鎮静剤を使用し苦痛に配慮
胃や大腸内視鏡検査で病気の早期発見を
みずのクリニック
(大阪市北区/天神橋筋六丁目駅)
最終更新日:2025/02/14


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胃や大腸の内視鏡検査については、胃潰瘍やポリープ、がんといった病気の早期発見に役立つと認識しつつも、苦しい、前処置がつらいというイメージがあり敬遠している人もいるのではないだろうか。しかし現在では、以前と比べて内視鏡はかなり細くなっており、また、クリニックでも鎮静剤を用いた状態で検査が受けられるようになってきているのだという。「みずのクリニック」では苦痛に配慮した内視鏡検査に力を入れる。水野龍義院長は、消化器内科を専門に数多くの診療および検査に携わってきた医師。内視鏡検査を受けるべきタイミングや実際の検査の流れについて、水野院長に詳しく解説してもらった。
(取材日2021年10月6日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q内視鏡検査はどんなタイミングで受けたらいいでしょうか?
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A
症状としては、胃であれば心窩部痛(しんかぶつう)、つまり胃やみぞおちの辺りに痛みがある場合、大腸であれば便秘や下痢の症状がある場合です。年齢は胃がんや大腸がんの発症が増える40歳以上の方であれば、定期的に内視鏡検査を受けていただきたいです。40歳未満の方でも便秘、下痢などの症状があり、なかなか治らない時は検査をお勧めしています。また、胃痛を繰り返す方は、一度ピロリ菌の検査を受けられたほうがよいと思います。ピロリ菌は、胃の内視鏡検査で萎縮性胃炎や潰瘍が確認された方を対象に、呼気検査や血液検査で詳しく調べることができます。
- Q内視鏡検査は「苦しい、つらい」というイメージがあります。
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A
苦しさやつらさを感じることのないように、胃、大腸とも、鎮静剤を投与して行うことができます。うとうとしている間に、内視鏡検査を終えることが可能です。当クリニックは、目が行き届く環境で検査ができますので、胃の場合は鎮静下で、経口内視鏡を使用して検査をしています。鎮静下では「おえっ」となる、嘔吐反射の苦しさはほぼ感じないでしょう。大腸内視鏡でも基本は鎮静下で検査をしています。ただし、肺疾患がある方、ご高齢の方は鎮静にはリスクがありますので、事前に十分な検討を行うようにしています。他にも、多量の腸管洗浄液を飲むことが難しい場合には、眠っている間に胃カメラで腸管洗浄液を注入する方法も用意しています。
- Q内視鏡検査を受けることの重要性を教えてください。
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A
胃がんや大腸がんは、遺伝的な要素や生活環境の影響も受けます。ご家族にがん患者さんがいる方や、脂質や塩分が高い食事を多く取られている方はリスクが高くなりますので、定期的に検査を受けられたほうがよいと思います。大腸では、がんだけでなく、ポリープ切除も主な目的です。がんになるリスクのある、前がん病変といわれる腺腫は、2cm以下であれば検査時に切除を図ることができます。胃内視鏡検査は、リスクが高い人は1年に1回、大腸内視鏡検査は、がんがなければ2年に1回、がんが発見された場合は1年に1回の検査が推奨されています。この間隔で検査を受けていただければ、早期でのがん発見が期待できます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前の診察と検査日の予約
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症状がある場合は、まずは受診して医師の診察を受け、必要と判断されれば検査日の予約に進む。内視鏡検査は予約制が基本だが、胃内視鏡検査は、絶食の状態であれば、来院当日に検査することも可能だ。大腸内視鏡検査については、検査前におなかの中をきれいにする必要があるため予約制だが、血便が多いなど緊急性が高い場合は、受診当日に行うこともあるそう。
- 2事前の処置
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大腸内視鏡検査の場合、検査前に下剤を摂取し、おなかの中をきれいにしていくことが必要だ。排泄物が透明になってからいよいよ検査を開始する。また、同院では、遠方から来る患者や高齢者に配慮し、院内で腸管洗浄液を飲むことができるように専用のトイレを用意している。
- 3内視鏡検査
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鎮静剤を投与し、眠ったような状態で検査を受ける。検査時間は、胃内視鏡検査では5〜10分、大腸内視鏡検査では観察のみであれば15分程度。大腸内視鏡検査時に併せてポリープ切除術を行う場合は30分程度で終了だ。
- 4内視鏡検査後のリカバリー
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検査後の、鎮静からのリカバリーは、個人差があるが、1時間程度かかるのが一般的。鎮静を行ったその日は車の運転ができないので注意が必要だ。同時に大腸ポリープの切除術を受けた場合は、検査後数日はアルコールの摂取は控えよう。また、消化の良い食事を心がけ、こってりしたもの、香辛料の強いものは避けるべきだという。数日間は、血便が出ていないかなど、便の状態を観察する必要がある。
- 5検査結果の説明
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鎮静からのリカバリーが終わってから、検査結果の説明を受ける。検査の結果、何も問題がなかった場合は、検査後の通院は必要がないが、症状があり薬の処方などを受ける場合は引き続き受診が必要だ。同院では、がんが発見された場合や、2cm以上のポリープ切除が必要な場合は、連携している病院へ紹介しているそう。なお、ポリープの切除術を受け、検体の組織検査を行う場合は、2週間後に再び来院し、検査結果を聞く。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃カメラのみ/1万5000円程度、大腸内視鏡検査のみ/1万9000円程度、胃カメラ・大腸内視鏡検査/3万円程度