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小川 亮 院長の独自取材記事

小川医院

(渋谷区/幡ヶ谷駅)

最終更新日:2021/10/12

小川亮院長 小川医院 main

京王新線の幡ヶ谷駅から歩いて2分。昔ながらの6号通り商店街の中に「小川医院」はある。2012年には50周年を迎えた地元で長く続くクリニックで、小川亮院長が父の後を継いでからもすでに20年近くになる。親子3代など古くから通う患者が多いのは地域に根差した医院ならではだが、最近は若い世代を中心に新しい患者も増えているという。大学病院では精神科にも在籍し、内科でも専門に偏らずオールラウンドな経験と積んできた院長。その経験が今の厚みのある診療を支えている。診療にかける思いから、趣味のジョギングの話まで、いろいろな話を聞いた。

(取材日2018年9月20日)

幡ヶ谷地区の医療を支えて50年

お父さまの代から長く続く医院だそうですね。

小川亮院長 小川医院1

幡ヶ谷6号通り商店街に父が開業して、2012年で50年になりました。今の建物は1992年に建て替えたものですが、昔は和風の木造建築で1階の手前が診療所、1階の奥と2階が自宅になっていました。院内に薬の瓶がたくさん並んでいたのをよく覚えています。父の専門は内科で、子どもから高齢者まで気さくに診療し、夜に突然電話がかかってくるとすぐに往診に飛んでいくような医師でした。いかにも町医者といった感じで、僕はその姿を見ながら育ちました。また、看護師さんなどのスタッフも長く勤めてくれている人が多いんですよ。「今日は具合はいかがですか」「この前の痛みはとれましたか」などと患者さんとのコミュニケーションもスムーズで、たいへん助かっています。

にぎやかな商店街通り沿いにあり、地域に根差したクリニックですね。

僕の子どもの頃に比べると、商店街の雰囲気は随分変わりました。でも大学進学までここで過ごしましたし、父の後を継いでここで診療を始めて20年以上たちました。知り合いも多く、患者さんには幼なじみもいれば、親子3代で通ってくださる方もいらっしゃいます。僕のことを「亮ちゃん」と呼んで、「亮ちゃんがうんと小さかった頃から知ってるのよ」なんておっしゃる方も(笑)。時にはご家族の健康相談を受けることもあるんですよ。例えば「息子が大きな病院で検査を受けたけれど、詳しく説明をしてもらえなくてデータの見方がわからないから教えてほしい」と、高齢のお母さまから検査結果を見せていただいたこともあります。うちは何でも相談していただける「町のよろず相談所」みたいなところがありますね。

患者さんの年齢層はいかがですか。

昔ながらの商店街という立地がらご高齢の方とお子さんが多かったのですが、最近は近くにマンションが建ってこの辺りにお住まいの方の年齢構成が変わってきたらしく、若い方も多くなってきました。4つの保育園の園医をしている関係で、園のお子さんやお母さま方も来てくださっています。ご家族皆さんで通ってくださる方が多いのはうれしいことですね。お子さんや若い方はやはり風邪や腹痛などの急性疾患の患者さんがほとんどで、ご高齢の方は高血圧や糖尿病など慢性疾患が多いですね。年に数回は盲腸や尿管結石、脳卒中などで当院から直接救急車で近隣の病院まで運ばれる患者さんもいらっしゃいます。

ここは大きな病院がいくつか近隣にあるので安心ですね。

小川亮院長 小川医院2

大規模病院に近い立地というのはうちのクリニックのメリットの一つですね。当院にはデジタルレントゲン、心電図、エコー、胃カメラなどを備えていますので、定期検診を毎年当院で受ける患者さんもたくさんいらっしゃいます。検査で万一何か異常や重篤な疾患が見つかった場合も、東京医科大学病院、 JR東京総合病院、東京女子医科大学病院などへすぐにご紹介しています。

