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山根 秀一 院長の独自取材記事

梅華会わくわくこどもクリニック

(尼崎市/武庫之荘駅)

最終更新日:2020/10/22

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入り口の木目調のドアや空や森をあしらった内装を含め、「梅華会わくわくこどもクリニック」には、およそクリニックとは思えない、子どもが通いたくなるような魅力や工夫であふれている。そんな医院の新しい院長に就任したのが、日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医である山根秀一先生。大学病院や市中病院で研鑽を積んだ後、医療法人梅華会グループの小児科でも院長を務めてきた経験を持つベテランだ。幅広い領域を診察する小児科だからこそ、ガイドラインに基づいた正確な診断に注力し、正しく伝えるスタンスを大切にしているという。「このエリアは地元大阪と同様、笑顔がすてきなお子さんが多いように感じる」と語る院長に今後の展望や意気込みを聞いた。
(取材日2020年6月24日)

アレルギーを専門に地域の小児医療への貢献を

院長に就任されてのお気持ち、地域の印象などをお聞かせください。

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「梅華会わくわくこどもクリニック」の母体である医療法人梅華会グループは阪神間でさまざまなクリニックを運営しています。私は神戸本山エリアの小児科の院長を務めていた縁で、当院の院長をお引き受けすることになりました。梅華会は医療の質とともに、ホスピタリティの精神を大切にしたクリニックづくりに力を入れています。理念においては神戸で院長をしていた頃から共感している部分でもありますし、やりがいを持って勤めていくことに変わりはありません。ただ尼崎は私の地元である大阪に近く、親しみやすい雰囲気だなという印象を持ちましたね。気さくにお話しできる患者さんが多いように感じています。

先生はアレルギーがご専門だそうですね。

母校の京都府立医科大学を卒業後、同大学の小児科学教室に入局し、その後は数々の病院で小児科について多くの経験を積みました。もともとは腫瘍や小児がんを研究していたのですが、小児科というのは感染症をはじめ、あらゆる症状に対応しなければなりません。患者さんとの出会いの中で、アレルギー疾患に悩むお子さんや親御さんが多いことに気づきました。アレルギーについて、もっと専門的に診察できる医師が必要なのではないかと考え始めていた折、日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医制度を知ったのです。「これはチャレンジしなければ」と使命感のようなものがあったのでしょうか、すぐに資格取得に向け動きました。

こちらでは、どのような疾患が多いのでしょうか。

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診察を始めて日が浅いのですが、湿疹の症状が多い印象です。湿疹の原因はさまざまですが特に子どもの場合、アレルギーの入り口となる可能性が高くなります。皮膚は正常であれば、角質に守られていますから異物が侵入してくる心配はほとんどありません。しかし、皮膚の湿疹や乾燥による擦り傷などがあると異物が侵入しやすくなってしまいます。異物であるアレルゲンが皮膚から入り込む経皮感作です。ですから、特にお子さんは肌をきれいに保ち、湿疹などがないようにしておくことが大切なのです。湿疹がアレルギーの入り口であるという考え方は近年、浸透してきてはいますが、まだまだ一般的とは言えない部分があります。乳幼児のスキンケアなども含め、新しい患者さんにも丁寧にお伝えしていきたいと考えています。

根拠に基づいた「正しい」治療と「正確」な診断が大切

アレルギー治療についてのお考えを詳しく聞かせていただけますか。

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先にお話しした経皮感作もそうですが、アレルギー疾患の治療は「標準治療」があります。標準治療とは治療のガイドラインであって、根拠に基づいた信頼に値する治療方法を意味します。アレルギーの症状にもよりますが、基本的には対症療法がメインとなります。湿疹ならステロイドなどの薬を塗る、喘息ならステロイドを吸入する、抗アレルギー薬を使用する治療となります。アレルギー性鼻炎も同様です。特別な治療が必要な重症度の高い方はごく一部の方で、ほとんどは標準治療、当たり前の治療を日々、行っていくだけです。けれども、それが難しいのです。毎日毎日、きちんと治療を続けていくのは思っている以上に大変なことだからです。「当たり前」の大切さをきちんとお伝えし、患者さんが納得して続けてもらうようにするのが私たちの役割だと思っています。

