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上西 栄太 院長の独自取材記事

糖尿病・甲状腺 上西内科

(小牧市/小牧口駅)

最終更新日:2019/08/28

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愛知県小牧市、保健センター前交差点の近くにある「糖尿病・甲状腺 上西内科」は、糖尿病や甲状腺・内分泌疾患の診療に力を注ぐクリニックだ。院内は木をふんだんに用いた温かみのある造りで、待合室の棚には、名古屋学芸大学の学生たちがセレクトした地元の陶芸家の作品が並んでいる。これらは上西栄太院長がめざす「通院の不快」を減らすための取り組みの一つ。同院が注力する慢性疾患は何度も通院する必要がある。だからこそ上西先生は、当日に結果が出る検査機器を導入し、院内のデザインを工夫することで患者の負担を減らしたいと考えている。穏やかな笑顔が印象的な上西先生なら、患者も自分の気持ちを打ち明けやすいだろうと感じた。インタビューでは、同院の特徴や、診療に対する想いを聞いた。
(取材日2018年9月10日)

患者の負担を減らすため、細部までこだわる

医院全体から先生のこだわりが伝わってくるような、素敵な院内ですね。

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僕は木をふんだんに使い、温もりを感じる雰囲気にしたかったんです。通常、クリニックを新築するときは専門のコンサルタントに相談することが多いのですが、僕の場合は中学や高校の同級生らの助言をもらいながら細部まで作り込みました。当院のハンドブックは、名古屋学芸大学に通う生徒さんたちと一緒に制作しました。待合室にある棚には、彼らがセレクトした地元の陶芸家の作品を並べています。それらの作品が、当院全体の印象をさらに温かみのあるものにしてくれていると思います。待合室にはキッズスペースや、パソコンが使えるようにカウンターも備えました。コーヒーマシンもあるので、ゆったりとくつろいでいただければ幸いです。

設備面に関するこだわりを教えてください。

当院が主に扱う糖尿病や甲状腺の病気、内分泌疾患は慢性疾患なので、長期的に通院する必要があります。ですので、少しでも患者さんの負担を減らせるように、設備も工夫しました。当日に検査結果を患者さんにお伝えできるよう、血液検査などの院内検査機器を複数機種導入しています。さらに、点滴用のソファーも当院の特徴の一つです。実は、必ずしも点滴を寝た状態で行う必要はないんです。当院では、座り心地の良いソファーで点滴を行っています。糖尿病の足病変を診るためにオットマンも備えています。既存の概念である「クリニックらしさ」よりも「いかに患者さんが快適でいられるか」を徹底的に優先しました。

糖尿病や甲状腺を専門にしようと考えたのはどうしてですか?

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恩師である近藤國和先生との出会いがきっかけです。大学在学中に、安城更生病院の内分泌・糖尿病内科を見学する機会がありました。その時に担当してくださったのが、当時部長を務めておられた近藤先生でした。学生時代のたった1日一緒にいただけなんですが、先生が話される学問的な事柄、患者さんを見るまなざし、教育的な姿勢などから、この方は抜群の臨床医だと感じ、この先生と働きたいと思ったんです。それで、卒業後に研修先を決める時は迷わず安城更生病院の内分泌・糖尿病内科を選びました。

治療の幅を広げるために初期段階で検査を受けてほしい

こちらにいらっしゃるのは、糖尿病や甲状腺の病気を患う患者さんが多いのでしょうか?

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そうですね、多いのは糖尿病と甲状腺の病気です。加えて下垂体の病気の方も多くいらっしゃっています。甲状腺疾患としてはバセドウ病や橋本病、甲状腺の結節などが挙げられます。甲状腺疾患で多い初期症状は、ホルモンが過剰な場合は動悸や体重減少などで、ホルモンが不足してる場合は倦怠感やむくみなどです。当院では甲状腺ホルモンの検査結果は3、40分ほどで出ます。糖尿病に関しては、当院の専任スタッフ一丸となって、どうすれば良い治療を提供できるのかを考え続けています。糖尿病の治療は、初期段階から始めるのが効果的です。逆に、いろいろな合併症が出てから専門の医師を頼っても、治療でできることはわずかしかありません。初期段階でしっかりと検査と治療を行うことが、その人の将来に大きく影響を与えます。糖尿病の検査は1分ほどで終わるので、待ち時間の負担も少ないと思います。

