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後藤 健 院長の独自取材記事

後藤けんクリニック

(福岡市中央区/赤坂駅)

最終更新日:2023/07/18

後藤健院長 後藤けんクリニック main

地下鉄空港線赤坂駅から徒歩5分、那の津通り沿いのビル2階にある「後藤けんクリニック」は、泌尿器科をはじめ、糖尿病内科、内科を標榜し、快適な空間で診療を受けることができる。排尿障害など泌尿器疾患全般の治療はもちろん、前立腺がんや膀胱がんなどの悪性疾患に対する治療経験が豊富である。加えて風邪などの内科疾患や生活習慣病である糖尿病もカバーしている。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医である後藤健院長は「泌尿器科は男女問わず受診のハードルが高い診療科だが、尿の異常にはさまざまな病気が隠れているケースがあるので気になることがあれば医師に相談を」と呼びかける。今回は穏やかな笑顔が印象的な後藤院長に、泌尿器疾患における注意点や受診すべき症状などについて詳しく聞いた。

(取材日2020年11月25日)

泌尿器疾患から糖尿病まで幅広く対応可能

泌尿器科を選んだ理由やこれまでに携わってきた症例についてお聞かせいただけますか?

後藤健院長 後藤けんクリニック1

父が泌尿器科の医師であり、その影響がありました。泌尿器科の特徴として、外科的な治療と薬を使った内科的治療の両方を行えるという点に魅力を感じていました。防衛医科大学校を卒業後、最初は外科を中心とした研修を2年間行った後、九州大学泌尿器科に入局しました。大学病院や基幹病院で担当した症例の多くは悪性腫瘍で、前立腺がんや膀胱がん、腎臓がん、精巣がんなどの治療に携わりました。2002年からの2年間はニューヨーク大学医学部細胞生物学部門へ留学し、前立腺の幹細胞の研究に取り組みました。研究自体もやりがいはあるものでしたが、人種や文化が違う中、お互いがそれぞれの違いを受け入れ認め合うということを肌で感じられたことは、非常に良い経験になりました。

こちらのクリニックは2017年に開業されたそうですが、同じビルにはお父さまのクリニックもありますね。

父からは特に医学部への進学を勧められたこともなく、医師になってからも、クリニックの継承を希望されたこともありませんでした。しかし、これまで医師として自分がやりたいことをやってこれたのは、父のおかげでもあり、自分の意志で開業する道を選びました。また糖尿病内科が専門の弟が週に1度診療を担当します。透析の患者さんにも糖尿病の方は多く、上階にある父のクリニックと連携して診療にあたっています。泌尿器科の診察の際には尿検査を行うことが多いですが、尿検査から糖尿病が見つかるケースもあり、当クリニックでも診断、治療を提供できるように体制を整えました。

現在はどういった主訴でいらっしゃる患者さんが多いのでしょうか?

後藤健院長 後藤けんクリニック2

やはり排尿関係で受診される方が多いです。病気で言うと、男性は前立腺肥大症や尿路結石、若い女性では膀胱炎、高齢になってくると尿漏れの相談も増えてきます。尿漏れは、我慢ができなくて漏れてしまう切迫性尿失禁と、笑ったり動いたりしておなかに力が入った時に起こる腹圧性尿失禁とに分けられます。悩んでいる方も多い病気の1つですが、ご本人は、受診するのに抵抗があるため、1人で悩んでおられる方が多いです。そのほか性感染症の検査や治療でいらっしゃる方もいます。福岡の都心部に近いという立地からか、患者さんは20代、30代の若い方が比較的多く、男女比は7対3くらいではないでしょうか。近隣にお住まいの方、周辺で働いている方や、交通のアクセスが比較的よいため、遠方から受診されるケースもありますよ。

血尿など尿の異常を感じた際には泌尿器科の受診を

そもそもどういった症状の際に泌尿器科を受診するのでしょう?

