菅野 友太郎 院長の独自取材記事
沢田通り歯科・予防クリニック
(大田区/平和島駅)
最終更新日:2025/09/30

歯科医院をもっと通いやすい場所にしたい。予防に注力し、虫歯や歯周病を減らしたい。そのような思いを持つ菅野友太郎(かんの・ゆうたろう)院長が開業したのが「沢田通り歯科・予防クリニック」だ。予防に加え、インプラント治療や根管治療、深い虫歯でも可能な限り神経を残して治療するVPT(歯髄保存療法)など幅広い治療に対応する。さらには、しっかりと医学的な観点に立ちつつ審美面も配慮した治療にも力を入れている。また、菅野院長は予防・治療に関する知識や考え方など、患者が受診する前に知っておきたいことを動画配信サイトや動画系SNSなどで積極的に情報発信。加えて、審美歯科を中心とした分院を銀座に展開。そんな菅野院長に同院の診療方針や診療内容について詳しく聞いた。
(取材日2025年8月25日)
受診前に知ってほしい情報を積極的に提供する
こちらの診療方針や特徴などを教えてください。

単に悪くなった部分だけを治療するのではなく、口腔内全体を診て、適切な歯科医療の見地から包括的に診療するよう心がけています。そのため初診は1時間ほどかけ、問診と検査、およびその分析と説明をしっかりと行うのが特徴です。また、エックス線写真は16枚、口腔内写真は約20枚をすべて保険診療内で撮影し、より詳しく調べるのが当院の方針です。院内は1階と2階に分かれ、診療内容に応じてどちらのフロアにご案内するかを決めています。開業時は1階のフロアだけでしたが、「予防のため定期的にメンテナンスを受ける患者さんにもっと来ていただきたい」と考えていたため、思いきって拡充しました。これまで培ってきた高度な知識・技術をもとに難易度の高い治療に対応することも重視しています。
歯科医院を受診する前の情報提供にも注力していると伺いました。
患者さんに現在の口腔内と将来の見通しなどの説明をしていると、「もっと早く知っておけば良かった」と悔やまれる方が非常に多いです。それなら患者さんがご自身の歯を守ったり、治療を考えたりする際に役立つ情報を、もっと早い段階でお知らせしようと思ったのがきっかけです。例えば「根管治療では唾液が歯の内部に入るのを防ぐことが重要」「歯を失った時はインプラント治療以外に条件が合えば自家歯牙移植も考えられる」などの情報を早く知ることで、より適した治療法を選べる可能性が高まればと考えています。現在はデンタルアドバイザーと称して画像配信サイトや動画SNSで情報を発信しており、これらの活動がもっと広まればうれしいです。
そうした活動を通して、患者さんにめざしてほしいことなどはありますか?

患者さんが正しい知識を持てば、予防もしやすくなり、歯を長持ちさせたり食事を快適に楽しめたりと、QOL(生活の質)の向上が期待できます。さらに、デンタルアドバイザーとしての発信は、必ずしも当院に還元されなくともいいと考えています。SNSには有益な情報があふれていますが、私の発信も患者さんに役立てていただければと思っています。例えば、歯科医院や治療法を選ぶ際に参考にしていただき、歯科医師と「○○という治療法はどうですか?」と話し合うことで、より納得のいく選択につながると考えています。
医学的見地と患者の気持ちの両面を大切に診療
診療時に心がけていることをお聞かせください。

