菅野 友太郎 院長の独自取材記事
沢田通り歯科・予防クリニック
(大田区/平和島駅)
最終更新日:2025/01/15

歯科医院をもっと通いやすい場所にしたい。予防に注力し、虫歯や歯周病になる人を減らしたい。そのような思いを持つ菅野友太郎(かんの・ゆうたろう)院長が開院したのが「沢田通り歯科・予防クリニック」だ。予防に加え、インプラント治療や根管治療、深い虫歯でも可能な限り神経を残して治療するVPT(歯髄保存療法)など幅広い治療に対応する。さらには、しっかりと医学的な観点に立ちつつ審美面も配慮した治療にも力を入れている。また、菅野院長は予防・治療に関する知識や考え方など、患者が受診する前に知っておきたいことを動画配信サイトや動画系SNSなどで積極的に情報発信。公式ホームページから24時間ウェブ予約も可能。「よりご自身に適した治療を選ぶ参考になれば」と語る菅野院長に同院の診療方針や診療内容について詳しく聞いた。
(取材日2024年11月6日)
受診前に知ってほしい情報を積極的に提供する
こちらの診療方針や特徴などを教えてください。

単に悪くなった部分だけを治療するのではなく、患者さんの口腔内全体を診て、適切な歯科医療の見地から包括的に診療するよう心がけています。そのため初診は1時間ほどかけ、問診と検査、およびその分析と患者さんへの説明をしっかりと行うのが特徴です。また、エックス線写真は16枚、口腔内写真は約20枚をすべて保険診療内で撮影し、より詳しく調べるのが当院の方針です。院内は1階と2階に分かれ、患者さんの診療内容に応じてどちらのフロアにご案内するかを決めています。開院時は1階のフロアだけでしたが、「予防のため定期的にメンテナンスを受ける患者さんにもっと来ていただきたい」と考えていたため、思いきって拡充し、クリニック名も変更しました。そうして予防に力を入れる他、これまで培ってきた高度な知識・技術をもとに難易度の高い治療に対応することも重視しています。
歯科医院を受診する前の情報提供にも注力していると伺いました。
患者さんに現在の口腔内と将来の見通しなどの詳しい説明をしていると、「もっと早く知っておけば良かった」と悔やまれる方が非常に多いのです。それなら患者さんがご自身の歯を守ったり、治療を考えたりする際に役立つ情報を、もっと早い段階でお知らせしようと思ったのがきっかけです。例えば「根管治療では唾液が歯の内部に入るのを防ぐことが重要」「歯を失った時はインプラント治療以外に条件が合えば自家歯牙移植も考えられる」などの情報を早く知ることで、よりご自身に適した治療法を選べる可能性が高まればと考えています。現在は画像配信サイト、動画中心のSNSを通して情報を提供しており、私はデンタルアドバイザーと呼んでいますが、これらの活動が今後もっと一般化すればと願っています。
そうした活動を通して、患者さんにめざしてほしいことなどはありますか?

患者さんが適切な知識をお持ちなら予防もうまくいきやすくなるでしょう。歯も長持ちが見込めて、食事の時にストレスなく噛めることが望めるなど、QOL(生活の質)の向上に期待できると思います。さらに、デンタルアドバイザーとしての発信は、必ずしも当院に還元されなくともいいと考えています。現在SNSには有益な情報がたくさんありますが、私が発信する情報も患者さんのお役に立てればと思うのです。例えば、ご自身に合った歯科医院を選ぶ際や初診時、さらには治療を選択する際に、これらの情報は役立つのではないでしょうか。ご自身で見つけた情報をもとに「○○という治療の方法はどうですか?」と歯科医師とコミュニケーションを取ることで、ご自身が納得のいく治療を選択していただけるのではと思っています。
医学的見地と患者の気持ちの両面を大切に診療
診療時に心がけていることをお聞かせください。

