浅賀 知記 院長の独自取材記事
ひかり歯科クリニック
(八潮市/八潮駅)
最終更新日:2024/12/25
八潮駅から車で5分の「ひかり歯科クリニック」。大きなガラス窓から光が注ぐ院内には、吹き抜けの天井で広々とした待合室、おもちゃや絵本がいっぱいのキッズライブラリー、ゆったりした造りの個室診察室を備える。浅賀知記院長をはじめとするスタッフの対応も温かく、リラックスできる雰囲気だ。浅賀院長が開業時より大切にしているのは満足度の高い治療を提供すること。患者の話にしっかり耳を傾け、症状や年齢に応じたオーダーメイドの歯科治療を行っている。特に小児歯科や予防歯科に力を入れる浅賀院長に、小児歯科で大切なことや、診療にかける思いを聞いた。
(取材日2024年10月9日)
対話が「良い治療」と「満足できる治療」を結ぶ鍵
「ひかり」の名前のとおり、明るくて開放的なクリニックですね。
「ひかりと空の歯医者さん」をコンセプトに、「歯科医院らしくないクリニック」をめざし、こざっぱりと整理された室内と明るさを重視しました。中の様子が見えたほうが入りやすいと思うので、ガラス張りで外から院内が見える造りにしています。院内の造りや現在の診療スタイルは、開院前にお世話になった先生の方針に共感し、参考にさせてもらったものも多いです。キッズライブラリーをイメージしたキッズルームもその一つ。子どもたちが「歯科医院に来たい」と思えるような工夫が詰まっています。お世話になった先生は、常に「患者さんの満足とは何か?」を追求し、クリニックへの通いやすさや雰囲気にも重点を置いていた人でした。その姿勢に学び、丁寧な治療を行うことはもちろん、「さらに患者さんに満足してもらうにはどうしたらいいか?」を追求する中で行き着いたのが、この「ひかり歯科クリニック」なんです。
患者さんと接する際にどのようなことを心がけていますか?
お話を聞くことです。当院では来院してまずタブレット型端末で問診票に記入していただきます。その後、歯科衛生士とカウンセリングルームに入って何を求めているのかしっかりお話しいただき、その後ユニットであらためて私と内容の確認をしながら診療に入ります。これは私のこだわりなのですが、1本1本の歯をペンカメラで撮り、治療が始まる前にすべての歯の状態を患者さんに見ていただきながらご説明します。「百聞は一見にしかず」というように、やはり見て納得できないと治療への意識も高まりません。ご自分が今どのような状態で、なぜ治療が必要なのかを理解することで、治療後の満足度も大きく変わると信じています。また、私の座右の銘である「我以外皆我師」は、「自分以外のすべての方々は、自分自身に新しい学びを与えてくれる師匠である」という意味を持つ言葉。当院に訪れるすべての方に尊敬の気持ちを忘れず接することを大切にしています。
子ども連れの来院も多いのですね。
保育士が常駐し、親御さんの治療中はお子さんをお預かりしたり、治療の時間まで遊び相手になったりできるので、小さいお子さんのいる方にも通いやすいかと思います。親子で治療を受けられる方もいらっしゃいますよ。また、お子さんの歯磨きの習慣づけや口の中の管理は教育の一環であり、親御さんにしかできないこと。これらの重要性についてもしっかりお話ししています。特に子どもの虫歯を防ぐキーワードとなる「口内フローラ」と「感染の窓」の2つについては、必ずお伝えしています。
「口内フローラ」と「感染の窓」とはどういったものでしょうか?
「口内フローラ」は、口腔内にお花畑のように広がる細菌の生態系を指す言葉です。細菌の中には善玉菌も存在し、口腔内の環境維持を行っています。口内フローラは一人ひとり異なり、虫歯菌の比率も一人ひとり違います。虫歯菌の「ミュータンスレンサ球菌」は生まれたての赤ちゃんの口内には存在しませんが、歯が生えてきた頃にパパやママのスプーンなどを介して子どもの口に移ります。この時期に感染しなければ、それ以後感染する可能性はほとんどなくなります。この最も親子感染しやすい時期を「感染の窓」と呼びます。
子どもにとって「楽しい場所」であるように
子どもの診療ではどのような点を重視していますか?
