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宮城 長靖 院長の独自取材記事

みやぎクリニック

(さいたま市緑区/浦和美園駅)

最終更新日:2019/11/12

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埼玉高速鉄道線の始発・終着駅として知られる浦和美園駅。駅が開業した2001年から周辺地域の街づくり事業が本格化。ここ数年で急速に宅地化が進みつつある。その一角で、2018年5月「みやぎクリニック」は開業した。「何でも相談できる地域のかかりつけ医」をめざす院長の宮城長靖先生は、訪問診療に主力を注ぎながらも、完全予約制で外来診療にも対応。宮城院長と長年の親交があり、経験豊富な医師やスタッフが、24時間365日体制の診療に努めるクリニックを支えている。2020年4月には、クリニックを現在地近くに新築移転、2階建てにし、十分な駐車スペースを備える計画もあるという。終始インタビューに優しく応えてくれた宮城院長の言葉の端々からは、医師としての正義感や情熱が伝わってきた。
(取材日2019年8月29日)

患者一人ひとりに真摯に向き合う姿勢を大切にする

まずは先生のご経歴をお聞かせください。

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信州大学医学部を卒業した後、総合病院や救急病院で外科の経験を積みました。もともと開業をめざしていましたので、救急病院では内科や精神科などの診療にも携わり、総合的に勉強して対応できる科目を広げました。そうした経験を生かして訪問診療が中心のクリニックで診療部長を務めたことが、開業の糸口になりました。日本の医療制度では、専門性を追求することに重点が置かれがちですが、それは私がめざす医療の姿ではないんです。患者さん一人ひとりに向き合い、さまざまな角度から疾患にアプローチして治療していくことにやりがいを感じてきました。そんな診療ポリシーを実現するために開業を決意し、必要なスキルを身につけてきたのです。

手本とされた先生はいらっしゃいますか?

病院勤務時代に出会った外科の先生です。病院だけでなく患者さんのご自宅も訪問して診療されていたことに感銘を受けました。当時70歳近い年齢であったにもかかわらず、必要であれば病院からでも自宅からでも休日を返上して出向き、患者さんが健康を回復されるまでしっかり見届けていらっしゃったのです。私は時々病院に置いてきぼりになりましたが、先生のことをとても尊敬していました。訪問診療に目を向けるきっかけとなったのは、その恩師との出会い。私自身、「患者さんのために必要なことは何か」を常に考え、真摯な態度でお一人お一人に向き合いたいと思っています。

なぜこの地域で訪問診療を始められたのですか?

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浦和美園駅周辺では、長年都市開発が進められています。ここ数年は宅地開発も盛んで、幅広い年齢層の方がお住まいです。自宅も近くですので、地域に密着した“かかりつけ医”をめざし、2019年5月にこの場所で開業しました。訪問診療に主力を注いでいるのは、通院が困難になられた方でも、住み慣れた家で日常的な診療・健康管理を受けられるようにして差し上げたいと思ったから。患者さんご自身にもご家族にも、遠慮なく相談してもらえる環境づくりに努めています。私は、大病院で治療を受けることが最も良い選択肢とは限らないと考えています。家で可能な限りの治療を受けるほうがプラスになる場合もあるのではないでしょうか。加えて、訪問診療でできること、できないことを見極めることも大切だと考えています。

経験豊富な医師とスタッフが一丸となって患者を支える

診療形態や診療科目について教えてください。

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訪問診療のエリアは半径16キロ圏内で、さいたま市緑区、越谷市、春日部市、川口市など。ご家族以外に、ケアマネジャー、病院、サービス付き高齢者向け住宅、老人ホームなどからお問い合わせいただいています。できる限り24時間365日体制で臨むよう努めていますね。浦和美園駅から徒歩数分という通院しやすい立地なので、訪問診療と並行して外来診療も実施。完全予約制となり待ち時間もあまりないため、患者さんからも喜んでいただいています。診療範囲は幅広く、一般内科はもちろん、対応可能な範囲で外傷の治療などの外科処置も行っています。精神科を含め幅広く診療することで、地域の皆さんのニーズにきめ細かく応えていきたいのです。精密検査などが必要な場合は、情報提供書を作成の上、近隣の病院と連携して対応しています。

訪問診療を支えるスタッフさんの体制は?