当院では患者さんに受けのいい言葉ではなく、医学的に適切な治療を提案することを重視しています。例えば、歯を残すかどうかの判断も残せないケースは正直に話しますし、必要なら「残しても3年ほどで駄目になる可能性がある」と、今後の見込みもなるべく具体的にお伝えします。最初に医学的に根拠のある診断を提示して、その後は患者さんとのコミュニケーションの中で治療内容を決めていくことが当院のスタイルです。EBMと呼ばれる「医学的根拠に基づく治療」と、NBMという「患者さんの気持ちを大切にした治療」、その両方がそろって患者さんが納得のいく治療ができると考えています。また、当院では患者さんに治療の決断を急かしません。ご自宅でゆっくり考え、ご家族と話し合い、ほかの歯科医院でセカンドオピニオンを受けても構わないので、じっくり考えてほしいと思っています。
予防の定期メンテナンスではどんな工夫をされていますか?
メンテナンスは毎回1時間を取り、歯周ポケットの測定などで歯周病をしっかりと検査しています。磨けていない部分を着色剤で染め出して写真を撮り、それをお見せしながら患者さんに歯ブラシの使い方を指導していきます。重要なのはご自身で磨けるよう行動変容を起こしていただくことですから、歯科衛生士からすぐに答えを言わず、患者さん自身が磨き方の解決策を見出したり、プラークコントロールで目標にしたいレベルを考えたりなど、ご本人のモチベーションを高める話法も取り入れています。これには患者さんとの信頼関係の構築や高いコミュニケーション力が欠かせないため、経験を積んだ歯科衛生士が担当しています。
歯科衛生士をはじめスタッフの教育支援も重視されているそうですね。

当院ではスタッフ教育の支援にSNSを活用しています。院内資料や勉強会のプレゼン資料、歯科医師やスタッフが得た情報をSNSで共有・蓄積し、全員が同じ情報にアクセスできるようにしています。さらに、当院のビジョン「患者さんとスタッフの歯科ストレスフリー」を軸に、「患者さんをどうすればストレスフリーにできるか」「自分たちがどうすればストレスなく働けるか」をテーマに、毎月話し合いを重ねています。
神経を残す治療、審美面に配慮した治療にも注力
診療面での特徴を教えてください。

当院は予防に注力する他、骨の量が足りない場合には再生処置を施して行うインプラント治療、歯科用マイクロスコープを用いる精密さを重視した根管治療なども得意としています。このほかに、深い虫歯の治療などでは一般的な抜髄をなるべく行わず、可能なら神経を残したまま治療するVPT(歯髄温存療法)にも対応しています。マイクロスコープなども用いて虫歯の原因となる感染源の徹底除去に努め、虫歯を削った穴もしっかりと詰めていきます。神経を残すことで歯の内部を削る量を少なくできれば、歯が折れたりひびが入ったりするリスクは抜髄した場合より低減することが期待できます。
審美歯科にも注力されていると伺いました。特徴を教えてください。
特徴は、審美面だけでなく機能面も含めた包括的なケアを提供できることですね。実は、銀座に当院の分院があります。そのため、審美における経験や技術は連携を含めて強化しているポイントです。当院で難しい場合も分院に紹介するなどの連携は行っています。単に美しさだけを追求するのではなく、持続性や安定性なども含めて診療を行っています。また、全顔面を含めた審美の診断ができるというのも特徴です。人中の長さ、顎の突出、Eラインなどを総合的に解析します。例えば、Eラインをきれいにしたいという場合、口元を引っ込めるための施術が必要なのか、骨切り手術が必要なのか、これらを複合的に判断できる歯科医院はなかなかありません。機能面も含めたしっかりとした診療を求める方に特にお越しいただきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯が長く・短く見える、出っ歯が気になる、歯と歯の間の三角の隙間が黒く見えるブラックトライアングルや、歯茎に色がついているとお悩みの方もご相談ください。歯科医師の視点からアドバイスいたします。アドバイスを受けて実践するかしないかは、最終的には患者さんご自身で決めていただくものなので、無理にお勧めすることはありませんし、その日に決めていただく必要もありません。また、SNSでは実際の症例を紹介しており、治療例をご覧いただけます。また、ご相談の際にはご自身の写真をSNSを使って送っていただくことも可能ですし、ウェブ会議ツールを活用することもあります。審美歯科のことはもちろん、お口の健康や予防のことでも結構ですので、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円〜、インプラント治療に伴う骨の再生処置/16万5000円~、根管治療/7万7000円〜、歯髄保存療法(VPT)/4万9500円〜、歯列矯正/80万円~、セラミック製の詰め物/7万円~、セラミック製のかぶせ物/9万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。