吉岡 章夫 院長の独自取材記事
よしおかクリニック
(守口市/滝井駅)
最終更新日:2026/06/23
2017年12月、京阪本線・滝井駅から徒歩3分の場所に開業した「よしおかクリニック」。診療を手がけるのは、この地で生まれ育ったという吉岡章夫院長。外来診療や在宅医療など医師としての業務の傍ら、地域活性化に向けた活動をも精力的にこなしているというバイタリティーあふれる医師だ。他にも警備業など、父親から引き継いだ会社も経営しているのだとか。「たくさんの地域の方々と関わっていく中で、この地域での内科およびリハビリテーション科の重要性を実感し、開業に至りました」。今回は、そんな「地元愛が強い」という吉岡院長に、医師をめざした理由から開業に至った経緯、クリニックの特徴、今後の展望などをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2026年5月8日)
地元に恩返しをするために、開業を決意
まず、開業に至った理由を教えてください。

かねてより父の会社を引き継ぐ予定でしたので、開業することは考えていませんでした。また、勤務医として働きながら「守口市防犯委員会滝井支部」支部長や「さつき地域コミュニティ協議会」会長を務めるなど、地域の活性化に向けた取り組みに力を入れていたんです。しかし、もともと近くで内科を開業されていた先生がクリニックを移設することになり、この地域が医師の空白区になってしまって……。「関西医科大学総合医療センター」はありますが、やはり地域の皆さんが気軽に行けるようなクリニックとは違いますよね。そんな時、町内会や近所の方々からお声をかけていただき、開業を決意しました。
地元愛があってこその開業なのですね。
そうなんです。というのも、私の父は一代で財を築き、会社をいくつか経営していました。それも、この地域があってこそ成し遂げられたのだと考えています。だから、今後は私が恩返しをしていきたいなと。特にこの地域は高齢者が多く、リハビリテーションを必要とされている方もたくさんいらっしゃいます。例えば、入院されたことをきっかけに、歩ける人は家に戻れるけれど、そのまま歩けなくなってしまうケースも多いんです。しかし、その後は「どこで施術するのか?」という問題に直面してしまうのが現状です。結局、家で寝たきりになってしまうケースも少なくありません。この地域はリハビリテーションができる施設がほぼないため、当院でその点をサポートしていきたいと思っています。
現在はどのような患者さんが多いですか?

内科とリハビリテーション科を診療していますので、患者さんの症状も多岐にわたっています。一般的な風邪症状や、高血圧症など生活習慣病も多ければ「筋力が落ちてきた」など慢性的な筋力低下や腰痛に悩む患者さんもいらっしゃいます。そしてここ数年で増えているのは、新型コロナウイルス感染症の罹患後から続く諸症状の治療ですね。特にこれまであまりクリニックに来なかったような元気な働き盛りの世代の方で、一度新型コロナウイルスに感染した後に、咳などの呼吸器疾患が続いて寝不足になっているという方も少なくありません。「どことなく体の調子が悪いが、どこに行って良いかわからない」といった場合でも当院までお気軽にご相談いただきたいですね。
多職種のスタッフと連携してベストと思える治療を提供
訪問診療にも注力されていますね。