大学病院時代のオールラウンドの経験を生かして

医師を志されたのはなぜでしょうか。

小川亮院長 小川医院3

高校3年生の時フロイトの本を読んで感激し、精神科医に憧れました。大学は親戚のいる福岡の久留米大学医学部を選び、卒業後は東京慈恵会医科大学附属病院に入局しました、慈恵の研修制度の決まりで、全員まず2年間は内科の各科を回り、その後希望の科で研修できるということで、僕は2年間精神科で研修しました。その4年間でいろいろな症状の患者さんを診ることのできる内科への思いが強くなり、内科に移ることに決めました。その後は慈恵会医科大学附属第3病院の内科に8年間勤務しました。第3病院の特徴は、専門に分かれず、一人の医師が一般内科すべてを診るところです。消化器の内視鏡治療から、呼吸器・循環器、白血病や抗がん剤治療まで、オールラウンドの経験を積むことができました。その中で、僕は消化器班に属していたので、肝臓がんについての論文を書き、博士号を取得しました。

その後、ご実家の「小川医院」に戻られたわけですね。

第3病院時代から週に1回父を手伝ってここで診療するようになりました。地域の患者さんを診療したり、かかりつけ医として長年働いてきた父の姿を見ているうちに、大学病院とは違ったやりがいや面白さを感じるようになり、2001年に院長職を受け継ぎました。その後小児科診療について勉強したいと考え、昼休みや夜の空き時間を利用して、都立広尾病院に半年ほど通い、小児科診療のお手伝いをさせてもらいました。うちの患者さんはお子さんも多いので、このときの経験がたいへん役立っています。

研修医・勤務医時代の経験で今役立っていることは何でしょうか。

小川亮院長 小川医院4

「病気を診ずして病人を診よ」という慈恵医大の建学の精神はいつも心の中にあります。「訴えられた症状を治すだけでなく、患者さんの苦しみを理解し、背後にある状況や原因を見つめながら、一人ひとりに温かく接しなさい」ということですね。慈恵医大附属病院の精神科で学び、第3病院でさまざまな患者さんを診療して、患者さんお一人お一人に、メンタル、フィジカル両面で、いろいろな苦しみ、つらさがあることを目の当たりにしたことは大きな経験でした。

家族みんなのかかりつけ医に

診療の際にどのようなことを心がけていらっしゃいますか。

小川亮院長 小川医院5

患者さんのお話をよく聞くこと、そして安心してお帰りいただくことを心がけています。患者さんは不安を抱えておいでになるわけですから、まずよい聞き手になって、患者さんが不安に思っている症状や考えていることをすべて話していただく。その上で診断や治療に必要なことをピックアップしていくのが僕たちの役目です。診断や治療についてはできるだけ丁寧にご説明して、最後には安心して帰っていただけるようにと思っています。細かいことですが、患者さんのお話を聞く時は、パソコンに目をやらず、患者さんのお顔をしっかり見るなど、話しやすい雰囲気をつくるようにしています。患者さんは精神的な悩みを抱えていらっしゃることがあり、そういったときのコミュニケーションにも、精神科時代の経験が生かされているかなと思います。

休日はどのように過ごされていますか?

以前は登山やトライアスロンを楽しんでいたのですが、患者さんが増え忙しくなったこともあって、最近はもっぱらジョギングに励んでいます。週3回、月に100km以上は走っているんですよ。余裕のあるときには昼休みに5kmほどの距離にある近くの公園まで1時間かけて走り、母の暮らしている2階でシャワーを浴び、午後の診療に臨むこともあります。走っている間は頭の中が空っぽになるので楽しいですね。年に2回はマラソン大会にも出場しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

小川亮院長 小川医院6

最近は、お子さんはキッズクリニック、親御さんは職場近くの内科というように、ご家族が別々に医院に通っていらっしゃる方も多いと思います。それも良いのですが、当院のように家族全員を診察できる地域密着のかかりつけ医もお勧めしたいですね。ご家族全員を一人の医師が診ることで、家族環境を考えながら、より密な診療を行うことができます。どんな些細なことでも病気に対する心配があれば、気軽にお訪ねください。「子どもが騒ぐのが心配」と遠慮される方もいらっしゃいますが、お子さん用の絵本などもご用意していますので、ぜひお子さん連れでお越しください。

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