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中村 正則 院長の独自取材記事

戸越銀座なかむら整形外科

(品川区/戸越銀座駅)

最終更新日:2026/06/10

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科 main

東急池上線・戸越銀座駅より、戸越銀座通りを歩くこと2分。「戸越銀座なかむら整形外科」院長を務める中村正則先生は、大学病院で長年にわたり外来診療と後進の教育に携わってきた。同院では専門である股関節疾患をはじめ、整形外科全般の悩みを抱える患者を中心に日々向き合っている。何より大切にしているのは、患者が今まさに直面している痛みやしびれといった症状の訴えにしっかり耳を傾けること。活発な会話の中から病態のヒントを探り出し、検査機器のデータと併せ、適切な診断に向けて地道に歩を進めていく。リハビリテーションも一人で担い、患者の回復を全力でサポートしているという中村院長に、開業から現在までの診療スタンス、大学病院との連携体制などについて語ってもらった。

(取材日2026年5月11日)

患者とじっくり話し、訴えの中から診断のヒントを探る

開業から8年ほどたちましたが、診療内容について教えてください。

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科1

私は整形外科の中で股関節を専門にしていて、開業するまでは大学病院で股関節疾患への先端医療に携わっていました。ですが、この8年間は専門という枠を超え、整形外科の患者さんを全般的に診ています。整形外科では骨や筋肉といった運動器で起きたケガや病気の診療を行うため、扱っている範囲はとても幅広いです。腰痛、膝痛、首の痛みや肩凝りはもちろんのこと、手足のしびれや痛み、股関節だと変形性股関節症や寛骨臼形成不全症、そのほか関節リウマチや骨粗しょう症など、挙げればきりがありません。大学病院ではどうしても時間に追われるところがありましたが、このクリニックでは患者さん一人ひとりとじっくり向き合う余裕があり、診療する立場としてうれしく思います。

幅広い診療対象の中で、どのような訴えの患者さんが多いですか?

どれか一つに絞るのは難しいですが、近年は扁平足や外反母趾の悩みで来られる方が目立ちますね。扁平足はもともとの体質に起因するところが大きいほか、中年以降の筋力の低下によっても起こります。少し痛みが出ても我慢してしまうためか、皆さんあまり医師に相談しないようです。なので、歩行に支障を感じるくらい進行してから受診される方が目立ちますが、できればもっと早く来てほしいと思います。外反母趾などもそうですが、重症化を避け、少ない負担でつらい痛みを緩和するためにも、早期に整形外科で治療することをお勧めします。「整形外科は大きなケガでもしないと行かない所」などと思わず、痛みや腫れに気づいたら気軽に来てほしいですね。

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科2

患者さんとよく話すことですね。当院は整形外科のほかにリハビリテーション科と泌尿器科も掲げていますが、あえてリハビリテーション担当の理学療法士などは置かず、整形外科の患者さんの診断から治療、リハビリテーションまでを私一人で受け持っています。なので自然に患者さんとの会話が増え、痛みの様子について以外にも、仕事や家庭生活での不便についてなど、踏み込んだ話をしていただけることもあります。診断を行うには、検査によってその方の体を客観的に調べるプロセスが欠かせませんが、私の考えでは、それ以上に患者さんの訴えが重要です。一日の中でいつ痛いのか、何をする時が一番痛いのかなど、ご本人の体験してきた症状にじっくり耳を傾けることが、正しい診断、正しい治療選択につながると思っています。

リハビリテーションで患者自身のやる気を引き出したい

患者さんとの会話が診断に役立ったケースはありますか?

