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森 吉寛 院長、高田 めぐみ 先生の独自取材記事

彩の森 草加クリニック

(草加市/谷塚駅)

最終更新日:2025/12/12

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック main

2018年に開業した「彩の森 草加クリニック」は、腎臓内科と透析治療を専門としている。院内は待合や診察室、手術室、透析室など、すべてのスペースがバリアフリー設計。車いすはもちろんストレッチャーも余裕を持って通れるように空間を確保。インテリアはナチュラルウッドカラーをメインに、清潔感を優先しながらも落ち着いた雰囲気でまとめられ、ゆったりした気分で透析治療を受けられるようになっている。温かく朗らかな人柄が印象的な森吉寛院長は、総合病院などで症状の重い腎臓内科の患者を長年担当し、技術力を要するというシャントの処置も得意。2025年4月からは草加出身の高田めぐみ先生も診療に加わり、より多くの患者を受け入れられる体制が整った。同院の診療方針や特徴について、2人に話を聞いた。

(取材日2025年4月21日)

シャントの日帰り手術が可能

始めに、開業までの経緯を教えてください。

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック1

【森院長】以前から、いつかは開業をと考えていました。私は春日部の秀和総合病院での勤務が長かったのですが、草加エリアの患者さんが当時たくさん来院され、ご自宅近くで透析ができる施設が少ないという話を伺っていました。今は草加市立病院も透析をされていますが、やはり草加南部エリアは透析施設の空白地帯の場所がありますから、なじみのあるこのエリアの患者さんのお役に立つことができればとの思いで、この地に開業させていただくことにしました。

広くてきれいな透析室ですね。

【森院長】全体として、清潔感を保ちつつも落ち着いた空間づくりをしようと心がけました。「病院で治療」というイメージを少しでも払拭できていると良いなと思います。各透析ベッドにはテレビも付属しておりますし、患者さんが読書やお昼寝など思い思いの時間を過ごせるようにしました。空間が狭いとどうしても患者さんは閉塞感から緊張しがちですから、少しでも安心して治療を受けていただけるよう、透析室や診察室、手術室など、すべての空間をゆとりを持たせてつくってあります。特に手術室は、例えば不安が強い患者さんの場合、処置をしない手をスタッフが握っておしゃべりしながら、といったこともできるよう広い空間にしてあります。

こちらでは、シャントの日帰り手術ができるのですね。

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック2

【森院長】透析治療の中でも、特に欠かせないシャントに関して知識や経験、技術力を持った医師が足りていない状況にあります。透析治療において課題となるのは、シャントに何らかの問題が生じた時にいかに早く発見し、正しく処置をするかということです。シャントが潰れてしまう前に発見できれば、血管を拡張させるために風船を用いるPTA(経皮的血管拡張術)という処置をすることができます。もちろん何らかの問題が発見されても従来のシャントが利用できれば経過を注意深く観察していきます。当院では、こういった一連の処置・手術を、透析室から直接つながっている手術室で迅速に対処できるようにしています。

専門性が必要とされる腎臓の悩みは、腎臓内科に相談を

腎臓内科の診療にも力を入れているのですね。

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック3

【森院長】最近は、腎臓の数値をコントロールために使える薬の選択肢が以前よりも増えました。透析までの期間を延ばす、あるいは透析を必要とせずに人生を送ることも可能になってきているので、早めに相談していただき、その方に合った薬の服用や生活習慣の改善に取り組んでいただきたいと思います。ただ、腎臓の診断・治療には、緻密なデータ分析や薬のやりくり、経過観察などの専門性が必要とされます。そのため、一般内科では十分な治療ができない場合が多いです。生活習慣病を持っている方や、健康診断で尿タンパクが陽性となった場合には、腎臓内科にかかることを強くお勧めします。これまで、当院では診療に関することを私1人ですべて対応していたのですが、2025年4月から高田先生も診療に加わったことで、これまで以上に多くの患者さんを診られるようになりました。