楽しい気持ちで通って、通院を継続してもらえるよう工夫しています。治療でも予防でも、途中で通院が途絶えてしまうのは残念なこと。ですから、お子さんが暴れて治療できない場合に無理やり治療するようなことはしません。信頼関係をつくることから始めますので、初回はキッズルームで遊んでもらうだけで帰ることもありますね。本やおもちゃ、触って遊べるモニターなど、キッズルームにはお子さんが興味を持てるようなものを用意しています。できることから始めて「階段を上るように、成功体験を積み重ねていきましょう」というのが当院の治療スタイル。月1回ぐらいのペースでキッズイベントも開催しているんですよ。ご家族やお友達と季節の飾りものを作ったり、白衣を着て歯医者さん体験をしながら、「ここは楽しい場所」と思ってもらえるとうれしいです。
子どもの治療では「楽しい場所」であることが大切なのですね。
そうですね。そして、お子さんが楽しんで通える環境づくりは、親御さんの協力なしにはできません。歯科医院を嫌な場所にしないために、初診で来られた親御さんには「痛い」「怖い」といったネガティブワードは言わないでほしいこと、なんでもいいから子どもを褒めてあげてほしいことを伝えています。毎回褒められるなら、歯科医院が嫌な場所にはならないでしょう。「歯医者さんに行けた」ということだけでも褒めてあげてほしいですね。そのぐらいお子さんが持つイメージは大切だと思っています。
訪問診療も行われているとか。
今のところは、施設に入居されている方の口腔ケア、入れ歯の調整といったニーズが多いです。ご高齢の方の場合、「噛めるものを噛んで食べられ、口から栄養が取れること」を歯科治療の目的とします。例えば「しっかり噛ませてあげたいから」と入れ歯を作っても、認知症が進めば入れ歯を使うことが困難になります。また複数のご病気があって何種類もの薬を飲んでいる方ですと、大がかりな治療は難しいでしょう。患者さんの健康状態を把握して、口腔内を清潔に保ち、嚥下機能が落ちているならば飲み込みやすい食事の提案をしたりと、若い方とは違った角度からのアプローチも必要です。これからますます高齢化が進む社会で、訪問診療はさらに力を入れていきたい分野の一つですね。
予防歯科の考えを地域に根づかせていきたい
力を入れている予防歯科では、どのような治療をされていますか?
症状や年齢に応じて、その方に合った方法をオーダーメイドで行っています。お子さんの場合、歯科医院通いを習慣づけていただき、中学卒業まではフッ素とシーラントをこまめに塗布することが虫歯予防のポイントです。大人の場合は、歯周病予防がメイン。痛みなどの自覚症状がないため予防意識は低くなりがちですが、歯周病は予防できる病気です。治療に通うモチベーションが保てるよう、歯周病がどんな病気でどんな治療が必要なのかしっかり説明するよう心がけています。そして口腔内の環境づくりに欠かせないのが、ご自宅でのケア。当院ではこの点にも力を入れています。
セルフケアのポイントについて教えてください。
セルフケアの中心は「歯磨き」です。虫歯や歯周病など、その方の症状によって適した歯ブラシやケアグッズは変わってくるんですよ。当院では計8人の歯科衛生士が、2階の予防歯科専用フロアで口腔内の汚れをしっかりと落とすのと併せて、歯ブラシ選びや磨き方についてわかりやすくアドバイスしています。スタッフは生活環境や予算も踏まえてその方に合った製品を提案できるように、ご自宅でお使いの歯ブラシを見せていただいたり、自主的に勉強会を開いて知識を深めたりしているんです。私たちはよく「予防歯科」を水道の蛇口に例えるのですが、虫歯をただ削って詰めるだけでは、蛇口を閉めずに水浸しの床を拭いているのと同じこと。蛇口をしっかり閉める、つまり原因をもとから断つことが大切なんですね。プロのケアとセルフケアでしっかりと蛇口を閉め、虫歯・歯周病の原因をつくらないようにしましょう。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
当院の目標は「みんなが通える歯科医院」。口腔内スキャナーも備えていますので、型採りが苦手な方も安心していらしてください。また虫歯や歯周病は、日々の適切な歯磨きと定期的な通院で予防が可能な病気。「予防のために通院を継続する」という習慣を、この地域にしっかり根づかせていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1歯 43万円~50万円
※症例によって費用が異なります。詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。