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前田 文人 院長の独自取材記事

まえだ歯科

(姶良市/姶良駅)

最終更新日:2021/12/23

前田文人院長 まえだ歯科 main

姶良市中心部から錦江湾にそそぐ思川、その北側のあじさいロードすぐ近くで、2017年から診療を続けている「まえだ歯科」。川を挟んだ2つの住宅街の間で、ファミリー世代の歯の健康を守っている歯科医院だ。院長の前田文人先生も、3歳と0歳の子育て真っ最中。前田院長自身の子育ての工夫、大きなショックを受けた勤務医時代の出来事、自身が小さい頃に受けておきたかった矯正治療など、当事者としての貴重な経験が患者の気持ちに寄り添う診療スタンスに反映されている。子どもの治療は慣れることから、大人の治療は十分な検査と丁寧な説明からという、遠回りでも無理をしない診療方針にも前田院長の穏やかで優しい人柄が表れているようだ。そんな前田院長にさまざまな話を聞かせてもらった。

(取材日2021年1月28日)

子どもの口腔の発育を促し、きれいな歯並びへ

クリニックの特徴を教えてください。

前田文人院長 まえだ歯科1

当院は小児歯科と予防歯科を中心に診察しています。個室が3つあり、プライベートに配慮しながら、感染予防にも努めています。隔離以外の具体的な感染予防対策としては、クラスBとクラスNの滅菌器やディスポーザブル資材の活用、スリッパの紫外線消毒を行うなどですね。スタッフは歯科衛生士が2人、受付兼助手が2人、妻も歯科衛生士なのですが現在は産後のため休んでいて、6月以降に復帰する予定です。患者さんは20代後半から30代くらいの若いファミリー世代が多いですね。クリニックの周辺は造成地で、子育て世代に人気の地域のようです。患者さんにはお子さんが多いこともあり、痛みに配慮した治療を行っています。

子どもは何歳くらいから診療ができますか。

前田文人院長 まえだ歯科2

当院の小児歯科では「0歳からの口腔育成」をモットーにしており、何歳からでも診療は可能ですが、今のところ1歳から7歳くらいまでのお子さんが一番多いですね。キッズルームを用意し保育士が在籍していますので、未就学児のお子さんは親御さんの治療中にお預かりすることもできます。お子さん自身の治療については、歯科治療に抵抗のありそうな子はキッズルームで遊んだり、衛生士が膝の上に乗せて歯ブラシ指導をしたりと少しずつ雰囲気に慣れてもらいながら、お子さん自身が納得して治療を受けられるようになるまでトレーニングをします。よほど緊急性が高い場合でなければ、診察台に押さえつけて治療をすることはありません。

小児歯科の治療の流れや内容を教えてください。

お子さんが治療に慣れていく中で、検査やエックス線撮影なども進めていきます。治療計画や方法は、親御さんだけでなくお子さんにもできるだけわかりやすい言葉で説明し、お子さん自身も納得されてから治療に入ります。治療の前には痛みに配慮して、まずシール式の麻酔を貼ってから注射を打ちます。当院では予防歯科に力を入れていますので、お子さんには虫歯予防のためのフッ素塗布やシーラント充填に加え、予防的観点からの矯正も行っています。乳歯の時からアプローチしていくことで、体への負担を抑えながら、将来的にきれいな歯並びになるよう促していくためのものです。また、きれいな歯並びの育成には、乳幼児の時からお口の筋肉を正しく使っていくことも重要です。具体的には舌や唇、頬の動きですが、しっかり使うことでより良く発育させてあげるのが大切です。

勤務医時代の苦い経験から、予防歯科に注力

予防歯科に力を入れていると伺いました。

前田文人院長 まえだ歯科3

学生時代や歯科医師として駆け出しの頃は、僕も「技術を磨いて難しい治療がうまくなりたい」とか「歯を失った人を噛めるようにしてあげたい」という思いが強くて、日々そのための努力をしていました。ある時、治療に1年くらいかかりそろそろゴールが近いなという患者さんから、「別のところに水がしみて痛い」といわれて驚き、エックス線を撮ったら新しい虫歯ができていたということがあったんです。初診の撮影時には何も映ってなかった場所なのに、とたいへんショックを受けました。その経験から、虫歯を治療するだけでは患者さんのお口の健康は守れない、虫歯になる原因のところから対処していかないといけないと改めて実感し、予防歯科に力を入れる必要があると思ったのです。

