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高橋俊雅 院長の独自取材記事

望星新宿南口クリニック

(渋谷区/新宿駅)

最終更新日:2019/08/28

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新宿駅南口から2分。地下道で直結したビル3階にある「医療法人社団松和会望星新宿南口クリニック」は、透析治療において35年以上の歴史を誇る。慢性腎不全のほか、循環器、糖尿病、診療内科などの専門外来を行い、質の高い専門的医療と地域のかかりつけ医としての役割を果たしている。高橋俊雅院長は、保存期から透析治療の患者まで幅広く対応。腎臓学会認定専門医・指導医、日本透析医学会専門医として、個々の患者に合った治療方法を提案、その人らしい人生が送れるような腎不全治療を提供している。「人間関係に誠実で、本音で話すことが大切」と話す高橋院長。インタビュー中もこちらの質問にはっきりと丁寧に答えていただき、日頃、患者と真摯に向き合う姿が想像できた。クリニックでの診療のほか、大学病院の外来、専門学校の講師や渋谷区医師会の理事を務め、日々腎臓病治療の向上と患者のサポートに余念がない高橋院長に、クリニックの診療の特徴やご自身の診療モットーのほか、今後の展望など、時間の許す限り語っていただいた。

(取材日2014年6月27日)

専門医による充実の治療方法で働く人の腎不全医療をサポート

はじめに、クリニックの概要をお話しください。

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当院は、医療法人松和会の一施設ですが、慢性腎不全の患者さんの透析治療とともに、循環器、糖尿病、診療内科などを中心に一般内科と心療内科の診療を行っています。現在の「望星新宿南口クリニック」と改称して13年目ですが、当院は前身のクリニックからは35年以上の歴史があり、通院されている41年目の患者さんをはじめ、20年以上ものお付き合いになる患者さんも多くいらっしゃいます。働いている方も多く、活動的な生活スタイルにも合うように、22時30分まで診療を行っています。私は2000年4月に前身の西新宿診療所の院長を務めたあと当院の院長に就任し13年になります。腎臓病診療を専門とし治療を提供しながら、地域のかかりつけ医としての役割も果たしています。

外来部門での専門医による診療が充実していますね。

腎臓病に限らず、いわゆる「慢性疾患」は長く付き合っていかなくてはいけない病気です。治療の主体は患者さん自身であり、薬や注射以上に、食事療法など生活習慣そのものが治療を大きく左右します。そのため、専門医が予約制で丁寧な診察と説明に時間をさいて、患者さんがご自身の病気の特性を理解していただくように心がけています。昨年4月から、腎臓・代謝病治療機構の中尾 俊之先生(前・東京医科大学教授)が常勤となられて、特に保存期腎不全の診療がさらに充実しました。中尾先生のモットーである「患者とともに喜びあうこと」というお考えは私も同じです。東京家政大学教授の金澤良枝先生と経験豊富な管理栄養士が、外来で個々の患者さんに合わせた栄養指導を個別に行い、生活パターンや食事の特徴に合わせてきめ細かい指導を平行して行うことによって、慢性腎臓病の進行を遅らせることができています。また仮に末期腎不全となっても、患者さんの希望があれば可能な限り外来で透析の準備を行い、1人1人の生活や仕事と透析治療のバランスも重要です。通常の透析治療は週3回ですが、通院の透析回数を減らしたいというご要望の方には、自己管理がしっかりできて、かつ医学的な問題がなければ、可能な限り対応しています。自己管理を御指導することで週2回または週1回透析も行っています。また慢性腎臓病は、循環器疾患や糖尿病はじめ、さまざまな生活習慣病と密接な関連を持っていますので、循環器専門医・糖尿病専門医の外来や検査も行っています。完全予約制ですが心療内科も設置して、全人的な診療を目指しています。そういった専門医による診療オプションが非常に幅広いのが当院の特徴かもしれませんね。連携先も多く、CT・MRI・内視鏡など、近隣のクリニックと提携し迅速に検査できる体制で、東京医科大学・東京女子医科大学・順天堂医院・東京大学や日赤医療センター・都立広尾病院・JR東京総合病院など多くの病院とも連携していますので、最善の医療を提供できる環境が整っています。

専門医ならではの治療法はほかにどのような方法がありますか?

