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古山 佳子 院長の独自取材記事

よしこ心療内科

(文京区/千駄木駅)

最終更新日:2020/04/01

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千駄木駅から徒歩1分。不忍通りと都道452号線が交わる団子坂下交差点そばのビル6階に、「よしこ心療内科」がある。温かみのある手作りの看板が目印で、院内は一般住宅のようなアットホームな雰囲気が心地良い。穏やかで優しさを感じる語り口の古山佳子院長は、心療内科、精神科が専門。自然体で親しみやすい古山院長を頼って、長年通い続ける患者も少なくない。つらい気持ちを我慢する患者がいないようにと、希望があれば即日診療に応じており、待ち時間を極力減らすよう診察体制にも工夫を凝らしている。そんな心優しい古山院長に、診療モットーやクリニックのこだわり、趣味の話、今後の展望などをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2018年5月18日)

患者を待たせない工夫で診療環境を向上

良い意味でクリニックっぽくなく、居心地が良いですね。

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ありがとうございます。内装に特にこだわったわけではありませんが、患者さんが緊張されないよう、一般の住宅のような間取りにしているんです。医療機器もあまり置かずにカウンセリングを主とした診療を行っているので、クリニックっぽさがないのかもしれませんね。壁には写真や絵などを展示して来院された方々に楽しんでいただいているのですが、飾っている写真の中には患者さんが撮ったものもあります。2011年に開業してから7年くらいがたったのですが、最初に猫の写真を頂いたのがきっかけで展示物が少しずつ増えていきました。私が撮った写真や置物などの作品もあるんですよ。実は表の看板も、適当な大きさの板を見つけて私が描きました。患者さんが飽きないように、作品はたまに入れ替えたりもしています。

なぜこの地に開業されたのですか?

もともとこの地の出身で、この辺りの街並みが好きだったんです。大通りはマンションやビルが立ち並んで都会的な印象がありますが、路地に一歩入ると昔ながらの下町の雰囲気も残っているのが風情があっていいなあと思っています。小学校の幼なじみも近くに住んでいて、時々来てくれたりもするので、親しみのある街なんです。クリニックに来てくださるのも、大半が地元の方です。近くに他の科のクリニックが多いので、そこで心療内科の受診を勧められて来られる方もいます。他には、区の広報を見て受診されたり、インターネットで調べて来てくださる方もいらっしゃいますね。

クリニックの特徴を教えてください。

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大切にしているのは、希望があればその日のうちに診るということです。心療内科の中には予約制で2、3ヵ月待ちというクリニックも多いですが、できれば早く診てあげたほうが良いでしょう? 急に症状が出てつらくてどうしようもない人が「今日診てほしい」と言って来たら、「はい、どうぞ」と迎えてあげるのが患者さんにとって一番だと思うのです。特に精神科や心療内科の患者さんは待つことに苦痛を感じている人が多いので、診療までの待ち時間もできる限り長くならないように工夫しています。例えば初診の方だと時間をかけて経緯を聞く必要がありますが、ずっと通院されている方は短時間で済むこともあります。そんな時は、診療の途中で「少しだけ待っててください」と言って早く済む方にパッと対応して、戻ってまたじっくり話を聞くということもあります。このやり方のほうが時間を要する人、早く済ませたい人双方にとって良いようです。

患者の人生に寄り添うべく心療内科の道へ

先生はなぜ医師になられたのですか?

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内科の医師だった父の影響が大きいと思います。子どもの頃から美術に関心があり、美術系大学の受験も考えてはいたのですが、進路に悩んでいた時に父から「なりたいものが定まらなければひとまず医師になったら?」と背中を押してもらいました。実家はクリニックを開業していて、昔から私も人手が足りない日曜には受付を手伝ったりしていたんです。父が診療する姿も見てきて、医療の現場が身近にあったことも大きかったと思います。診察室で子どもと上手に接する父の様子を見て「なるほど、こういう接し方をすれば良いのか」と感心していたことも覚えていますね。でも実はしばらく芸術への道にも未練が残っていて、40代で大学受験をしようと試みたこともありました(笑)。今はもっぱら趣味で楽しんでいますが。

医学生時代の思い出はありますか?