高田先生は、草加のご出身だと伺いました。

【高田先生】はい。私はここ草加で生まれ育ち、草加市立病院の腎臓内科でも6~7年ほど勤務していました。草加市立病院時代にシャント手術や指導でいらしていた森院長と知り合い、当院が開業してすぐに非常勤医師として約4年間働きました。その後、家族の都合で2年半ほどアメリカで暮らしていたので、新たに加わったというよりは、ここに戻って来たという感じですね。当院は患者さんとの距離が近く、中には「お帰りなさい」と言ってくださる方もいて、またここで働けることをうれしく感じています。この地域は腎臓内科や透析治療を行っているクリニックが少ないため、診療を通じて地域医療に貢献していきたいです。
【森院長】高田先生の患者さんに対する誠実な対応に魅力を感じて、仲間に加わってもらいました。私は透析が必要にならないための治療を心がけていますが、そうした認識も共通しています。

診療の際に心がけていることはありますか?

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック4

【森院長】かつて恩師が私にくれた「名医より良医たれ」という言葉を大切にしています。患者さんから何でも気軽に話してもらえる医師でありたいです。一見、何でもない不定愁訴のようなことでも、私に話すだけで安心していただけるのならそれに越したことはありませんし、丁寧にご説明することで納得していただくこともできます。私は精神的な安定は心身の安定につながると思っています。透析治療にとって、それはとても重要なことです。それに透析は週に3回行わなくてはなりませんから、患者さんによってはお孫さんよりも私に会う機会のほうが断然多いわけです。ですから、話しやすい環境をこちらから積極的につくるべきだと考えています。スタッフにも同様のお願いをしていますが、患者さんの個性を考え、節度と敬意を持って接するようにとも伝えています。

高田先生はいかがでしょうか?

【高田先生】患者さんが症状や悩みを話しやすい雰囲気づくりを第一に、診療におけるコミュニケーションを大切にしています。安心していただくためにも患者さんとは必ず目を合わせてお話しするようにしていますし、高齢で耳が遠い方に対しては、大きな声でゆっくりはっきりと声をかけるように心がけていますね。中には「耳が遠いからどうせわからない」と諦めてしまっている方もいるのですが、こちらから積極的に働きかけることで、患者さんにも「話してみようかな」という気持ちになってもらえたらと思っています。

海外旅行も妊娠も、透析で諦めない。何でも相談を

スタッフの皆さんも優しい方ばかりです。

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック5

【森院長】当院のスタッフは、幸運にも経験豊かな人たちが集まっています。しかも研究活動にも意欲的で、向学心が旺盛な人ばかりです。ですので私が処置や手術、エコー検査などを行うときは必ず一緒に担当するようにして、注意点や課題、患者さんお一人お一人異なる特徴などの情報を常に共有し、問題点は一緒に検討するようにしています。そうすることでスタッフ全体のスキルアップ・モチベーションアップにつながりますし、緊急事態にも迅速に対処することが可能になりました。

健康法やリフレッシュ法はありますか?

【森院長】健康法というより趣味なんですが、週に4~5日ジムに通って筋力トレーニングをしています。大学時代は空手。その後スノーボードにはまり、シーズンオフの活用法として筋力トレーニングを始めたのですが、これが楽しくなってしまいました。負担が少ないトレーニング方法もあります。ご相談いただければ患者さんに合った手軽な運動をご指導します。
【高田先生】アメリカでは仕事から離れていたので、今はまた仕事ができることに喜びを感じています。仕事が休みの日には子どもたちと出かけることが多いですね。たまの1人時間には音楽を聴いたり映画を見たりして、気持ちを切り替えています。

読者や透析患者さんへのメッセージをお願いします。

森吉寛院長、高田めぐみ先生 彩の森 草加クリニック6

【森院長】腎臓というと内科にひとくくりにされがちですが、目は眼科、鼻は耳鼻咽喉科と専門が分かれているように、腎臓は腎臓内科でないとわからないことがほとんどです。腎臓に不安がある場合にはいつでもご相談ください。また、透析患者さんの中には、透析があるから旅行はできない、妊娠も無理とお考えの方が少なからずいらっしゃるようです。透析だから諦める必要は何もありません。ただ、準備に時間のかかることもありますので、必ず早めにご相談ください。一緒により良い方法を考えていきましょう。

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