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野田 昌昭 院長の独自取材記事

のだ内科ファミリークリニック

(広島市西区/商工センター入口駅)

最終更新日:2021/10/12

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック main

新井口駅からアクセス便利なビルの中に「のだ内科ファミリークリニック」はある。前身の内科医院を継承し、開業にあたりリノベーションを行った院内は、オフホワイトを基調とした明るく落ち着いた雰囲気だ。野田昌昭院長は、広島市立広島市民病院の血液内科で白血病や悪性リンパ腫など多くの診療に携わってきた。また、日本感染症学会感染症専門医の資格を持ち、HIVをはじめさまざまな感染症疾患にも精通している。「診断を確定するために検査は大切ですが、患者さんの話をしっかり聞くことが何よりも大事です」と話す野田院長は、院内の雰囲気と同じく穏やかで優しい。長年広島で医療に携わってきた経験から、基幹病院との連携も密な同院。診療で心がけていることや専門である血液内科について話を聞いた。

(取材日2021年4月3日)

血液の専門家として、貧血などの治療に注力

まず初めに、先生が医師をめざされたきっかけからお聞きします。

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック1

子どもの頃から本が好きで、中でも野口英世やキュリー夫人など偉人伝が好きで、漠然とですが理系に進み科学者になりたいと考えていました。高校3年生になり本格的に進路を考えた時、数式とかデータを分析するより、人と関わる仕事がしたいと思ったんですね。それなら、理系の中でも人と直接関わることができ、自分が学んだことをそのまま皆さんに還元できる医師がいいのではないかと思い医学部に進みました。それから、父の仕事の関係で中学生になるまで全国あちこちに転校経験のある私は、大好きな広島にずっと根づいて貢献していきたいという思いもありました。企業に入社すると自分で勤務地を選ぶことは難しいですが、医師は基本的には自分の好きな地域で働けるので、それも理由の一つかなと思います。

先生のご専門である血液内科について教えてください。

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック2

皆さんが思い浮かべる血液の病気というと、貧血が多いでしょうか。貧血にもいろいろな種類がありますが、そのほか、白血病や悪性リンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病など、血液内科で扱う疾患は多岐にわたります。血液内科を専門にしたのは、診断から治療まで一貫して自分が関われることに魅力を感じたからです。私が医師になった頃は、例えば内視鏡検査で胃がんを見つけると、その後の治療はすべて外科に任せましょうとなっていました。しかし、血液の病気の場合はその当時から、白血病にしても悪性リンパ腫にしても血液内科で治療を行っていました。現在はさまざまながんに対して抗がん剤による治療が行われていますが、抗がん剤治療で最も進んでいるのは今でも血液の病気だと思います。また、体の中の組織に比べると血液は採取が容易なため、臨床と研究がリンクしやすいといった観点からも血液内科が自分に向いていると考えました。

私たちにとっても身近な貧血について詳しく教えてください。

女性で生理がある年齢の方はどうしても鉄欠乏性の貧血が起こりやすいのですが、自覚症状があまりなく血液検査をするまで気づかないという人も多いです。日常生活には何も困ってないと思っていた人でも、鉄剤を服用することで貧血が改善して「私、本当はこんなに元気だったんだ」と気づかれるケースにもよく出会います。採血は痛いからと敬遠している人が多いかもしれませんが、検査をすることで自分では気づかなかった貧血や病気が見つかることもあるので、健康診断などを積極的に利用して検査をする機会を持ってほしいですね。

診断の鍵は患者の話の中に。問診を大事にする診療

ところで、この場所で開業されたのはどのような経緯からでしょうか?

