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千手 成寿 院長の独自取材記事

せんじゅ歯科・こども歯科

(北九州市小倉南区/守恒駅)

最終更新日:2021/11/16

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科 main

守恒駅より徒歩4分。光が多く入る大きなガラスが目を引く建物が「せんじゅ歯科・こども歯科」だ。院内はバリアフリーを取り入れ、全年代に対応。中でも院長の千手成寿先生は小児歯科の治療を得意としている。「緊急性が高い場合を除き、嫌がるお子さんを無理に治療することはありません。その代わり、今よりも虫歯になりにくいおやつや飲み物をお伝えします。これは大人の方でも同じです」と長期的な視点で治療を提案していく。「忙しい中に急いで来院される親御さんのお考えもよくわかります」と語る、自身も2児の父である千手院長に、診療スタイルや具体的なアドバイス方法、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年7月2日)

子どもに寄り添った治療、年齢を問わず通いやすい環境

こちらのクリニックでは小児歯科に力を入れておられますね。

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科1

もともと子ども好きということもありましたし、実際に大学を卒業した後に働き出してからお子さんに接する間にも「子どもの成長を見守っていける小児歯科っていいな」と感じていました。当院を開業したのは2017年のことですが、建物にも親子で来られるような工夫を凝らしています。例えば、ベビーカーや車いすのままでもユニットに入ってこられるようにとバリアフリーにしたり、キッズスペースのある個室もつくっています。お子さんが治療するだけではなく、親御さんが治療を受ける間、お子さんがそこで遊んだりすることもよくありますよ。

お子さんが目の届く範囲にいられるような環境をつくってあるのですね。

お子さんが治療する場合は、必ず親御さんにも立ち会ってもらいます。通院のきっかけは、やはり虫歯が多いです。学校の健康診断で引っかかったとか、親御さんが検診目的で連れてこられることもあります。結果、親子で受診される方もおられますね。お仕事などで忙しい中でも一緒に治療ができると効率が良い、と感じてくださっているようです。お子さんは、お一人で治療台に座ってくれるのがベストなのですが、そううまくいかないケースも多いです。そういったときでも、当院では決して無理な治療はしません。無理に座らせても歯の治療が嫌いになってしまうだけですから。親御さんにも「今は難しいようですから、学年がもう一つ上に上がるまで待ってみましょうか?」などと、説明をきちんと行った上で待つ、という点はとても大事にしています。

お子さんの意思を大事にしておられるのですね。とはいえ、それで治療に支障はないのでしょうか?

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科2

もちろん、虫歯などを放置しておけば、もっとひどくなる、痛みが出てくるといったリスクもありますし、それも含めて親御さんに説明を行っています。実際にお子さんが嫌がる様子を目の当たりにし、「ここまで嫌がるのならば待とう」と納得してくださる親御さんもおられます。一方で、「時間を取りづらいので、今治療してあげてください」「放置はできないのでお願いします」と言われることももちろんありますし、歯科医師から見ても「これは応急処置が必要だ」と思えば、治療は行います。場合によっては、近くの大学病院を紹介することもありますよ。一人で座れない、虫歯が多くて緊急性が高い、そして親御さんの了解が得られた場合は、そういったかたちで柔軟に対処しています。

無理な治療をしない代わりに、具体的なアドバイスを

時には、大学病院とも連携して治療を進めるのですね。

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科3

そのほうが、お子さんも親御さんもストレスが少なく、治療が進められますから。もちろん治療後の定期的な検診などは当院に来てもらうようにして、役割分担をしているかたちですね。当院が特に力を入れているのは、まだ治療まで猶予がある場合の対処法です。まずはおやつ。今よく食べているものは何なのかを聞いた上で、それよりも虫歯になりにくいものをお伝えしています。一番虫歯になりやすいのはあめやキャラメル。その次がチョコレートです。なので、あめやキャラメルが好きな子にはチョコレートを、チョコレートを好きな子にはアイスクリームをと、「今よりも虫歯になりにくいおやつはこれ」としっかり選択肢を提示しています。

