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野崎 秀一 院長の独自取材記事

カンナ外院クリニック

(箕面市/北千里駅)

最終更新日:2020/07/22

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2017年に循環器疾患を中心に病気だけでなくその人の生活背景や精神面も考慮した医療の提供をめざして開院した「カンナ外院クリニック」。箕面市外院2丁目の府道9号線沿い、阪急バスの外院停留所からすぐのビル2階にあり、駐車場からエレベーターが直通なので高齢者も来院しやすい造りになっている。院長の野崎秀一先生は循環器疾患、特に動脈硬化の研究および臨床の経験が豊富で、基幹病院で循環器内科や内科の医師として27年以上診療を行ってきた。市立川西病院では病院長を務め、病院運営や地域医療の向上にも尽力。2020年に「初心に戻り循環器疾患を核として患者さんの健康を支えたい」と前院長から引き継ぎ院長に就任。野崎院長にこれまでの経験や診療方針、患者への思いについて語ってもらった。
(取材日2020年6月30日)

長年の循環器内科の経験を生かし地域の患者に貢献

先生が医師を志されたきっかけを教えてください。

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父と母が医療関係に従事しており、伯父や叔母は病院経営をしていましたので、小学生の頃から医師になりたいと思っていました。夏休みの宿題でノーベル平和賞を受賞したシュバイツァーの伝記を読んで、感銘を受けたのを覚えています。大阪大学医学部へ進学し、講義を受ける中で垂井清一郎先生の指導を受けたいと第二内科を選びました。第二内科は循環器疾患の診療だけではなく動脈硬化のバックグラウンドから研究でき、代謝について特色ある研究ができることに魅力を感じたのです。私が所属した循環器脂質研究室では、当時チーフであった松澤佑次先生のもとで動脈硬化の研究に取り組みました。松澤先生はメタボリック症候群の基本的な考え方である内臓脂肪症候群を提唱された方で、医師として診療や研究に意欲的に取り組まれる姿勢に影響を受けました。

学生時代から医師として大切にされていることがあるそうですね。

垂井教授の指導で「優しい医師・考える医師」という言葉があります。医師が患者さんに優しく接するのは当たり前。優しいだけではダメで、根拠を持った医療を適切に提供することが大事という教えです。医師として患者さんの背景をしっかり見て診療すること、常に勉強して最新のデータをもとに患者さんに説明することを大切にしています。

学生時代や研修医時代に印象的な患者とのエピソードがあったとお聞きしました。

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学生時代に心臓弁膜症の若い女性の患者さんが、手術後に亡くなられたことが忘れられませんでした。それから「心不全や心臓弁膜症、狭心症など循環器疾患の患者さんを治したい」と強く思うようになったのです。また研修医時代には、睡眠時無呼吸症候群の患者さんがいたのですが、その方は睡眠が浅いため、常に眠気に襲われているといった状態でした。検査を勧めても眠気が強いためか話しを理解していただけず「検査はしなくていい」と言われていたのですが、指導医の先生と一緒に何度も何度も検査の必要性を説明して、なんとか承認してもらったことがありました。患者さんに丁寧に繰り返し説明して理解してもらうことの重要さを実感した出来事でしたね。

院長に就任されるまでのご経歴をお聞かせいただけますか?

大阪大学医学部附属病院で研修を終えた後は、系列の病院で循環器内科の医師として勤務し、その後大阪大学大学院へ進学。動脈硬化に影響する脂質の代謝に関する研究を行いました。その研究は後にテキサス大学へ留学した際に行った、狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化をより効果的に治療する研究にもつながりました。帰国後は大阪大学医学部第二内科で循環器診療と研究を約10年行いましたが、診療に比重を置きたくなり市立川西病院で勤務しました。循環器内科だけではなく内科も担当し、幅広く患者さんの診療を行いました。20年以上勤務する中で、だんだんと管理の仕事も増え、病院長として病院運営や地域医療の維持や向上にも取り組んできましたが、「初心に戻って地域の患者さんを診たい」と思うようになっていました。そんな時に縁あって前院長の大西健二先生より当院を引き継ぎ、2020年6月院長就任に至りました。

循環器関連の検査機器を各種そろえ、早期診断が可能

診療方針や心がけていることをお聞かせください。

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診療方針は循環器疾患を核として内科まで幅広く診療し、患者さんの健康を支えることです。患者さんと信頼関係が築けていないと治療は進みませんから、まずはしっかりとお話をお聞きし、病状や治療計画などは説明を尽くすことを心がけています。難しい図を見てもらうよりは、理解しやすいように、私がその場で絵を描いて見せることもありますね。地域の方にとって気軽に相談できる身近なかかりつけ医でありたいと思っています。

循環器疾患はどのような症状や兆候が現れるのでしょうか?