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック3

JRの駅からもバスセンターからも近いという交通の便の良さが一つです。また、商業施設が近いにぎやかな街でありながら、目の前には公園があり山や海も近いという、自然とふれあえるところもとても気に入っています。ここはもともと「内科・神経内科」のクリニックだったのですが、院長が高齢になられ閉院を考えていて、ちょうどその頃に私は開業を考えて情報を集めていたんです。お会いしたらとても良い先生で、ご縁があったんだなと思いました。新しく開業するにあたり、院内はリニューアルしたので以前とは雰囲気が違うと思いますが、この場所はとても気に入っているので、引き継がせてもらい良かったと思っています。

地域の印象はいかがですか? 患者さんの主訴についてもお聞かせください。

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック4

当院の患者さんは、働く現役世代とそのご家族の方が多いですね。小児科も標榜しており目の前が保育園なので、お子さんの患者さんもいらっしゃいます。主訴としては、風邪や腹痛など、急な体調不良でいらっしゃる方のほかに、高血圧とか高脂血症のような生活習慣病で定期的に来院される患者さんも多いです。当院は、皆さんが「体調が何かおかしい」と感じた時にまず最初に受診する「かかりつけ医院」でありたいと思っています。最近は、インターネットなどで血液内科を専門としていることを調べて来院される方も多く、貧血など血液関係の相談も増えてきています。

診察時に心がけていることはどんなことでしょうか?

実は患者さんの話の中に診断に至る鍵があることが多いです。「なぜ受診したか」「どういう症状があるのか」など患者さんの話をしっかり聞き、重要なキーワードが隠されていないか、常に意識して診療しています。もちろん、身体診察や検査などを行った上で最終的に判断しますが、問診だけでもある程度見通しがつくことも多いので、これは診察の中で大切にしている点ですね。もう1点は、その患者さんにとって常に最善の対応ができるように努めることです。そのために、できるだけ幅広い最新の医療情報を仕入れることを毎日心がけています。また、診察の中で、「これは専門の科を紹介したほうがいい」と思ったら、速やかに適切な病院を紹介するようにしています。患者さんに不利益がないように、そこを見極めることが重要だと考えています。

何でも気軽に相談できるかかりつけ医院でありたい

心に残っている患者さんとのエピソードがあれば教えてください。

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック5

大学を卒業して5年目に受け持った患者さんですが、40歳で医師の方でした。私から見ると大先輩にあたり、いろいろ手を尽くしましたが、残念なことにお亡くなりになられて。最終的に治療が難しく余命がどのくらいということも、ご本人が医師なのでとてもよく理解されていました。私が看取りも行いましたが、最期まで自棄にならず穏やかで落ち着いていらっしゃって本当にご立派でした。とても自分だったら難しいだろうと思います。まだ若かった私に「立派な医師になってください」とお言葉をくださいました。今はその先生の年齢をとっくに越えましたが、折に触れその言葉を思い出し、その先生に恥じないように人としても医師としても成長しなければと思っています。

先生は、感染症専門医でもいらっしゃるんですね。

野田昌昭院長 のだ内科ファミリークリニック6

広島市立広島市民病院勤務時代に日本感染症学会感染症専門医の資格を取得しました。同病院がエイズ治療の拠点病院で、血液内科の医師がHIV診療を受け持ち、その責任者をしていました。そんなわけで感染症の勉強をする機会が多かったことや、免疫力が低下した血液疾患の患者さんの感染症治療をすることが多かったという経験から、感染症に興味を持ち資格を取りました。感染症というと、今は新型コロナウイルス感染症を思い浮かべることが多いと思いますが、インフルエンザや尿路感染症、腸炎など、感染症は病原体や病態において非常に多岐にわたり奥が深いものです。感染症専門医だからといって、すべての感染症の治療ができるわけではないので、症状が重い場合や専門の科で診てもらったほうが良い場合は、病状に応じて最適と考える病院を紹介しています。総合的な判断をして適切な対応をすることが大事だと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

まずは、健康に不安があったら、ちょっとしたことでも気軽に受診してほしいと思います。「こういう症状があるんだけど、どこに行けばよいかわからない」という患者さんの声を聞くことがあります。そんなときも、まずは「かかりつけ医院」として相談に来てもらえればと思います。先ほどもお話ししましたが、長く広島で医療に携わっているのでネットワークもあり、重篤な病気が見つかったときは、適切な病院をご紹介できます。また、新型コロナウイルスの流行などで社会情勢が変わっていくことに適応し、今後はオンライン診療など、診療スタイルの進化を常に模索していこうと考えています。

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