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最近は「PD-HDのハイブリット治療」を行っています。これは自宅で就寝中に機器を使って自動腹膜透析(PD)を行い、週1回だけ血液透析(HD)で通院いただく方法です。この方法であれば、フルタイムで仕事をされている方も平日は時間に制約がほとんどありません。自由になる時間が多いので、医学的適応があれば、仕事をされている方の治療法の一つとして有効だと思います。また、当院は新宿駅と直結していますので、活動的な生活をされる方の効率的な透析治療を行うことができます。腎移植も積極的に勧めています。ここ3年で15人以上の方が腎移植されましたが、そのお1人は子供が欲しくてお母さんから生体腎移植された方でした。その後双子を出産され、お母さんと娘さんが双子の赤ちゃんを連れて面会にいらっしゃったときは、本当に嬉しかったですね。患者さんの幸せそうな姿を見ると、この仕事をしていて本当に良かったなと実感します。今も4人の患者さんが近日の生体腎移植を予定されています。適切な腎不全医療の情報を提供して治療を選択していただく中、もちろんすべての方にあてはまるわけではありませんから、そこを専門医としてしっかりと見極め、元気に頑張る人をサポートできる腎不全医療、保存期を含めた腎臓医療を提供していきたいと思っています。

誠実な信頼関係のもと、医療を通じて患者の人生に寄り添う

先生ご自身が日頃の診療で大切にされていることは何ですか?

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医療を通じて、患者さんの人生をサポートすることのできるパートナー的な存在でありたいと思っています。現代医療は進歩しましたが完全ではありません。治療の主体は患者さん自身とその生活習慣にあり、患者さんの自己管理、食事、服薬、生活を向上していくためのサポートをする存在が私の仕事ですね。診療では、治療に対する偏見や知識不足を補い、正しい知識をなるべく多く丁寧に伝えることを心がけています。また誠実に診療するということは、患者さんの本音をお聞きして、こちらも誠意をもって出来ることを答えていきたいと思っています。私はかかりつけの患者さんには院長携帯の番号をお知らせして、緊急の場合や夜間や休日も可能な限り電話で相談を受けています。薬の飲み方を指導や、病状によっては日曜日でも紹介状を書いてFAXすることもあります。私が関わる患者さんには、究極のかかりつけ医でありたいと考えています。

これまでの患者との関わりの中で印象的な出来事はありますか?

長く診ていた患者さんで認知症が進行しながら腎臓機能が悪化した人がいました。点滴の針を抜いてしまうので、血液透析は無理、腹膜透析も厳しい。家族とも随分話し合ったのですが、結局透析導入せずに看取るということになり、私はご自宅に往診をしました。なくなる前日まで元気で、おう!と手をあげて「さよなら」と言ってくれたことが忘れられません。このエピソードは最終的に透析を導入しないという選択をした事例です。もう一つご近所の患者さんで送迎をしながら透析を受けていたのですが、最終的に合併症のため透析困難になりました。入院して透析をしながら看取るというのが透析治療における終末期医療なのですが、その患者さんは「自分が建てたこの家で死にたい」とおっしゃっていましたし、奥さんも自宅の枕元で看取りたいと強く希望されました。ついに透析ができなくなりこの患者さんはご自宅で過ごされ、私が毎日往診に伺い、4日目の朝にお看取りをしました。今、その方のご長男は私の患者さんですし、先の透析を導入しなかったエピソードの奥様も外来通院くださっています。このように信頼関係でつながっている患者さんがいて、今でも家族が通ってくださり「本当によかった」と言ってくださるのは、自分の使命を果たせたという証として、忘れられない出来事ですね。

病院の外来も受け持たれていますが、クリニックでの診療と何か違いはありますか?

