が出て、トラブルも多くなりがちです。ただ、患者さん自身が気づきにくいお口の問題もあるので、困ったことが起きる前に気軽に口腔内をチェックする場所として当院を活用いただければと思います。矯正を強みとしつつ、予防歯科にも力を入れていきたいと考えています。どんなお悩みでも構いません。お口で気になることがあれば、お子さん連れはもちろん、ご高齢の方も働き盛り世代も、お気軽にお立ち寄りください。
自由診療費用の目安
自由診療とは【小児矯正】38万5000円~
【成人矯正】ワイヤー矯正/77万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/77万円〜、アンカースクリューを用いた矯正/82万5000円~、部分矯正/22万円〜
【スポーツ用マウスガード作製】6000円~
※詳しくはクリニックまでお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。