阿部祐明院長の独自取材記事

氷川台たんぽぽ歯科クリニック

(練馬区／氷川台駅)

最終更新日：2024/07/17

氷川台駅から北西方向へ徒歩2分の場所にある「氷川台たんぽぽ歯科クリニック」。阿部祐明院長を含む3人の歯科医師が、一般歯科、小児歯科、矯正歯科、インプラント治療、口腔外科まで幅広く対応する。歯科衛生士による定期的なメンテナンスにも力を注ぎ、診療前のカウンセリングでは、考えられる治療方法とメリット・デメリットを提示することはもちろん、期間や費用についても詳しく説明する。検査や説明のための撮影といった口腔内のビジュアル化に力を入れているのも同院の特徴だ。明るく話しやすい阿部院長に、同院の診療や歯科医院づくりへの思いなどについて話を聞いた。

（取材日2024年4月27日）

3人の歯科医師の専門性を生かした、総合的な歯科診療
秩序を基本にスタッフの個性を引き出す歯科医院づくり
今日も、10年後も、ずっと笑顔でいられる治療を

3人の歯科医師の専門性を生かした、総合的な歯科診療

こちらではどのような診療が受けられるのでしょうか？

当院は、虫歯や歯周病、インプラント、矯正、口腔外科まで、年齢を問わず歯や口の悩みに幅広く対応するクリニックです。矯正中でも虫歯を治療できますし、CTも完備してるため、難しい親知らずの抜歯や嚢胞の摘出、歯周外科にも対応しています。もちろん、ただ「幅広い」だけではなく精密な治療を心がけています。その一つができるだけ歯を削らない治療。例えば虫歯を削って詰め物やかぶせ物をする際に、「極力削らず、薄くかぶせる」ことと「歯や補綴物の強度を保つ」という一見すると相反することを、削り方や接着技術によって可能にしています。もちろんこれは私一人でできることではありません。当院に在籍している3人の歯科医師がそれぞれの専門性を持ち寄って、幅広い症状に経験に基づいた対応をできることが当院の強みです。またすべて完全個室で、リラックスして治療を受けていただけます。

3人の歯科医師の専門性が、精密な歯科治療を可能にしているのですね。

そのとおりです。私のもともとの専門は口腔外科で、そこで得た知識はインプラント治療にも大いに役立っています。矯正も専門性を要する治療ですが、当院で担当するのは矯正専門の歯科医師。歯並びだけでなく、顎と歯の大きさのバランスや噛み合わせまでしっかりと確認しながら治療を行います。また2023年より診療に加わった駒形先生は、歯科業界誌にも多数の論文を掲載する補綴治療のスペシャリスト。特に補綴物の接着に関して豊富な知識と経験実績があります。現在は九州歯科大学の研究チームの一員として、国内に新たな補綴治療を導入する準備を進めているんですよ。三者三様、専門分野が異なるからこそ、クリニック全体としての視野・視点や診療範囲が広がるんです。

その他、力を入れていることがあればお聞かせください。

検査や説明のための撮影、口腔内のビジュアル化に力を入れています。検査でも、たった1枚のエックス線画像でわかることには限りがありますからね。角度を変えて細部まで撮影しますし、口腔内写真も必ず撮ります。必要に応じてCTも使用します。その画像を見るだけでもインパクトがあるようで、口の中の様子に驚かれる患者さんも多いです。当院では治療前や後だけでなく、治療中にも写真を撮るんです。「どのような状態で、どのような治療をしたのか」を患者さんにきちんとお見せしています。また当院では、歯科医師だけでなく歯科衛生士もメンテナンスの際に拡大鏡を使用します。患者さんのお口の中をしっかりと「見る」ことで、治療やクリーニングの質の向上につなげています。

秩序を基本にスタッフの個性を引き出す歯科医院づくり

スタッフの皆さんのホスピタリティーが素晴らしいですね。

ありがとうございます。フレンドリーで親切だけど、引くべき一線はしっかり引いた節度のある接遇をしてくれるので、私もリスペクトしています。患者さんのために、そして仲間のために、自分たちがどう動くべきかをいつも考えてくれているんですよ。個性豊かでありながら、「自分以外の誰かのために」という芯の部分は全員に共通しているんですね。私はよく、気配りでフォローし合うみんなの様子を「思いやりが渋滞している」と表現しています。歯科医院づくりにおいては、そうした組織の一体感を大切にする一方で、ミーティングやワークショップを通じて一人ひとりの主体性を引き出すことも重視してきました。どうすれば患者さんにとってより良い歯科医院になるか、年次や年齢に関わらずおのおのが自分の意見を発信し合う中で、みんなが「自分事」として歯科医院の未来を考えてくれるようになったと感じています。