私以外に、以前同じ病院に勤めていた医師、週末オンコールに対応してくれる2人の医師が在籍。今年の9月から女性医師も加わる予定です。加えて、病院勤務で経験を積んだ看護師や医療事務スタッフが支えてくれています。診療内容に応じて、医師とスタッフがチームを組んで訪問。患者さんの情報を全員で共有するとともに、ミスを防ぐために、互いに声をかけ合ったり、ダブルチェックを行ったりするよう心がけています。スタッフとは付き合いも長く、何でも話せる関係です。診療を効率的に進めることができるのも、経験豊富なスタッフが患者さんとの架け橋になってくれているから。訪問先に明るい雰囲気や安心感をお届けし、患者さんとご家族に笑顔になっていただければ幸いです。当院の相談室では、訪問診療や外来受診について、医療コーディネーターが相談に乗ります。費用や生活全般のことなど、お気軽にご相談いただきたいですね。

ご家族と接する際、どんなことを大切にされていますか?

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「話を聞く」ことです。ご本人の診療だけでは見えてこないこともあります。ご家族のお話を聞き、表情を見ることで、多くの情報をキャッチすることができるのです。介護をされるご家族は日々不安を抱えておられますが、「話す」ことで気分が晴れ、落ち着きを取り戻されることも多いですね。訪問診療のメリットは、診察室だけではわからない生活環境を見ることで疾患の原因を探れること、そして、ご家族の負担を減らせること。介護についての悩みを抱えている方も多くいらっしゃることでしょう。悩みは一人で、また家族で抱え込まず、私たちに相談してほしいですね。こんな診療形態があることを知っていただきたいと思います。

体制を整え、さらに地域医療に貢献することをめざす

訪問診療と外来診療、それぞれどのような患者さんを診ていらっしゃいますか?

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訪問診療の場合は高齢の方、歩行が困難な方、認知症やがん末期の患者さんなどが多いですね。認知症の方の場合、付随する精神症状のコントロール、持病の糖尿病や高血圧などの治療など、幅広く診療。また、ご自宅でご家族に見守られての看取りを希望される方もいらっしゃいます。その場合、在宅でできる限りのケアをさせていただいています。一方、外来診療は完全予約制にしているため、急患は少なく、中高年の生活習慣病の患者さんが中心ですね。症状が安定しているようなら、継続してお薬を処方。大きな病院とは違い、待ち時間が短くて済むことが小さなクリニックならではのメリットなのではないでしょうか。他に、ケガをされた方の処置も行っています。訪問診療で不在の場合は、他のクリニックにご紹介するようにしていますね。

患者さんとの印象的なエピソードをお聞かせください。

以前勤めていた病院で膵臓がんを患うご年配の方を診ていました。私が開業することを伝えると、「訪問診療で診てくれないか」と言っていただき、夜中も朝も点滴に通いました。最期は苦しまず、親戚の方が見守る中で亡くなられたのですが、「非常に満足しています」とおっしゃってくださいました。亡くなるタイミングは予測できませんが、患者さんの状況を丁寧にお伝えし、覚悟を決めていただく必要もあるではないでしょうか。また、肺がんを患い、身寄りがなく一人暮らしをされている方の訪問診療にも伺いました。緊急入院が必要になり、何とか親戚を見つけて対処したこともあります。最期は「ありがとう」と感謝の言葉をいただき、私自身勇気づけられたことを思い出しますね。

今後どのような展望をお持ちですか?

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最近、ポータブルエックス線、エコー、心電図を新たに導入。それに伴い、訪問診療の際に行える治療の幅が随分と広がりました。例えば、点滴を通して栄養補給を行う必要のある患者さんのために実施する、中心静脈カテーテル挿入などの処置が訪問診療でも行えるようになりました。また、通常病院で行うような検査も実施することができます。2020年4月には、クリニックを現在地近くに新築移転。2階建てにし、十分な駐車スペースも確保する予定です。居宅にしても、老人ホームなどの施設にしても、訪問診療のニーズは高くなる一方。地域医療に貢献すべく、スタッフ一丸となって体制を整えていくことをめざしています。

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