濱畑 啓悟 院長の独自取材記事
梅華会わくわくこどもクリニック
(尼崎市/武庫之荘駅)
最終更新日:2026/06/05
武庫之荘駅南口より徒歩約1分の場所にある「梅華会わくわくこどもクリニック」を訪ねた。2026年4月に院長に就任した濱畑啓悟先生は、京都大学医学部を卒業後、長く小児医療に従事してきた、日本小児科学会小児科専門医、日本血液学会血液専門医などの資格を持つ小児科の医師だ。これまで総合病院で診療を行ってきたが、子どもともっと直接向き合う診療を続けたいと考え、クリニックでの勤務を選択したという。現在は乳幼児を中心に一般診療を行いながら、病状などに応じて他医療機関への架け橋としての役割も担う。診療では問診を重視し、保護者だけでなく子ども本人にも話を向けることを心がけている。落ち着いたトーンで、ゆっくりと話す優しそうな濱畑院長に、小児科診療への熱い想いを聞いた。
(取材日2026年4月20日)
子どもの“リアル”な心にふれ、小児科医をめざす
医師をめざされたきっかけを教えてください。

医師をめざしたきっかけは、はっきりとした動機があったわけではなく、中学生になって生物の授業に興味を持ったのがきっかけで、当初は「科学者になりたい」と漠然と考えていました。大学6年生の時に放送が始まったある国民的アニメにふれ、「子どもはただ無邪気なだけではなく、大人と同じように日々いろいろなことを考え、さまざまな悩みを抱えながら生きているのだ」と感じるようになりました。そうした子どもたちに関わる仕事につきたいと考え、小児科を選びました。
どのような経緯で院長として着任されましたか?
これまで、神戸市立医療センター中央市民病院、市立岸和田市民病院、京都大学医学部附属病院、日本赤十字社和歌山医療センターと、主に総合病院の小児科で勤務してきました。もともと子どもと接する診療にやりがいを感じていましたが、次第に管理職としての役割も担うようになり、子どもたちの診療から離れた業務が増えるようになりました。「今後も現場で診療を続けたい」と考えていたところ、当院の理事長から声をかけていただいたことをきっかけに、クリニックでの小児科勤務の道を選びました。大きな病院とは異なり設備には限りがありますが、これまでの経験を踏まえながら、必要に応じて他の医療機関へつなぐという役割での診療を続けていきたいと考えています。
武庫之荘の地域の特徴や、どのような患者さんが多いか教えてください。

尼崎市の医療状況についてはまだあまり詳しくないのですが、来院される患者さんやお子さんを見ていると、保護者の方は穏やかな方が多いですし、お子さんたちも本当にのびのびと過ごしている印象があります。近隣は住宅地ということもあり、当クリニックの患者層としては乳幼児が中心で、子育て世帯が多い地域なのだろうと感じています。診療内容としては風邪などの一般的な症状がほとんどですが、これらの中に大きな病気が隠れていないかを見極め、必要に応じて他医療機関へ紹介することも含めて、適切な判断をすることがここでは求められていると考えています。
保護者だけでなく子ども自身の声も丁寧に聞き取る
診療の際に心がけていることは?

来院されるお子さんはアトピー性皮膚炎や喘息をはじめとするアレルギー疾患をお持ちのケースが多いので、アレルギー全般に対して早い段階から適切に対応していくことを心がけています。乳児湿疹から食物アレルギー、さらには喘息へと、複数のアレルギー疾患が移行していくことを「アレルギーマーチ」と呼びます。最初に起こる乳児湿疹の段階で、しっかりとスキンケアを行っておけば、その後のアレルギーマーチの進行を抑えられる可能性があります。診療では一つ一つの症状だけを見るのではなく、その背景や経過も含めて捉え、継続的に対応していくことを大切にしていきたいと考えています。
どのような診療体制ですか?
現在は私以外に、香山尚美(こうやま・なおみ)、仁紙千尋(にがみ・ちひろ)など、複数の医師が在籍しており、グループ内の別のクリニックとも連携しながら一般的な小児科疾患を中心に診療を行っています。若い先生たちもとてもしっかりしていますから、安心してお困り事を相談してもらえたらと思っています。また、平日は朝8時30分から診療していますので、出勤や通学前の時間に来ていただくことも可能です。
患者さんに向き合う際に大切にしていることは何ですか?

診療においては、患者さん本人や保護者の方のお話をしっかり聞くことを大切にしています。最初に書いていただく問診票をもとにお話を進めていきますが、診療後に「言いたいことが言えなかった」と感じることがないよう意識して幅広くお話をうかがうように心がけています。また、年齢によっては自分の症状を表現できる場合もあるため、保護者の方だけでなく可能な範囲でお子さん本人にも話を向けるようにしています。お話しが難しい小さなお子さんの場合は保護者の方からのお話しが中心になりますが、1年生になったお子さんには「学校どう?」と問いかけるなど、お子さんの様子にもしっかり注意を向けながら診療を行っていきたいですね。
起立性調節障害など悩みを抱える子どもに寄り添いたい
先生が今後診療で力を入れていきたいことは?

現在は乳幼児の患者さんが中心ですが、今後はもう少し大きいお子さんや中学生の診療にも対応していきたいと考えています。今後力を入れていきたいと考えているのが「起立性調節障害」の診療です。起立性調節障害には、朝起きられなかったり、立ちくらみや倦怠感が見られたりする成長期のお子さんに多く見られる症状で、背景に睡眠障害や心理的要因が隠れていることもあります。ひどくなると不登校や引きこもりにつながるケースもあります。以前勤めていた病院では、心理士らと連携しながら起立性調整障害・睡眠障害専門の外来を立ち上げました。また短期入院の中で生活リズムを整え、運動プログラムや心理的な支援を行うことで、症状の改善に取り組みました。起立性調節障害に悩んでいるお子さんは多いと思いますので、当院でもできる限りサポートしていきたいと思っています。
休日の過ごし方や、健康のために取り組んでおられることはありますか?
休日は体を動かすことが多く、登山やマラソンやトライアスロンにも取り組んできました。和歌山に住んでいた時期にマラソンを始め、マラソンの仲間の誘いでトライアスロンにも取り組むようになりました。和歌山は海や山があり、走る環境にも恵まれていましたが、神戸に移ってからは少し体を動かす機会が減ってしまいました。今後は水泳やランニング、六甲山の山登りなどを再開していきたいと考えています。また、旅行も大好きで、国内外を問わずいろいろな場所に行くのを楽しみにしています。さまざまな文化や生活の違いを体験できることで、良い気分転換になりますね。
読者へのメッセージをお願いします。

これまで長く総合病院で勤務してきましたが、クリニックでの診療とは異なる点も多いので、その違いを踏まえながら、これまでの経験を今後の診療に生かしていきたいと考えています。お子さんの体調などで、お困り事がありましたら、気軽に相談に来ていただければと思います。