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13年院長をやりながら、順天堂大学腎高血圧内科や東海大学東京病院、江東病院の腎臓外来を続けてきました。クリニックの透析患者150人の他に、これらの病院で慢性腎臓病患者さんは300人近くと、外来でたくさんの保存期の患者さんを診ながら、同時に透析のQOLを高める治療を行っています。また教育活動として読売理工医療福祉専門学校の内科講師を続け、渋谷区医師会理事として地域医療に関わる仕事を10年務めています。 このような活動もまたクリニックでの診療に生かされてくるし、重要な一部分になっています。この13年を振り返れば、患者さんとのかかわりの中で成長できた13年だったと思います。透析患者だから、保存期の患者だからという差はなく、クリニックであろうが大学で診ようが同じスタンスで診療を行っています。ただ、病院で診療することで最新の知識や色々なドクターの意見も聞ける他、病診連携の点でもよい関係にあることが、最大のメリットだと思います。

患者の努力と医師の治療がベストマッチングできるように

先生が医師をめざし、腎臓内科を選択されたのはどうしてだったのですか?

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家族や親戚には医師はいませんでしたし、私にとって医療はとても遠い存在でした。思えば、人の役にたちたい・人生に関わる仕事をしたいという気持ちがあったのだと思います。若いときは、生と死・自分とは何か・人はどう生きるべきかといったことを考えていました。研修医が終わって入局するときに循環器内科か腎臓内科で悩みましたが、腎臓内科はその人の生活に寄り添える医療だと思ったんです。今、前身のクリニック時代から通院歴41年目の患者さんがいるのですが、その方は定年まで仕事をまっとうして、電車で通院しています。そのような患者さんをこの目で見て、医療を通じて人生に寄り添うことができることに魅力を感じ、この道に進もうと決めました。患者さんがよく言うのは、透析室はマイホームのようだいうこと。生活の一部として快適ではないかもしれないけれど、できるだけ大事な時間、休息であり治療の時間であり、人生の一部の時間だと思って過ごしていただければと嬉しいですね。

今後の展望についてお話しください。

今やっていることの継続として、慢性腎臓病の進行を少しでも遅くして透析に至らないように治療していくこと、そして透析治療が必要になった患者さんには、さまざまな治療オプションを提示し、出来るだけ社会復帰していただけるよう、最適な腎不全医療を提供することですね。患者さんの希望と努力が報われるように提供できる医療がベストマッチできる形を模索していきたいです。それは血液透析の時間や回数・PD-HDハイブリット療法・腎移植などを提示し、医学的に可能なことを調整していくことです。慢性腎臓病は、早い時期から関わることで透析にしないようにするとともに、末期腎不全の場合の腎移植・腹膜透析・血液透析そしてハイブリット療法、最終的には透析をしないという選択もあり得るということで、その人らしい人生を送ってもらえるような腎不全治療を提供することが、僕の使命でもあり、これからやっていきたいことですね。

最後に健康な生活を送るために、読者へのメッセージをお願いします。

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慢性腎臓病は、末期になるまで自覚症状がほとんどでません。健康診断やかかりつけの医師から「血尿・タンパク尿が出ています」とか「腎機能が少し悪いですよ」と言われていたけれど、自覚症状がなく放置しているという方もいるかもしれませんが、実は、その中にも「あまり心配のない血尿や蛋白尿」と「早めに治療しないと腎不全に進行してしまう」タイプとがあり、後者の場合は、受診を先延ばしにしたために来院したときには「すぐ透析を始める」という末期腎不全の状態だということもあります。早期に発見して診断し適切な治療を加えることで、腎不全へ進行しない最善の治療を提供できますから「慢性腎臓病で透析になるのが嫌だ」と思われる方こそ、早めの受診をお勧めします。詳しい検査をしないとわからないこともたくさんありますので、検査結果をみながら1番いいと思う方法を一緒に考えていきましょう。治療が必要なのか食事療法や生活習慣の見直しでよいのかを見極めるために、検査やわれわれ専門医の診察がありますので、ぜひ、定期的には健康診断を受けてください。また専門医とかかりつけ医の連携も重要ですので、ご自身の主治医とキーパーソンになるドクターを選んでいただき、何でも話せる関係を築いていただけたらと思います。

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