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保倉 透 院長、保倉 恵子 副院長の独自取材記事

保倉眼科

(吹田市/南千里駅)

最終更新日:2020/03/06

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南千里駅直結通路を2分ほど進んだ先のマンション2階にある「保倉(やすくら)眼科」。明治の始め頃から続く医師の家系に生まれた保倉透院長は、4代目の眼科医師として、関西医科大学を卒業後、系列病院において白内障を中心に難症例など多くの手術を担当。眼科部長や臨床教授として後進の育成にも携わってきながら、奄美諸島南西部に位置する沖永良部島での白内障手術にも長く尽力してきた眼科医師だ。同院の開業は2007年で白内障などの手術、専門性の高い検査の2つを柱として地域住民の目の健康を支えてきた。その透院長を公私ともに支えるのは保倉恵子副院長。地域に根差し二人三脚で取り組む2人の医師の話に耳を傾け、話を聞いてきた。
(取材日2020年1月22日)

一般眼科診療から専門的な治療まで多様な症例に対応

まず貴院の特徴を教えていただけますか?

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【保倉院長】病院での専門的な検査でないと発見に至りにくいような疾患であっても取りこぼすことのないよう検査機器を備え、精密な検査に取り組んでいます。眼底三次元画像解析はもとより、例えば視野検査では一般的なハンフリータイプだけでなく、180度計測できるゴールドマン型視野計も導入しています。また眼内レンズの度数を決める際も2種類の機械を併用しています。網膜色素変性症を調べる網膜電図検査機や、斜視や弱視を調べる大型弱視鏡など、いずれもクリニックで導入しているところはあまりないようですが、疾患の見逃しがないようにすることを第一に考え、開業時から設備を整えています。他にHESS赤緑試験、眼筋機能精密検査、中心フリッカー値測定検査、色覚検査、動体視力や深視力検査にも対応しています。

検査の重要性について伝えたいことはありますか?

【恵子副院長】緑内障でも弱視でも早期発見と早期治療が重要です。緑内障初期には自覚症状がなく、自覚する状態になってからでは遅い場合が多く、早くに見つける手立ては検査に限られます。人生100年時代といわれる現代、生涯不自由のないような視野を保っていくために、ほかの症状で受診されていても眼底を調べ、緑内障の可能性がある場合は精密検査をお勧めしています。また、視能訓練士が常勤してお子さんの弱視や斜視の発見にも努めています。必要な場合は大型弱視鏡での検査も行います。7歳くらいまでが視力育成の重要な時期であり、この時期を逃さず治療にかかれるように取り組み、眼鏡が必要なケースへの対応や、症状に応じてアイパッチをお渡しすることもあります。

どういった患者さんが来院されますか?

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【恵子副院長】新生児から100歳までと幅広いですが、特に中学生くらいまでのお子さんと高齢の方が多いですね。また、病院だけでなく他の眼科医院や他科からも紹介で来院されることがあります。奈良や岡山、滋賀・京都など遠方からも緑内障や斜視、網膜疾患などで来院されますね。
【透院長】年配の方は白内障・緑内障・糖尿病性網膜症・黄斑変性症での来院が多いです。小児・若年世代では近視が増加しており、原因にはスマートフォンやゲームなどの長時間使用が考えられます。パソコン使用での眼精疲労やドライアイ、眼鏡やコンタクトレンズの処方、アレルギーや感染性の結膜炎など多岐にわたる症状を診させていただいています。斜視や弱視については、病院での治療が落ち着いてきた後の経過観察を担うクリニックは少ないため、当院に病院からの紹介で来られるケースは多いですね。

患者の心に寄り添い、真摯に向き合える医師をめざして

こちらで開業された理由、開業までの経緯などを教えてください。

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【透院長】吹田市民病院で診ていた患者さんにとって、通いやすい場所を選びました。院内の設計は私が一から図面を引き、導線や患者さんの出入りがスムーズになるレイアウト、広がりのある空間演出を考えて、内装もすべて手がけました。
【恵子副院長】私は茨木高校から関西医科大学を卒業後、小児科医局に2~3年所属し、その後眼科へ転向、大手前病院等を経て、梅田スカイビル内にあった義父の開業医院で診療を始め、継承してからは院長を務めてきました。3年前に梅田の医院を閉めてこちらで主人と診療するようになってからも、梅田に通ってくださった方の多くは当院へ引き続き通ってくださっております。「患者さんが受診される時は、大きな心配や痛み・苦痛を抱えている、その心に寄り添い、真摯に向き合える医師であるように」。尊敬する義父の言葉を今も胸に日々の診療に臨んでいます。