舌下免疫療法も取り入れられています。

アレルギー疾患は対症療法だと言いましたが、舌下免疫療法は根本的な体質改善が望める治療です。原因物質であるアレルゲンに体を慣らしていく方法で、ダニやスギ花粉へ反応しないような体質への改善をめざします。具体的には、アレルゲン錠剤を舌の裏側に含んでいただくことになります。注射するわけではありませんから、小さなお子さんでも治療が可能です。月に1度は受診しなければならないのですが、成長するにつれ、お子さんの通院が難しくなるので、継続するのが大変な面はあります。さらに、効果が感じられる方なら続けられるのですが、中にはそうではない方もいらっしゃいます。ただ効果が感じられれば期待のできる治療法ですから、チャレンジしてみる価値はあると説明しています。

患者さんとお話しされる際、心がけていることは?

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できる限り正確な情報をお伝えしていきたいという点です。きちんとお伝えするためにも、正確に診察する必要があります。これは小児科特有の事情ともいえますが、だからこそお子さんを泣かせたくない(笑)。お子さんの泣き声が大きいと声が聞こえませんし、何よりお母さんも泣かせまいと私の話に集中できなくなります。お子さんが医師や病院を怖がらないよう、優しく接するよう心がけていますね。スタッフも皆、子ども視点でお話しするよう気をつけています。また当院のキッズスペースは森の中にいるような「わくわく感」を大事にしています。天井には青空と虹が描かれ、カラフルな椅子も用意しています。クリニックというよりも遊び場のようなイメージですから、怖がらずに待ってくれるよう、随所に工夫していますからご安心ください。

わかりやすく親しみやすい雰囲気づくりに努める

ところで、先生は当初文系志望だったとのことですが、なぜ医師に方向転換されたのですか。

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最初は文系で経済学部を志していたのですが、文系と理系を決める際の面談で当時の先生からアドバイスを受け理系に変更したのです。実際の進路を、薬学の道に行こうか、どうしようかと悩んでいた時、感染症について書かれたある小説を読んで、医療や医師として社会や人のためにできることが多くあるのではないかと気づかされました。この小説は何かと感染症について話題が集まる今、再度話題となっているようです。医師を志してからは、内科を選ぼうかとも考えたのですが、未来ある子どもを診察したいという思いが高まり、小児科を選びました。

今後クリニックで取り組んでいきたい治療などはありますか。

食物アレルギーの患者さんも増えています。食物アレルギーは血液検査をして、アレルギーの原因を突き止めるわけです。けれども、アレルギーの原因物質がわかったからといって「食べなければいい」というわけではありません。最近では、少しずつでも食べられるようにしていき、徐々に体に慣らしていくほうが、将来的には効果的だと考えられています。どれくらいの量を食べるとアレルギー症状が出るのかなどを確かめる経口負荷試験を行い、正確に症状を把握することが重要です。ただ、個々人で症状も異なりますから、経過を見て慎重に進めなくてはなりません。負荷試験に携わる人材も必要ですので、今すぐに導入するのは難しい部分もありますが、検討すべき課題の一つだと思っています。

読者や近隣の方々へメッセージをお願いします。

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アレルギー疾患はもちろん、感染症で来院されるお子さんも多数います。どんな病気も、治療すればすぐに治るというわけではありませんし、根気よく通わなくてはならないこともあります。治療法や今後の見通しを含め、わかりやすくお伝えしていきたい。スタッフとフォローし合い、さらなる連携を図っていきます。前院長の竹迫先生は、「子どもファースト」の精神を重視され、腹部エコー検査でおなかの症状を丁寧に診察し、お子さんや親御さんとのコミュニケーションを活発に図っていらしたと聞いています。親しみやすいクリニックの雰囲気を受け継ぎながら、アレルギー疾患の治療を中心に、相談しやすく、患者さんが「わくわく」して訪問できるクリニックづくりをめざします。

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