はい、新型コロナウイルス感染症の流行以前にも対応していましたが、流行中は、施設や病院での看取りの際に面会制限で会えなかったという状況がありました。そのことを受け、訪問診療の窓口をもう少し広げて受け入れて、看取りまで対応できるようにと訪問診療の窓口を広げました。定期訪問に加え、緊急用の携帯電話番号を知らせることによって常時連絡の取れる24時間体制で対応しています。この地域の方には独居の方も多くて、遠方に住まれてるご家族の方が頻繁に見に来るというのもなかなか難しいものですから、看護師や介護士と打ち合わせして、ご本人とご家族の方が安心してご自宅で過ごしていけるようにサポートしています。
リハビリテーション科について教えてください。
クリニックの2階にあるリハビリテーション室には、必要な機材は一通りそろえて、理学療法士や作業療法士とともに、患者さん一人ひとりの状況に合わせたリハビリテーションを提供しています。患者さんは小学生から高齢者までさまざま。骨折などで大きな病院で手術をした後に継続的なリハビリテーションが必要な場合や、脳卒中や脊髄疾患によって引き起こされる麻痺や感覚障害、加齢による下肢筋力の低下など、症状は多岐にわたります。症状と、患者さんにとって何が必要で、どういったことを求められてるかを先に伺った上で、こちらができることを個人個人に合わせてプログラムメニューを組み、施術を行っています。クリニックでは予約ありと予約なしの両方で対応しており、また在宅訪問リハビリテーションも行っています。
診療する上で、大切にしていることは何でしょうか?

まず、人が何を幸せと思うのかを大切にしています。健康という面から言えば、例えばタバコもお酒もやめて、長生きしていくのが一番だと思いますが、その人個人の幸せという面からすると違ったりすることも。ご本人の幸せを完全に断ち切るようなかたちにはせず、例えばどこまで薬を増やすか、食事内容をどう変えていけるのかといったところを一緒に考えて、いかに医療的介入をしつつ、ご本人の幸せを維持していけるのかを考えています。また患者さんに対しては「基本は断らない」というスタンスです。訪問診療で「他のクリニックからNGが出た患者さんを診てもらえますか?」という依頼も、可能な限り受け入れています。もちろん現実問題として、距離的に不便がある場合は他のクリニックにご紹介する場合もありますが。患者さんとは、上から目線で話をせず、考えを否定せず、その人の話を聞いて対等な関係を築くことを心がけていますね。
地域に寄り添い、地域のかかりつけ医をめざす
心療内科にも対応していると伺いました。

はい。「花粉症で通っていましたが、実は体が疲れていてつらいです」「市販の睡眠薬で眠れなくて……」というような悩みが多いですね。ただ現在はキャパシティーの問題で、新規の患者さんに対しては残念ながら受け入れが厳しい状況です。受け入れたい気持ちはあるのですが、一人の話を聞くとなるとやはり1時間は必要になり、内科の患者さんの待ち時間が長くなってしまいますので。必要な場合は近隣の大学病院に紹介しています。
先ほどのお話にあった、地域を盛り上げる活動について詳しく伺えますか?
「守口市防犯委員会滝井支部」支部長や「さつき地域コミュニティ協議会」会長として、地域活性化に向けた活動を行っています。それぞれの地域が集まって連絡会議を開いて、いろんな行事をやっていくので、それを仕切っていくのも仕事です。高齢者を対象として定期的な体操や集いを開催したり、例年1400~1500人程度が訪れる滝井地域の祭りでは、講演会や介護や健康相談を開催しています。防犯委員会では年末の巡回や詐欺に関しての啓発を行っています。地域の会議も多く、予定がない日でもずっとパソコンの前に座り、イベントでの配布資料の作成まで、いろいろと仕事をしていますね。
最後に、今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

地域的には人口が減少傾向にあります。また高齢者で独居の方が増えていますね。長いお付き合いの患者さんがクリニックに来ないため、スタッフをご自宅に向かわせたら、熱中症で亡くなっていたというケースも結構ありました。私は民生委員も務めていますが、そちらのほうでも「最近姿を見ないとか、新聞がポストに残ったままだったりしたら、警察や町会長を呼んで」という話をしているんですよ。医療は医療、介護は介護とか、スパスパ切るというより地域全体を通して支えるしかないところがあると思いますので、なだらかなグラデーションでつなげていけたらと思います。医師として、この地域の住民として、これまで培ってきた経験や知識を生かしながら、患者さん一人ひとりの訴えにじっくりと耳を傾けていきますので、医療や介護について、困ったことやお悩みがありましたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。