離島での医療にも尽力されてきたと伺いました。

【透院長】沖永良部島には眼科医院がなく、白内障の手術を受けるには鹿児島もしくは沖縄に飛行機で渡るしかないため、費用面から手術を受けられずに視力を失う方が多かったのです。要請を受けて手術に向かうも、眼科がないということは設備も助手を務める人もいないわけで、最小限必須となる手術機器を運び、スタッフを手配し、視能訓練士を同行して赴き、現地でのスタッフ教育も行いました。到着初日は夜の10時まで何人もの患者さんの白内障手術を行い、島には眼鏡店もなかったので持参したコンタクトレンズを処方して、たいへん喜ばれました。島の方々は本当に感謝してくださり、いつも来訪を待ちわびてくださっていましたので、多い時は月に3回、お盆や正月にも出向き、いつの間にか20年の歳月が流れていました。当院の待合室には沖永良部島の大理石を壁面に組み込んでいます。

特に印象に残っている出来事がありましたら、教えてください。

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【透院長】阪神大震災で自宅が全壊し交通機関もまひしているさなかに、救急科から眼球破裂の患者さんを診てほしいと連絡が入り、夜中に洛西ニュータウン病院へ車で駆けつけて、緊急手術を行ったことですね。この時無事に手術を行えたことが、本当にうれしかったです。
【恵子副院長】梅田の医院を閉院する時、90歳を過ぎた高齢の患者さんが私の手を握り、自分の生きている間は診てほしかったと涙されたとき、責任の重さを再認識して申し訳なさでいっぱいになりました。

見えにくさなど不具合があったらまず相談してほしい

伝えたいメッセージなどはありますか?

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【透院長】知っていただきたいのは「心因性視覚障害」です。名前のとおり心が原因で、目の機能には何の異常も認められないのに視力が出なくなるのです。この場合は近視や遠視、乱視の眼鏡をかけても視力が出ません。しかも本人は見えていないことに気づかない場合もあります。医師の間でもこの疾患に注目する人が少なかったため、大阪府眼科医会で所属眼科医師にアンケート調査を実施しました。その結果を受けて現在はこの疾患に取り組む医師が増えています。この症状を抱えやすいのは8歳~12歳の子どもで、男の子よりも女の子に多い傾向があります。原因となるストレスがはっきりしないこともありますが、真面目な子や、下のお子さんができたときなどには注意してあげてほしいですね。改善にはご家族からの愛情が何よりも大切で、お母さんに、お子さんを抱っこしてビタミン剤などの点眼薬を差していただく場合もあります。

休日はゆっくりお過ごしですか?

【透院長】昔から好きなのは船のプラモデルで、一日中プラモデル作りに没頭する休日もあります。自信作は手術室の入り口に飾っている作品ですよ。
【恵子副院長】長男は大阪大学病院、次男は京都大学病院で眼科の医師として勤務していますので、家族で顔を合わせると、話の8割は眼科の話になります。まだまだ若い人に負けないように私自身も研鑽を積んでいくことも、これからの楽しみにしていきたいと思っています。

今後の展望を聞かせてください。

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【恵子副院長】白内障の手術について躊躇される方もおられますが、日常生活に不自由がある、かなり進行しているという場合は、やはり手術されたほうが良いと思います。心配や不安、疑問点にも誠心誠意お答えさせていただきますので、なんでもご相談いただけるように努めていきたいと思っています。また、目の病気について院長自身が記載した「しおり」も活用していただきたいですね。
【透院長】早期発見のためにも、少しでも見えにくさ、痛み、違和感など目の不調を感じたら、すぐに足を運んでほしいです。病院への紹介となる場合でも、単に「この病気を専門にしている先生」という紹介の仕方ではなく、先生の人となりを知った上で、患者さんにご紹介させていただくようにしています。

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