子どもの糖尿病の患者さんをキャンプに連れて行く活動をしている先生がいらっしゃって、それをお手伝いしに参加したことはとても良い勉強になりました。糖尿病のお子さんに山登りなどを経験してもらう中で、どれくらい歩くときつくなるのか、血糖値が下がった時にはどう対処すればよいかを学んでもらうキャンプなのですが、栄養士や看護師、心理カウンセラーなど他の分野をめざす学生と一緒になってサポートをするのです。その中で、周囲の子となじめずに問題行動を起こしていた子が私に心を開いてくれて、心理学の先生にも驚かれたという出来事がありました。もともと心理学には興味があって、いろいろな本を読んでいましたから、今振り返るとその頃の経験が現在の仕事に生かされているのかなと思います。当時は職業にすることまで意識していたわけではありませんが、結果として非常に役に立ちました。

そのような経緯もあって心療内科の道を選ばれたのですか?

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最初は小児科に進んで、病院や保健福祉施設などで6年間勤務していました。その後大人の精神遅滞の患者さん向けの入所施設から依頼を受け、一時的な手助けのつもりで勤務するようになりました。その際、自分の見識を広めるつもりで精神科の勉強を始めたんです。そのうちに、師事していた先生のところで欠員が出たのでそこで働くようになり、今に至りました。ホスピスでがん患者さんの話を聞く仕事をしていたこともあり、実にさまざまな現場で臨床経験を積みました。ですから心療内科を専門とするようになったのは、自然な流れとさまざまな縁によるのですが、最終的には自分が得意とするところに落ち着いたのかなと。もともと「患部を治療したら終わり」という短期間で済む診療科よりも、患者さんの人生に寄り添って見守れる科に行きたいという思いを強く持っていたので、今の仕事はまさに理想だと思っています。

安心な暮らしを支える診療を提供

お忙しいかと思いますが、休日のリフレッシュ法は?

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院内にも作品を飾っていますが、陶彫が趣味です。陶磁で人やお地蔵さんを作る技法で、比較的新しいジャンルの芸術なのですが、最近では伝統工芸展の人形の部にも陶彫の作品が増えてきましたね。窯を自宅に持つのはなかなか難しいのでカルチャーセンターで作って焼いてもらっているのですが、人形の表情が良いと言って褒められることもあります。よくできた作品は患者さんにあげたりもしているんですよ。

どんな時に心療内科を受診すればいいのでしょうか。

よく患者さんの中にも「こんなことで受診してよかったのでしょうか」と聞かれる方がいらっしゃいますが、気軽に来ていただいていいんですよ。ちょっと体調がすぐれないという、いわゆる不定愁訴の症状で心療内科を受診するのもまったく構いません。何なら「ちょっと気分が落ち込んでいる」くらいで来ていただいてもOKです。診察して何もなければ、「心の病気ではありませんよ」と言って安心を提供することもできます。それは心療内科ならではでしょう。病気かどうかの判断には高度な知識と経験が必要ですから、一人で悩んで抱え込まずに気になる症状があればぜひ来てください。また、心因性の病気だと思って受診しに来た方が、実は体の病気だったというケースも過去にありました。そういう意味でも、少しのことでも受診することには大きな意義があります。不安なまま症状を我慢したりせずに、まずは相談することが大切です。

最後に今後の目標を教えてください。

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心療内科の分野は患者さんと長いお付き合いになることが多いので、開業したからにはできるだけ長く続けなければと思っています。一人の医師が長く診ている方が、症状の変化にも気づきやすいものです。中には10代の頃から診ていて、もう15、6年の付き合いになる患者さんもおられますが、その方は今でも受診するたびに「来て良かった」と言ってくださいます。そういう方々を途中で放り出すわけにはいかないので、責任を持って寄り添い続けたいですね。一番の願いは、患者さんに安心して暮らしていってほしいということです。お困りの方をサポートしていけるよう、これからも尽力していきたいです。

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