循環器の疾患は疲れやすい、息切れ、動悸、胸が痛いなど不定愁訴的なことも多く、見逃されやすい。少し体を動かしただけで息切れするようでしたら、心不全や肺の病気を懸念することもありますが、狭心症の可能性もあるので、注意深く診断しなくてはいけません。高齢者の狭心症の診断はかなり難しく、一般的な心電図ではわからないこともあり、専門的な検査が必要なケースもあります。当院では血液検査、心電図、胸部エックス線検査、心臓・頸部エコー、24時間計測できるホルター心電図、睡眠時無呼吸検査、末梢血管血流検査、閉塞性動脈硬化症検査も可能です。専門病院の外来と同様の検査設備で早期に診断することができます。また、最近は院内感染を心配される方も多いと思いますので、徹底した感染症対策で安心・安全を追求した診療環境を整えています。

循環器疾患の治療の流れについて教えてください。

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狭心症や心不全、心筋梗塞につながる高血圧、糖尿病、高脂血症などの循環器疾患は高齢者の患者さんが多いですから、注意深くお薬と生活指導を並行して行います。若い方でコレステロール値や血糖値がボーダーラインにある生活習慣病の方は、生活指導が中心です。2ヵ月~3ヵ月に1回は来院していただき、定期的に採血してデータを確認します。面倒だからと来院しなくなると最悪の結果につながりかねませんので、毎回テーマを一つ決めています。例えば、コレステロール値が高い方には、この1ヵ月の食事は動物性脂肪を何か一つ控えてもらって、魚に置き換えてもらうといったことを提案します。また、中性脂肪値が高い方は糖質である炭水化物で数値が上がるタイプのほか、脂肪分やアルコールで上がるタイプもあるため、その方のタイプに合わせてテーマを決めていきます。薬に頼る前に患者さん自身で治そうという意識を持っていただくことが大切です。

今後増加する循環器疾患の患者を丁寧に治したい

定期的な来院と検査が大切なのですね。

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そうですね。定期的に検査を行うことで、循環器疾患だけではなくほかの病気を見つけることもできます。肝機能の異常が見つかり、肝臓がんを早期発見できた方もいます。検査を20年継続して健康を維持した患者さんもいらっしゃいます。また、最近はいい治療法ができましたので、高齢者の場合でも適応のある方には手術を勧めることもあります。今一番多いのは大動脈弁狭窄症のカテーテル治療で、80代後半の方に行ったこともあります。ただ、手術ができるタイミングは限られているので、その見極めはとても難しいのですが、適応できると判断した場合は、心臓血管外科の先生へご紹介する際に、「外科の先生が手術を勧めたら、手術をしたほうがいいですよ」と患者さんにお伝えしています。患者さんも決断するのは難しいと思いますが、それまでの信頼関係があるので信用してくださり、手術を決断されたケースもあります。

先生はご自身の健康のためにどのようなことをされていますか?

早寝早起きをして、毎日犬の散歩をしています。あとは、ジムで定期的に運動をしたり、毎年人間ドックを受けています。規則正しい生活を行うことで、この20年間インフルエンザになっていないですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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厚生労働省によると、社会の高齢化に伴い心不全の患者さんが増加すると予測されています。今後、循環器内科のニーズはますます高まると思いますので、心不全をはじめ循環器疾患の患者さんをしっかりサポートし、治療に取り組んでいきたいと思います。また、診療では一期一会を大切に、その日その時、1回しかお会いできないかもしれないと思いながら丁寧に説明を尽くすことを信条としています。健康について気になることがあれば気軽に相談にいらしてください。

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