そうすれば、親御さんも迷わずに済みますね。

おやつを完全に食べなくなるというのは本当に難しいことです。であれば、「虫歯が進行しにくいのは何か?」に主眼を置いた選択肢のほうが、親御さんも実行しやすいですよね。ほかにも「ジュースであれば人工甘味料を使った炭酸飲料を避けてください」とか、「フロスならばこれがいいですよ」と提案します。これらもすべて、進行させないことが前提の提案です。そもそも歯科医院にお子さんを連れてきている時点で、親御さんはもうすでに頑張っているんです。そこからさらに歯磨きを頑張れというのは正直、酷な話ですよね。ですから、それ以外の改善策を提示することで、猶予期間中のコントロールができるのだと考えています。またこれらの内容はプリントに記載してお渡ししていますから、ご自宅でも何度でも見返せます。

長期的な視点で「今どうするべきか」を、具体的に示していくと。

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科4

はい。無理に治療をしないということは、言い換えれば虫歯のリスクを残したまま生活してもらうということです。だからこそフォローは必須ですよね。それができる信頼関係を構築することは治療の大前提で、当院が予約制を取り入れているのもそのためです。こちらが治療についてどう考えているかを知ってもらい、患者さんからはどのような生活スタイルで、どんな食生活をしているかなどを教えていただく。そうしないとアドバイスもできないですし、お一人お一人の症状が違うように、対処法も違いますから。

一人ひとりに応じた治療を長期的な視点で提案していく

大人の方の場合はどうされているのでしょうか?

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科5

大人の方であっても、おやつや飲み物のアドバイスは行いますね。高齢の方であればお薬の影響で喉が渇くからあめを好む方もおられますし、20代、30代の若い方にはスポーツドリンクなどを“ながら飲み”してしまう方もおられます。なので、基本的なアドバイスは同じなのです。まずは、虫歯をつくらないこと。これは年齢を問わず共通です。例えば「この方は仕事が忙しいからメンテナンスは少なめでもいいだろう」「この方は時間も取れるし、汚れも強いから多めに来てもらおう」といった具合です。画一的な治療というのはありません。患者さんの生活や症状によって柔軟に対応することが大事なのです。そうすれば今すぐに治療をしなくても、1ヵ月、2ヵ月、半年、1年と、長く続けられるかたちが見つかると思うんです。

クリニックでは矯正歯科にも対応していると伺いました。

当院ではマウスピース型装置による矯正を取り入れています。大人の方は透明で取り外しができるタイプのもので、今はかなり浸透してきていますよね。お子さんであれば、ご自宅にいる時間や寝ているときに装着すれば良いタイプのものをお勧めしています。しかし矯正歯科も、最初から「矯正をしましょう!」と前のめりになっているわけではないんです。必要なタイミングで「矯正という方法もありますが、どうでしょう?」とお声がけをします。長期的に考え、必要なタイミングで必要な処置を行うという点は、ほかの治療と何ら変わりません。なので「矯正を強く勧められるんじゃないか」と不安にならなくても大丈夫です(笑)。

では最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

千手成寿院長 せんじゅ歯科・こども歯科6

患者さんがクリニックに来院しなくても治療が受けられるように、当院では訪問診療を取り入れております。お子さんから年配の方まで幅広く診ていきたいという思いは変わりません。今は来院できていても、数年のうちに「足が悪くて通院できません」という方も増えるかもしれません。やはり最後までお付き合いを続けたいですし、患者さんの期待には、歯科医師として、クリニックとして応え続けたいと考えています。治療方針はクリニックによってさまざまだと思いますが、当院では「正解は一つではない」と考えます。今すぐにすべてを100点にするのではなく、長い目で見て、どこかで100点になり、それが継続することが大切なのではないかと。だからこそ、何かあったらいつでも来院してください。これからも患者さんとのつながりを大切に治療を行っていきたい、そう思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

マウスピース型装置を使った矯正/成人70万円~ 小児5万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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