患者さんに受けのいい言葉だけ使うのではなく、医学的に適切な治療をご提案するよう心がけています。例えば歯を残すかどうかの判断も、本当に残せないケースは正直にそう話しますし、必要なら「もし残した場合でも3年くらいで駄目になると思います」と、今後の見込みも経験に基づいてなるべく具体的にお伝えします。最初に医学的に根拠のある診断を提示して、その後は患者さんとのコミュニケーションの中で治療内容を決めていくことが当院のスタイルです。EBMという医学的根拠に基づく治療と、NBMという患者さんの体験や気持ちを大切にした治療、その両方がそろって患者さんが納得のいく治療ができると考えています。また、当院では患者さんに治療の決断を急がせません。ご自宅でゆっくり考え、ご家族と話し合い、他の歯科医院でセカンドオピニオンを受けても構わないので、じっくり考えてほしいと思っています。
予防の定期メンテナンスではどんな工夫をされていますか?
当院のメンテナンスは毎回1時間を取り、歯周ポケットの測定などで歯周病をしっかりと検査しています。患者さんが磨けていない部分を着色剤で染め出して写真を撮り、歯科衛生士はそれを見せながら患者さんに歯ブラシの使い方を指導していきます。重要なのはご自身で磨けるよう行動変容を起こしていただくことですから、歯科衛生士からすぐに答えを言わず、患者さん自身が磨き方の解決策を見出したり、プラークコントロールで目標にしたいレベルを考えたりなど、ご本人のモチベーションを高める話法も取り入れています。これには患者さんとの信頼関係の醸成、しっかりとしたコミュニケーション力が必要なため、当院はある程度経験を積んだ歯科衛生士が患者さんのメンテナンスを担当しています。
歯科衛生士をはじめスタッフの教育支援も重視されているそうですね。

院内のスタッフの教育を支援するため情報共有用のSNSを活用しています。院内で作った資料や歯科医師、スタッフが得た情報などはSNSで共有してストックしますし、これまでの院内勉強会でスタッフがプレゼンテーション用に作成した資料も同じように共有しています。全員が同じ情報に接するようにして、教育に役立てています。また、当院のビジョンである「患者さんとスタッフの歯科ストレスフリー」をもとに、「どうしたら患者さんが歯科ストレスフリーになれるか」「自分たちはどうしたらストレスフリーで仕事ができるか」をテーマに、毎月スタッフと話し合いを重ねています。
神経を残す治療や審美面に配慮した治療も得意
診療面での特徴を教えてください。

当院は予防に注力する他、骨の量が足りない場合には再生処置を施して行うインプラント治療、歯科用マイクロスコープを用いる精密さを重視した根管治療なども得意としています。この他に、深い虫歯の治療などでは一般的な抜髄をなるべく行わず、可能なら神経を残したまま治療するVPT(歯髄温存療法)にも対応しています。マイクロスコープなども用いて虫歯の原因となる感染源を徹底して除去し、虫歯を削った穴もしっかりと詰めていきます。神経を残すことで歯の内部を削る量を少なくでき、歯が折れたりヒビが入ったりするリスクは抜髄した場合より低減することが期待されます。
これから力を入れたい診療分野などはありますか?
医学的な観点に立って審美面に配慮した治療が必要と考えています。歯並びだけでなく、噛み合わせなどの機能面にもしっかりとアプローチし、将来も虫歯になりにくい口腔内をつくるという健康に関する側面と審美的な側面を両立させるのが当院の目標です。逆に医学的には必要ないと思える矯正を希望される方には正直にそう伝えますし、カウンセリングで患者さんと話していると「私が気になっていたのは口元ではなく鼻だった」と気づかれて、他の診療科に移られた方もいますね。それでも審美面を優先して矯正をしたいというお考えなら、口腔内の健康と美しさが続くよう包括的な歯科医療をご提案しています。例えば、詰め物・かぶせ物をセラミックなどの素材で作るといった処置を行っていますね。
地域の方に受診にあたってのメッセージをお願いします。

歯科医院は行きたくない場所と思われる方がほとんどでしょう。そのため当院はなるべく歯科医院らしくない雰囲気をめざし、消毒薬のような臭いも極力なくして、広々とした待合室や診療室は温かみのあるデザインで統一しています。また、ウェブからの受診予約にも対応し、SNSを使った問診も行っています。この他、デンタルアドバイザーとして歯科医療の適切な情報提供にも努めていますので、そちらもご覧いただき、予防や治療を考えるヒントにしていただければと思います。最後に、皆さまのお口のお悩みがなくなることを当院のスタッフ一同願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円〜、インプラント治療に伴う骨の再生処置/16万5000円~、根管治療/7万7000円〜、歯髄保存療法(VPT)/4万9500円〜、歯列矯正/80万円~、セラミック製の詰め物/7万円~、セラミック製のかぶせ物/9万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。