劉 桂陽 院長の独自取材記事
いせさき西部モール歯科
(伊勢崎市／伊勢崎駅)
最終更新日：2022/03/22
スーパーモールいせさきの敷地内にある「いせさき西部モール歯科」には、子どもから高齢者まで幅広い年代が通院している。一般歯科から予防歯科、インプラントまで幅広く対応し、中でも歯周病治療に力を入れている歯科クリニックだ。運営母体である医療法人恵優会は「1.5次医療を実践し、一人でも多くの人に医療を届けること」を目標に掲げており、同院もその方針に沿った広範かつ高度な歯科医療の提供に努めている。そんな同院の院長を務めるのは、劉桂陽（りゅう・けいよう）先生。長崎大学歯学部卒業後、いわき市医療センターで研鑽した歯科口腔外科の専門家で、現在も患者のためにより良い治療を追究している。熱意を持って診療に取り組む劉院長に、これまでの経歴やクリニックのポリシーなどさまざまな話を聞いた。
（取材日2021年11月16日）
「1.5次医療」を掲げ、多くの患者に医療を提供
こちらの歯科医院に入職されたきっかけは何だったのでしょう？
以前は総合病院の歯科口腔外科で、主に舌や顎などのがん治療を行っていました。大きな手術に携わり充実した日々でしたが、ふれる機会が少なかった一般的な歯科治療もしていきたいと思うようになり入職したのが、医療法人恵優会のアシコタウン歯科です。その後、同じ法人グループの当院の副院長に任命され、今年から院長を務めています。院長就任がちょうど新型コロナウイルス感染症の流行と重なったため大変でしたね。しかし、感染症が流行している中でも歯が痛くなる患者さんはいますので、検温をはじめフェイスシールドの使用やマスクを2重にしてこまめに変えるなど、できる限りの対策をして治療に臨みました。勤務医時代は自分の患者さんだけを診療し、自分の治療技術さえ磨いていれば良かったのですが、今は一緒に働く歯科医師やスタッフと協力して患者さんの治療を行う必要があり、その点が勤務医だった頃と違いますね。
クリニックにはどんな患者さんが来院されますか？
2歳の子どもから75歳以上の高齢者まで幅広くいらっしゃいます。特に虫歯や歯周病の方が多いですね。来院のきっかけは、かぶせ物が取れた、歯が痛くなったというのが多いです。歯周病を治したいと来院する方はまだまだ少ないですが、鏡を見た時に赤く歯茎が腫れていたり、歯磨きをしていてすぐ出血したりということがあれば、歯周病かもしれません。歯周病になる原因や生活習慣、歯の磨き方などを一緒に考え、改善プランを提案することが大事です。状態によってはかなり治療回数がかかってしまったり、外科的な治療が必要な場合もありますが、1本でも多く歯を残すためにも早期発見、治療が大切です。また、お子さんの虫歯も多い子とまったくない子の2極化している印象です。子どもの虫歯は家庭の生活習慣が大きく影響します。そこで親御さんにも正しい知識とともに生活習慣の改善、定期的な検診の必要性をご説明しています。
クリニックのポリシーを教えてください。
医療法人恵優会では、1.5次医療を推進し一人でも多くの人たちに医療を届けることを目標に掲げており、それを受けて当院でも審美歯科や歯科口腔外科などのさまざまな処置に対処できるようにしています。1.5次医療とは、開業歯科医院で行われている医療と、中核病院などの歯科で行われている医療の中間的なもので、例えば難しい抜歯など一般のクリニックでは対処できないような治療に1.5次医療機関が対応することで、大きな病院がそこでしかできない専門的かつ高度な仕事に専念できるという仕組みです。私自身、以前大きな病院で診療していた経験からその理念に賛同し、当法人への入職を決めました。自分たちができることを増やして大きい病院の負担を少しでも軽くする。当院でほとんどの処置を完結でき、幅広く適切に治療できれば患者さんの役に立てると考えています。
1本でも多く歯を守るため、歯周病治療に力を入れる
歯周病の治療に力を入れていると聞きました。