どのタイミングで受診すれば良いのか悩んでおられる方も多いと思います。

できれば自覚症状が出始める前までに検査を行うことをお勧めします。なので、会社の健康診断で引っかかった場合は早めにお越しください。主婦の方の場合は、市の特定健診があるので、そうした制度を活用して定期的に検査していただければと思います。糖尿病は初期段階で自覚症状がほとんどありませんが、例えば食後に強い眠気がある場合は疑ってみると良いかもしれません。グルコーススパイクと呼ばれる、血糖値の急激な上昇と下降が眠気を起こしている可能性があります。基本的にアジア人は、欧米人に比べると膵臓からのインスリン分泌量が高くありません。加えて、食生活の欧米化と運動不足が糖尿病を引き起こす原因になっています。糖尿病は一生付き合っていく病気ですが、生活習慣の改善によって、薬を減らしたりインスリンの注射回数を減らしたりと負担を減らすことができます。

漢方についてお聞かせください。

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冷え、便秘、だるさ、むくみといった症状を緩和する目的で漢方薬を処方しています。これらの症状は原因がはっきりせず病名がつかないことが多いんです。西洋薬は、どんな作用をするのかが分子レベルで同定されており、ピンポイントに治療効果を発揮します。一方、漢方薬は体全体の調子を整えることを目的としています。それぞれ良い部分があるので上手に使い分けています。神戸大学大学院に国内留学していた頃、長田区の診療所で働いていたんですが、そこに来る患者さんの主訴はほとんどが“しんどい”というものでした。なので、ピンポイントで作用する西洋薬は役に立たなかったんです。患者さんが抱えている症状を掘り下げ、それらを和らげる目的で漢方薬を使っていました。

治療のヒントは数値や画像ではなく患者の中にある

診療時に心がけていることは何ですか?

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患者さんの目を見て話すことですね。僕の信念として、治療は医師と患者さんの共同作業と考えています。なので、患者さんの情報を引き出しやすいようにしておかなければなりません。患者さんが言ってくれなければわからない情報もたくさんありますから。質問するときは、できるだけ広い質問をするようにしています。なぜなら、患者さんは治療に関係のないように思えることは話してくれないんですが、そういう情報に治療のヒントが隠されている場合があるからです。また、医師に話さなくてもスタッフに話していることもあります。糖尿病は生活習慣病なので、生活のさまざまな部分に改善すべきポイントが隠されています。検査数値や画像よりも、患者さんの中に答えがあるので、それを見つけ出すよう努めています。

そのような信念を持たれるようになったのはどうしてですか?

安城更生病院での研修期間を終えた頃に経験したことがきっかけかもしれません。当時は診断が確定していない不明熱のような患者さんを内科の医師が全員で順番に担当していました。ある日、僕が担当したのは40代の女性で、処置室に入って患者さんを診ると非常に重篤な状態で、今にも呼吸が停止しそうな状態だったんです。人工呼吸器や除細動器を使うこともあり生死をさまよわれましたが、その方は幸いにも社会復帰されました。実は、その患者さんが何の感染症なのか、血液検査や画像検査ではわからなかったんです。それで、その方の情報をご家族や本人から一つ一つ積み上げていき、さらに論文を調べていきました。すると、該当する特殊な感染症とその治療法が見つかりました。この経験から、患者さんを見て、患者さんからヒントを得て、病気の診断と治療につなげていくプロセスの重要性を学びました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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当院を開業しようと思った動機が、病気と通院の苦痛を減らすことでした。糖尿病や甲状腺、内分泌疾患の治療は、一度の通院で終わるわけではありません。時間もかかるし、気分的にも落ち込みやすいものです。そうした嫌な要素を少しでも取り除けるように当院は努力しています。医師と患者さんとの間に一体感が生まれれば、それは人を幸せにしてくれると思います。病院に行くのは嫌だけど、ここに来るのは良いかなと思ってもらえたら幸いです。インスリン注射の回数や、薬の量に不安がある方、会社や市の検査で引っかかったけど怖くて病院に行けない方、そんな方たちの力になりたいと考えています。

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