組織としての秩序と自由さが、良い具合に混在しているのですね。

私は体育会系のバレー部の出身で、原点にあるのはバリバリの体育会系的な思考です。といっても時代錯誤な指導の在り方などを言っているわけではありません。多様な人が一つの場所で働くにあたって、最初から一人ひとりのスタイルや考え方に委ねてしまうと、組織としてのまとまりが得られませんよね。共通の目標を持ったメンバーが、リーダーシップのあるトップのもとで体系的に動く。その上で、一人ひとりが自分らしさを発揮する。スタッフが個性を発揮するための基盤として、体育会系の部活の規律性があるイメージです。私は「運」と「縁」でここまで来ました。開業当初は思うようにいかないこともありましたが、「運」と「縁」に導かれて今のメンバーや当院のスタイルにたどり着けたのかもしれません。

自由さと柔軟さは、どこで身につけられたのでしょう。

東京で最初に勤務医として配属された歯科医院が商店街の中にあり、お子さんからご高齢の方まで年齢層もさまざまで、これぞ地域密着型歯科医院という感じだったんです。そこで初めて「スクラムを組んで、人情で、助け合って」という体育会系の方針ではなく、「個々の思いを尊重して、患者さんとの接し方や時間の使い方を任せる」という方針にふれました。それがきっかけで、双方の良いところを取ったハイブリッド型の歯科医院をつくりたいと思うようになったんです。そのような経験があって、この歯科医院を開業するにあたり、今のような考え方で経営に乗り出しました。

今日も、10年後も、ずっと笑顔でいられる治療を

診療の際は、どのようなことを大切にされていますか？

その場しのぎの提案ではなく、未来を考えた提案をすることを大切にしています。今日の診療後も、そして10年後も、ずっと笑顔でいてもらうための治療とは何かを追求するということですね。例えば、今1つの治療をすることで、しばらくはご飯がおいしく食べられるように導けるとしましょう。しかし経済的な負荷が大きかったり、10年後には別の歯に問題が起きたりすると、患者さんはいずれ笑顔でいられなくなるかもしれません。目の前のメリットを取るのが患者さんにとってベストなのか、それともデメリットの大きさを考えて別の選択をすべきなのか。とことん考えることが私の役割だと思っています。お口の中はもちろん、ライフスタイルや通院できる曜日、歯科治療にかけられる予算、治療のゴールまで、患者さんを取り巻く状況は一人ひとり違います。常にそれぞれの患者さんにとってより良い治療をめざし、そのための努力は惜しみません。

今後、取り組みたいことがあればお聞かせください。

患者さんが新たな虫歯に悩まないような情報提供やアドバイスをする、いわば「歯のコンサルティング」に取り組んでいきたいですね。当院では今も口腔内のビジュアル化やブラッシング指導を通じて情報提供には力を入れていますが、それをもう一歩進めたものです。コンサルティングを数段階に分けて行ったり、メッセージアプリで数年前からの歯の経過を見られるようにしたりと、すでにその実現に向けてシステムの導入に動いています。せっかく来院してくださったのに、治療して「はい、終わり」ではもったいないですからね。患者さんの歯の性質や現在の状況、将来的な希望なども伺いながら、その思いに寄り添える歯科診療や情報提供をしていきたいと考えています。

最後に、患者へメッセージをお願いします。

当院に来院した患者さんから、「雰囲気が良い」「また来たくなる」と言っていただくことがあります。治療やケアで真摯に患者さんと向き合っていることもそうですが、歯科医院のあちこちに生かされているスタッフのアイデアも良い印象につながっているのかもしれません。来院される際には、イラストの得意なスタッフが描いたボード、季節ごとに変わる壁の絵画、一つ一つ違う個室の雰囲気なども楽しみにしていただけたらうれしいです。長く続いていく人生に並走できる歯科医院でありたいと思っています。どんなことでも、気軽にご相談ください。