はい。今は高齢になっても歯が残っている人が多く、その分歯周病になるリスクが高まってしまうのです。8020運動という「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動があります。統計では80歳の半分以上は20本以上歯が残っていますが、その分歯周病になるリスクもあるのです。歯周病は歯科衛生士が関わることが多いので、歯科衛生士と協力して治療にあたっています。歯周病が進むと顎を支えている骨が溶け、骨が下がっていきます。さらに歯茎も一緒に下がるので歯が長く見えてきます。そうなると歯が揺れ始め、最悪の場合抜歯になることがあります。そこまで進行したものは普通のクリーニングでは行き届きませんので、歯茎を開けて掃除をすることがあります。また、場合によっては吸収された骨の再生を促す薬を投与することもあります。将来なるべく歯を残すためには、歯周病の対策が必要なのです。
インプラント治療も行っているのですか？
インプラント治療は法人全体で力を入れています。コンピューターで理想的な位置を決めて打ち込むようにしています。今は技術も向上しミリ単位で調整ができますし、人の感覚に頼って打つよりも侵襲が少なく、さらに事故などのリスクを減らすことにつながります。またコンピューターでのシュミレーションによって、骨の足りない症例も事前にしっかり評価することができるため、必要最小限の侵襲で行うことができます。当院では、やや難易度の高い骨造成も行っているため、ほとんどの方にインプラント治療を提供することができます。
痛みに配慮して麻酔を打つときも工夫をされているそうですね。
なるべく痛くないように努力をしていますが、中には痛みを感じる患者さんもいらっしゃいます。例えば、歯茎が厚い患者さんは痛みを感じにくい傾向にありますが、歯茎が薄い患者さんは注射針を刺した瞬間にすぐ骨の近くの痛みを感じる部位に針が当たるので痛みを感じてしまうことが多いです。なるべく痛くない所を探して針を刺す、ゆっくり薬剤を注入する、温めてから投与するなど、できる範囲で工夫をしています。また、麻酔をするときには丁寧に声がけをしながら行っていますよ。
マイクロスコープはどのように活用していますか？
歯の根っこの治療は肉眼だと見えにくいので、しっかり治療をするためにマイクロスコープを使用しています。お口の中は暗くて見えにくく作業しにくいので、少しでも見やすいようにこういった先進機器を使用しています。また、当院では歯科衛生士も全員拡大鏡を持ち、細かい所まで見逃さない丁寧なケアを行っています。ほかにも、詰め物の治療の際にはレジンを早く固めるための光照射器などを備えています。こうしたさまざまな先進の機器を活用することで、治療時間の短縮と施術者によって技術の差をなくすというメリットもあります。
受診をきっかけに「好き」を仕事にしたいと歯科の道へ
ところで、先生はなぜ歯科医師を志したのですか？
高校1年生の時に出会った歯科の先生がきっかけです。その時、私にはまだ乳歯が残っていて、永久歯が生えて来なかったので受診したのですが、それを機に歯科や歯科医師の仕事に興味を持つようになりました。もともと中学の頃から生物が好きだったので、興味のある分野を深く学んで、医療者として活躍できれば素晴らしいだろうなと思ったんです。あと、その先生の人柄にも惹かれましたね。説明もわかりやすく、優しく声がけをしながら治療をしてくれて安心したのを覚えています。今でもその先生をめざして毎日診療していますよ。
先生の趣味を教えてください。
趣味は自転車でツーリングすることです。1人でも楽しいですが、仲間とも行きます。ツーリングで目的地まで行き、そこでカヌーを2～3時間こぎ、ごはんを食べて帰ってくることもありますね。こうしてみると割とアクティブかもしれません。昔は健康のためにジムでマシンを使って運動もしていましたが、今は娘がいますので、休日は公園に行ったり、三輪車に乗ったりして娘と一緒に遊んでいます。
読者へのメッセージをお願いします。
お口の中はなかなか自分で把握できてないことが多く、磨けているつもりでも磨けていない方や、虫歯や歯周病などのトラブルに気づかない方は少なくないため、当院では定期的な歯科検診を推奨しています。予防や早期発見につながりますし、トラブルが起きてからの治療よりも費用が安く抑えられることも期待できます。今後も当院では専門性と治療の質を高めるよう努力し、歯科医師だけでなくスタッフの知識や技術も高め、しっかり治る歯科クリニックにしたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント／35万円～、矯正／11万円～ 、セラミック/44,000円～、ホワイトニング/1回 12,000円～（1・2・3ヶ月コース、回数券もあります）
（※その他検査費用などは都度必要）骨造成／5万円、上顎洞挙上術／20万円
