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熱田 了 院長の独自取材記事

秋葉原あつたアレルギー呼吸器内科クリニック

(千代田区/岩本町駅)

最終更新日:2020/04/01

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2018年4月に開業したばかりの「秋葉原あつたアレルギー呼吸器内科クリニック」。院長の熱田了先生は、よく笑う朗らかな人物だ。同院では専門の喘息をはじめとしたアレルギー性疾患や慢性の咳などを中心に診療している。取材中、先生から繰り返し語られた「医師が治療の引き出しをどれだけ持っているかが大事」という言葉。これまで大規模病院などで数々の診療経験を積んできた熱田院長だからこその思いだといえるだろう。シンプルかつ広々とした院内で、診療への想いを余すところなく語ってもらった。
(取材日2018年6月6日)

困った時にすぐ受診できる、利便性の高い場所で開業を

先生が医師を志したきっかけから、開業までの経緯を教えてください。

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父が小児科の医師だったことが大きな原点となっています。父は小児喘息が専門でしたので、その姿を見ていたことや、当時アレルギー性疾患が増えている時代だったことから私も自然とアレルギーに興味を持ちました。順天堂大学卒業後はすぐに、アレルギー治療で知られる国立相模原病院の故・秋山一男先生のもとで勉強。そんな中、順天堂大学で喘息の診療・研究・教育を行うグループを立ち上げる話があって声をかけていただき、グループのリーダーとして母校へ戻りました。その後、カナダでの研究留学、順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターでの呼吸器内科科長などを経て、今に至ります。アレルギーという疾患自体が、医師個人の知識や治療の引き出しさえあればクリニックでも十分に対応できる分野だと私は考えているので、それならばより患者さんの身近で診療できるように、と開業しました。

なぜ秋葉原を選んだのでしょう?

私は長年、御茶ノ水にある順天堂大学医学部附属順天堂医院で、喘息や気道系疾患、肺のアレルギー性疾患などを診ていました。2014年に江東区の南砂町にある順天堂東京江東高齢者医療センターに移ったのですが、ありがたいことに、それまで私が診ていた患者さんが何百人と南砂町に移ってくださって。加えて御茶ノ水時代は、福島や金沢、大阪、名古屋、長野など遠方からも患者さんが来られていましたから、御茶ノ水と南砂町の患者さんにとって交通の便がいい場所、かつ、ターミナルとして遠方からも来やすい場所にしようとこの場所を選びました。私が専門とする喘息は、40歳頃から発症することが多い病気です。その年代だと、まだかかりつけ医を持っていない方も少なくありません。そんな方々にとって、困った時にすぐ受診できるアクセスの良い場所が良いと思ったことも、秋葉原に決めた理由の一つです。

喘息は子どもの病気というイメージがありますが、そうではないのですね。

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喘息患者は全国に800~1000万人ほどおり、そのうち4人に3人は成人といわれています。子ども自体の数が少ないため割合で見ると子どものほうが高いわけですが、実は喘息は大人の病気だということがわかります。成人喘息を発症するのは40代が多く、発症のきっかけは2つ。一つは小児喘息が一度治って、大人になって再発するパターン。もう一つは大人になってから初めて発症するパターン。前者は、20歳前後で治っていても、あくまで症状が現れていなかっただけで、肺のアレルギー炎症は残っているというケースです。後者は、遺伝的要因に加えて、大気汚染や家・会社のホコリ、タバコといった環境的要因が重なって症状として現れるケースです。基本的に遺伝的要因は防ぎきれないのですが、環境を良くすることによって、発症を遅らせたり、発症せずに済むようにしたりできる可能性があるので、タバコを吸わないなど環境的要因をなくすことが大切です。

「呼吸の存在を感じない生活」をめざす

ほかに、こちらならではの診療はありますか?