後藤健院長 後藤けんクリニック3

尿が出にくい、痛みがある、血が混じる、トイレが近いなどの排尿に関する症状です。生活に支障を来すほどの症状ではないことも多いのですが、場合によっては重い病気が隠れていることもありますので、尿に関することで困り事があれば気軽に受診してほしいと思います。泌尿器科は男性が受診するイメージが強い診療科だと考えていらっしゃる方は多いと思いますが、実際には女性も受診されている方はたくさんいらっしゃいます。特に膀胱炎は多く、痛みなどでご本人にとってはつらい病気です。膀胱炎かなと思ったら、まずは水やお茶など水分をたくさん取って症状を和らげた上で、きちんと治すためにクリニックを受診していただきたく思います。

尿漏れに関しては男性でも悩んでいる方は多いのでしょうか?

尿漏れは女性だけではなく、実は男性でも比較的多くみられる症状です。男女で少し内容が違います。男性の場合は前立腺肥大症が関わっているケースが多く、また女性の場合は過活動膀胱と言って膀胱が過敏になっていることによるケースが多いです。治療に使う薬に一部違いが見られますが、いずれにしても男女に共通する症状の一つです。また夜間の頻尿も問題で、睡眠の質を低下させるほか、ご高齢の患者さんにとっては転倒の原因になることもあります。生活指導や薬を使った治療により、症状の改善が見込めることも多いので、お困りの方はぜひ、受診してください。

泌尿器科疾患で気をつけるべきものはありますか?

後藤健院長 後藤けんクリニック4

男性の方は前立腺がんは注意しましょう。初期の場合にはほとんど症状はありません。50歳になったら一度はチェックしておくことをお勧めします。前立腺がんは、PSAという腫瘍マーカーで採血するだけでチェックすることができますので、自分の目で見える血尿があったら泌尿器科専門機関を受診しましょう。例えば尿管結石の場合は尿に血が混じり痛みもあるため受診につながりやすいのですが、膀胱がんだと血尿があっても、痛みなどがないことが多く、自然に止まってしまうことが多いです。一度でも血尿が出れば病気が隠れていないかしっかりと調べることが重要です。

患者と向き合い予防医療にも力を注ぐ

先生は予防医療にも力を入れているとお聞きしました。

後藤健院長 後藤けんクリニック5

これまでがんや尿路結石など、さまざまな病気の治療に関わってきましたが、今後の医療においては病気にならないように予防していくことも重要だと思っています。当クリニックを開業してからは、患者さんに対して病気を防ぐための食事や運動など生活習慣についてもアドバイスをするように心がけています。病気を100%予防することはできませんが、日本人に前立腺がんが増えた原因として、食生活の欧米化も挙げられます。そうした面からも、食事と運動という健康づくりの基本が果たす役割は大きいのではないかと考えています。

患者さんと向き合う際に大切にしていることはありますか?

患者さんが何に対して困っているかを重要視します。そのため、患者さんのお話をよく聞くように努めています。診察時には必要最小限の情報だけをカルテに記載し、診療後にカルテをまとめるようにしています。診察中は患者さんとしっかりと向き合って話したいと思っています。また治療においてはできるだけ薬を増やさず必要最小限の処方で治療するように心がけています。そして、できるだけわかりやすい言葉で、患者さんが病気のことをイメージしやすいようにしています。地域の先生方との勉強会を通じて、内科など他科疾患にも幅広く対応できるように勉強しています。必要時には近隣のクリニックや基幹病院へできるだけ積極的に紹介しています。

排尿障害など泌尿器疾患で悩んでいる方も多いと思いますが、読者へメッセージをいただけますか?

後藤健院長 後藤けんクリニック6

男性でも女性でも、泌尿器科は受診しづらい面があるかもしれません。泌尿器科の検査や診察というと恥ずかしかったり、痛かったりするというイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。実際には、痛みを伴う検査や診察はほとんどありません。プライバシーにも十分配慮した診察を行っていますので安心してご来院ください。

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