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科3

例えば腰部脊柱管狭窄症の患者さんを診る際に「腰を丸めて歩いてみてください」と言ったりします。この病気は腰の骨が変形して神経を圧迫するため、歩くと脚に痛みが出るのですが、腰を丸めて休むと楽になることが多いんですね。なので、腰を反って歩いた場合と丸めて歩いた場合、後者のほうが楽であれば腰部脊柱管狭窄症を疑う根拠になるわけです。これはただの会話というよりも一種の検査とも捉えていますが、ポイントを押さえた質問に答えてもらうことで、診断の糸口が見つかる例はたくさんあります。

クリニックで行っているリハビリテーションについて教えてください。

まず患者さんに知っていただきたいのは、整形外科で治療するケガや疾患は、例えば手術をした場合であっても、それだけですっきり治るものではないということです。手術の後、あるいは他の治療と並行して適切なリハビリテーションを継続的に行い、筋力強化をして初めて治ったといえる状態に持っていけるわけです。またリハビリテーションがどれくらいあったか、物理療法を受けてどうだったかによって患者さんの状態をある程度判断できるので、その点でも整形外科におけるリハビリテーションは重要です。当院は診察室から独立したスペースに、低周波療法や温熱療法のための装置のほか、けん引装置やウォーターベッドなども備えています。診察時以上にリハビリテーション室で会話が弾めば、その日の患者さんの調子を診る際にも役立つでしょう。

運動指導にも力を入れているそうですね。

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科4

はい、体操で腹筋や背筋を鍛えてもらっています。運動は患者さんご自身のペースを大切にしながら取り組んでいただくものです。運動法を教えて差し上げることはできますが、その場で少し体を動かす程度では不十分なので、なるべく普段の生活でも実行してほしいですね。私が意識しているのは、リハビリテーションの初期段階からの可動域の広がりなどの変化を丁寧にお伝えすることです。ご本人が一番実感されている部分ではありますが、あえて言葉にして共有することでやる気につながると考えています。運動はどうしても多少のきつさを伴うので、ついおっくうになるのも仕方がないですが、すべてはご自身が活動的な生活を送れるようにするためですから、焦らず着実に、効率的なリハビリテーションを続けてほしいです。私も患者さんのやる気が続くよう、お手伝いします。

基幹病院とスムーズに連携し高度医療への期待に応える

大学病院などと連携することも多いですか?

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科5

はい。かつて私が学んで、勤務経験も長い昭和医科大学には懇意にしている先生方がいるので、必要とあれば脊椎や手の外科など各専門の先生とメールで直接やり取りした上で、患者さんを紹介しています。私は大学病院の勤務時代から、患者さんに最も身近な地域のクリニックと、より高度な医療を担う基幹病院の連携が非常に大切であると感じていました。その私がクリニックに職場を移して8年。地域医療における自分の役割は常に意識してきましたし、これからもスムーズな病診連携で、患者さんの期待に応えたいです。

ところで、なぜ泌尿器科も標榜しているのですか?

このクリニックは私の大学の先輩が開業していた整形外科を承継して今の姿になったのですが、以前から週1日だけ泌尿器科の診療を行っていたので、通っていた患者さんの都合を考え、リニューアル後もそっくり引き継ぐことにしたのです。現在は毎週2日のほか、土曜日も月2回を泌尿器科の診療にあてていて、それぞれ専門の先生に担当してもらっています。ここは商店街として有名な戸越銀座通り沿いに位置していて、近隣に暮らす皆さんにとっては日常的に利用しやすいクリニックですから、泌尿器科を存続させる意義は小さくないのではないかと思います。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

中村正則院長 戸越銀座なかむら整形外科6

今は情報化社会とされるように、昔では考えられないほど大量の情報を簡単に集めることが可能です。医療も例外ではなく、病気や治療について、ちょっと検索すれば詳細なデータや解説にふれられます。ご自身の健康に関わることについて知りたいと思うのは当然ですが、手軽に手に入る情報の一部だけを切りとり、「自分はこの病気に違いない」「この治療が良さそう」などと早合点するのは危険です。また、医療機関以外で体のケアを受ける機会もあるかと思いますが、状態に応じた適切な判断や診断が伴わないまま対応を受けてしまうと、かえって症状が長引いたり、悪化してしまうケースも考えられますので注意が必要です。
何か気になることがあれば、まず専門の医師にご相談ください。診察室の椅子に座ると、つい気兼ねして質問しづらいという方もいらっしゃいますが、わからないことはどんどん聞いてください。