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慢性の咳に悩む患者さんも、当院では多く診ています。内科を受診する3大理由の一つが「咳」といわれているくらい、咳の原因ってものすごくたくさんあるんですよ。肺が悪くても咳は出るし、鼻や喉、胃が悪くても、精神的な原因でも、もちろん肺がんや結核でも、咳は出ます。何年も長引く咳で困っており、どの病院にかかっても治らなかった方が、実は副鼻腔炎が原因で、鼻を治療したらあっという間に治ったというケースもあります。慢性の咳の原因が実は胃にあって、胃酸を抑えるだけで咳止め薬なんて必要なくなった、という方も。根本の原因をよく調べることが、患者さんにとってのベストな治療につながっていくと感じています。

診療において心がけていることは何ですか?

患者さんに病気を理解してもらうことが一番重要だと考えています。自分の体の状態や、なぜこの薬を飲まなければいけないのかを理解しないと、薬なんて誰も使いたくないと思うんです。患者さんが積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることをアドヒアランスといいますが、喘息はアドヒアランスが非常に低いといわれています。なぜかというと、喘息は症状が良くなったり悪くなったりと波があるため、「悪い時だけが病気」と思ってしまいがちだからです。けれど良い状態の時も気道の炎症は続いていて、それをコントロールするために薬を飲むことが大切なのです。そうしたことを患者さんに理解していただくため、検査結果のデータをすべて印刷してお渡ししたり、病気に関するお話をしたり、色を替え品を替え伝えるよう心がけています。

確かに、病気への理解が深まれば納得して治療を続けられる気がします。

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肺の病気がない人には、“呼吸する感覚”ってありませんよね? でも喘息の患者さんにはそれがある、つまり苦しいのが当たり前になってしまっているのです。でも、的確な薬剤を的確な用量で使えば、ほとんどの場合は呼吸の存在を感じることなく生活できるはずなんです。何かやりたいことがあって、喘息の症状のためにそれができないのなら、治療法を見直してできるようにしましょう、というのが私の考えです。例えば、猫アレルギーだけれど、猫が大好きでどうしても猫を飼いたいという患者さんに対しては、「飼っちゃダメ」ではなく「どうやって猫と共存するか」を考えます。寝室とリビングが別であれば、寝室には絶対に猫を入れないとか、猫の毛を寝室に持ち込まないように、寝室以外はスリッパを履いて寝室に入る時だけスリッパを脱ぐとか。そういったことをアドバイスしています。

治療の引き出しを多く持つことで、個人に合った治療を

患者さんとの印象的なエピソードは何かありますか?

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重症の喘息で、在宅酸素療法まで受けている患者さんがおみえになったことがあります。でもよくよくお話を伺っていると、重症の喘息とは思えませんでした。そこで治療方法を見直し、薬の種類を変えてみて、吸入方法を看護師に再指導してもらったところ、見違えるように症状が良くなりました。喘息の治療には、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬、それらを混ぜ合わせた合剤などを使いますが、薬の種類によって反応が異なります。ですから、一つの薬が効かなかった場合、量を増やせば良いのではなく、同じ系統の薬で違う種類のものを使うと良くなることがあるのです。治療の引き出しを数多く持っておくと、その方に適した治療を提供できる。そうした点に、専門家としてやりがいを感じますね。

待合室にはアウトドアや自然に関する雑誌が多く置かれていますね。お好きなのですか?

そうなんです。カヤックが好きで、昔留学していたカナダではよく川下りをしていました。日本に戻ってきてからも、最上川や釧路川をはじめ、いろいろな所でよく川下りをしましたね。特に私が好きなのは、ツーリングカヤックといって、海や大河などで長い距離を漕ぐために作られた、全長5メートルほどの組み立て式のカヤック。それに食料やテントを積んで川下りして、目的地に着いたらテントを張って一晩を過ごす。そして朝になったらまた移動する、というもの。旅の手段ですね。私には5歳の子どもがいるのですが、カヤックに乗せて川下りすることもありますよ。

生活や希望に沿った治療を提供しているのですね。

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一人ひとり生活スタイルは違って、その生活習慣が病気を悪化させていていることもありますから、まずは皆さんの生活環境を知ることが治療の基本です。そこが開業医ならではのやりがいだと感じますし、だからこそ医師個人の引き出しの多さが重要だと考えるのです。今後も患者さんにとって身近な存在として、新しくて正しい「今あるべき医療」を、その方に合ったオーダーメイドの形で提供できればと思っています。

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