日米両国の学びを還元
再生医療の知見も生かしたインプラント治療
高田歯科口腔外科医院
(高松市/端岡駅)
最終更新日:2025/02/12


- 自由診療
審美性、機能性、耐久性など、患者にとっては多くのメリットを持つインプラント治療。歯を欠損した場合の治療選択肢として、その注目度は高まる一方だが、高額な費用に見合った治療が受けられるかどうかは、歯科医師次第であることもまた、否定はできない。「高田歯科口腔外科医院」の高田匡基院長は、松本歯科大学病院に10年間在籍する傍らで、インプラント治療など数々の外科治療を手がけてきた口腔外科診療のスペシャリスト。その研鑽の場は日本にとどまらず、海を越えたアメリカにも赴きながら、国際基準のスキルやテクニックを今なお、学び続けている。インプラント治療の難しさとは、どこにあるのか。グローバルな視点で捉えた時、日本のインプラント治療にはどのような問題点があるのか。2つの国を股にかける高田院長に話を聞いた。
(取材日2024年7月1日)
目次
基本を大切に、基本に忠実に。適切な方法で適切な治療を進める
- Qインプラント治療は、誰でも受けられるものですか?
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A
▲インプラント治療は専門家に相談を
糖尿病や心疾患といった全身疾患の既往があり、手術に耐えられない状態でなければ、ほとんどの方が受けられるものです。ただし、治療後にトラブルを抱える人が一定数いらっしゃる治療法でもあります。最近では、インプラント体にかぶせる人工の歯がすぐに外れてしまうケースや、術後数年でインプラント体がぐらつくようになり、除去手術に進んだケースもあったようです。インプラント治療は、何よりも最初の設計、治療計画が重要です。当院では日本とアメリカで研鑽を積んだ歯科医師が、適切な方法で適切な治療を進めます。初めてインプラント治療を受ける方はもちろん、トラブルを抱えてお困りの方にこそ、ご相談いただきたいと思っています。
- Q難しい外科手術にも対応しているそうですね。
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A
▲場合によっては、付加的な手術も行う
インプラント治療では、顎の骨に埋め入れたインプラント体を土台として、人工の歯を固定します。そのため、歯周病などによって顎の骨が少なくなっていれば、骨を増やすための手術を併用しなければなりません。骨造成手術で最も代表的なものは、人工の遮断膜で骨が足りない箇所を覆った後に、患者さん本人の骨(自家骨)や人工骨を充填することで骨の再生を促す、GBR法(骨再生誘導法)です。また上顎の骨が足りない場合には、鼻の左右裏側に位置する空洞に横から穴を開けたり、その粘膜を垂直に押し上げたりしながら、自家骨や人工骨を補填します。当院は、このような専門的な知識と高度な技術が必要とされる付加手術にも、対応が可能です。
- Q骨だけでなく、歯茎の再生を促すこともあると聞きました。
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A
▲オペ室では歯肉の移植術にも対応
インプラント治療の過程では、FGG(遊離歯肉移植術)のような歯肉を増やす目的での手術も行います。インプラント治療を行う歯科医院は多いですが、歯肉の移植術に対応しているところは限られるかもしれません。移植が必要になるのは、歯の喪失などによって、歯肉が痩せてしまっているケースです。歯肉には可動性を持つ「遊離歯肉」と可動性を持たない「付着歯肉」があり、FGGでは上顎から遊離歯肉の組織を採取することで、付着歯肉を獲得します。治療の流れとしては、埋入手術によってインプラント体と顎の骨を結合させた後に、人工歯をかぶせるための部品を取りつける手術を行いますが、FGGはこの二次手術の際に行うことが多いです。
- Q先生のインプラント治療のキャリアはどれくらいになるのですか?
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A
▲インプラント治療では、再生医療の知見を役立てる
15年ほどになるでしょうか。大学病院時代には、インプラント治療を行えるだけの骨がなく、腰の骨から移植するような重篤な症例も経験してきました。それと同時に研究を続けていたのが、再生医療です。私は現在でも定期的にアメリカへ足を運びながら、世界中の講師のもとでインプラント治療や再生医療を学んでいます。先ほどお話しした、骨や歯肉を増やすための手術を併用する際にも、その知見を役立てています。骨や歯肉を含めた歯周組織の再生を促す、歯周組織再生療法を適用する際も同様です。誠実な処置を通じて、患者さんの健康と幸福をサポートするためには、世界標準の医療の知識や技術の習得が欠かせないと考えています。
- Q日本とアメリカのインプラント治療の違いを伺いたいです。
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A
▲個々の状態に合わせて設計を立てた上で、最良の結果をめざす
日本では、スペシャリスト以外の歯科医師もインプラント治療を提供しているというところが、最も大きな違いだと思います。アメリカの場合は、この治療について専門的に学んだ歯科医師がインプラント治療を提供することがほとんどなのですが、日本の場合は、そうではないことも多いのです。歯科材料の選定にも、違いが見られます。歯科治療に使用する材料は数多くあり、海外の歯科医師はそれぞれ違うものを選んでいますが、日本では大多数の歯科医師が同じものを使用しているといわれています。私は一人のスペシャリストとして、患者さん一人ひとりにとってベストな設計を立てた上で、最良の結果を得るための工夫や努力を続けていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1歯)/16万5000円~38万5000円、GBR法/5万円〜(※材料価格により大きく変動)、サイナスリフト/25万円〜(※材料価格により大きく変動)、ソケットリフト/5万円〜(※材料価格により大きく変動)、FGG/4万4000円〜、歯周組織再生療法/8万円〜
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。