実際にはどのような流れで予防へ進むのでしょうか。

虫歯の訴えで来院された患者さんでも、いきなり削るところからは始めません。まず口腔内を清潔にし、菌が他の部分にまで広がらないようにしてから治療を始めます。治療がすべて終わったら、子どもの場合は3ヵ月に1回を目安に来院いただき、その都度磨き残しをチェック、スケーリングなどできれいにしたら、フッ素を塗って終了という流れですね。大人の場合は、歯石がたまってくるタイミングでご予約いただいてもいいと思います。虫歯ができてしまうのは、間食やダラダラ食い、寝る前に食べる、唾液が少ないなどいろいろな理由があります。定期的なクリーニング、歯磨き指導やフッ素塗布と併せて、食生活もチェックして、患者さん自身が歯を守ろうという意識をもってくださらないとうまくいきません。

小児矯正についても詳しく教えてください。

前田文人院長 まえだ歯科4

当院の小児矯正では、前歯が永久歯に生え替わる前に装着するマウスピース型の器具を使います。おおまかに4歳から8歳くらいまでのお子さんが対象で、基本的に寝ている時と、日中1時間くらいトレーニングのために装着します。歯並びのアーチをきれいに広げることが目的で、着けたまま話すのがトレーニングになります。矯正には2~3年かかりますが、痛みはほとんどありません。実は僕自身、歯並びが悪い上に、子どもの頃から受け口でした。矯正すればよかったのですが、成長してからの場合、歯並びを矯正した後、下顎を切って動かして固定するという大きな手術をしなければならなかったのです。自分と同じ経験をお子さんたちがしないで済むよう、いろいろ調べて取り入れたのがこの矯正方法だったんです。

楽しい歯磨きで虫歯や歯周病の家族間感染を予防する

先生ご自身とクリニックの歴史を教えてください。

前田文人院長 まえだ歯科5

生まれは鹿児島県霧島市の隼人町です。歯科医師になろうかなと最初に考えたのは中学2年の時でした。作文で将来の夢について書くことになり、叔父が歯科医院を開業していたので、なんとなく「将来の夢は歯科医師」って書いて提出したんです(笑)。進学先は徳島大学歯学部でした。学生時代は虫歯の治療を専門的に学んでいて、当時は予防歯科に興味はありませんでした。とにかく早く治療技術を身につけたい、うまくなりたいという一心でしたね。開業志向は学生時代からあり、いずれ鹿児島のどこかでと考えていました。歯科医師になってから10年を勤務医として働き、2017年に開業して今年で4年目になります。ここを選んだのは、僕が隼人、妻が吉野の出身なので、その間で良さそうな場所を探してたどりついたという流れですね。

お忙しいと思いますが、休日はどのように過ごされていますか。

学生時代はテニスをしていたのですが、今は子育ての最中なので、休日は上の子と遊ぶのが一番のリフレッシュですね。子どもは2人で、上が3歳、下の子は今年の1月に生まれたばかりです。上の子は電車や踏切が好きなので、一緒に電車にバイバイしに行ってから、公園の遊具で遊んで帰ります。最近は僕や妻の真似をして、デンタルフロスを使いたがるようになりました。親が子どもの前で楽しそうに歯磨きをしていると、子どもにも歯磨きをする習慣がつきやすくなりますし、良いコミュニケーションになるので、皆さんにもぜひお勧めします。

今後の展望や読者へメッセージをお願いします。

前田文人院長 まえだ歯科6

統計を分析すると、歯周病は35歳くらいから進行しやすいというのがわかっていますが、35歳で急激に悪くなるわけではありませんし、その人がいつから歯周病だったのかを調べることもできません。そして、歯がぐらつく、歯茎が下がるなど症状が進まないとなかなかわからないのが歯周病ですから、中学生くらいから予防するのが良いと考えられています。もう一つ、あまり知られていない話かもしれませんが、虫歯も歯周病の菌も家族間で感染します。ですから、虫歯予防は家族みんなで行うのが効率的なんですよ。一生涯、最後まで自分の歯で噛んで食べることができるよう、治療を終えた患者さんには年齢や状況に合った予防歯科医療を提供し、広げていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

小児矯正/22万円

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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