佐藤 則子 院長の独自取材記事
大塚駅前南口皮膚科
(豊島区/大塚駅)
最終更新日:2024/05/15

JR山手線の大塚駅南口改札を出て徒歩1分。駅が望める距離のビルに、「大塚駅前南口皮膚科」はある。院長の佐藤則子先生は、日本皮膚科学会皮膚科専門医。数々の病院で地域医療に携わった経歴を持ち、2017年に同院を開業した。アトピー性皮膚炎や乾癬をはじめ、皮膚疾患には治療が長期間に及ぶ症状が多く、患者にとっても治療がストレスとなる場合も多い。しかし佐藤院長は、「皮膚科医療は目覚ましい進化を遂げていて、昔よりも有用な治療法も増えているので、諦めないで治療に臨んでほしい」と話す。そんな佐藤院長に、同院の特徴や開業への思いを聞いた。
(取材日2024年3月29日)
内科疾患との関連性が深い皮膚科診療に注目
そもそも先生はなぜ医師を志されたのでしょうか?

私は群馬県の開業医の家に生まれ育ちました。父は外科医、母は内科医と両親ともに医師で、小さい頃から両親が働く姿を目にしていたので、医学は身近なものでした。しかし医師として働く両親はとても忙しそうで、「あんなに忙しい生活を自分は続けることができるのだろうか」と医学の道の険しさも感じて、ピアノの道を歩もうと考えていた時期もありました。両親が私に直接的に「医師になるように」と口にすることはなかったのですが、自分たちと同じ道を歩んでほしいという思いを感じることはあったので、やはり医学の道へ進もうと考えるようになったんです。
どうして皮膚科を選ばれたのでしょうか?
そもそもは母と同じ内科の医師を志していたのですが、私が医師を志した頃、ちょうど世の中で皮膚疾患と全身の症状との関係性について注目され始めたタイミングでもありました。皮膚は内臓の鏡といわれることもあるのですが、さまざまな全身疾患と皮膚疾患にはつながりがあります。皮膚科診療のアプローチからも、内科疾患の発見や診療に携わることができると知って、皮膚科を志すことに決めました。
勤務医経験も長いそうですが、開業を決めたきっかけを教えてください。

長く勤務した国立病院機構埼玉病院の皮膚科では、他にサポートしてくれる医師がいない環境を経験しました。一般的でよく見かける疾患から難しい病気まで、すべて私1人で診療にあたっていたんです。患者数こそあまり多くはないものの、さまざまな症例の患者さんがいらっしゃるので、勉強をしながらの診療でした。そんな毎日の診療は大変なこともありましたが、そこでの知見と知識は今に生かされているように感じます。勤務医一筋で勤めて、定年退職したら医師としての務めを終えてもいいかなと考えていたのですが、いざ退職が近づくと自分の開業したクリニックで診療に携わりたいという気持ちが強まったんです。埼玉県和光市や東京都板橋区の成増エリアなど、クリニックの場所の候補はいくつかありましたが、自宅に近い大塚で肌の悩みを抱える患者さんのためになりたいと開業を決心しました。
患者の症状に合わせ大規模病院との連携も柔軟
どのような年代・症状の患者さんがおみえになりますか?

開業当初は50代以下の患者さんが多くおみえになりましたが、今では上は90代まで、幅広い年齢の患者さんがいらっしゃいます。駅から近いからか、仕事でお忙しい方が通勤の途中に利用されることも多いようですね。中には、初診で診察をしてお薬を処方した後、忙しくて再診を受けられない患者さんもいらっしゃいます。薬を塗った後に症状が改善したように見えても、一時的に症状が鎮まっているだけであるケースもあります。処方した薬の副作用のチェックなども重要ですので、自己判断で通院をやめるのではなく、定期的に受診していただきたいと思います。
皮膚科専門医の資格を取得されているんですね。
はい。皮膚科専門医として認定を受けるためには、さまざまな講習を受けたり一定数以上の皮膚外科手術を経験したりする必要があります。皮膚科専門医は、皮膚疾患の高度な専門的知識や診断・治療技能を習得しているだけでなく、豊富な経験もあるので、患者さんに適切な診断や治療をスムーズに行うことができると考えます。患者さんのために、これまでの経験で得た知見や知識を生かして診療に臨んでいます。
大規模病院との医療連携の実績はありますか?

なるべく大規模病院に行かなくても、当院で診察から診断、治療や処置までを行えるように努めています。しかし患者さんの重症度や症状によっては、より専門性に基づいた治療が行える病院をご紹介し、病診連携を行っています。当院から近いこともあって東京都立大塚病院を紹介することが多いのですが、もちろん、患者さんのご自宅や勤務先から通いやすい病院を紹介することもできますよ。勤務医時代につながりのできた先生たちの中から、その症状の治療を得意とする医師を紹介することもあります。長い勤務医としての経験は、医療連携の観点でも役に立っています。
日進月歩の皮膚科医療。諦めない治療を
どのようなクリニックにしたいとお考えでしょうか?

先ほども述べましたが、開業にあたって日常的な健康相談や健康診断を担う地域のかかりつけ医としての役割はもちろん、大きな病院へ行かなくともある程度の処置や治療を施すことができるクリニックにしたいと思いました。重度のアトピー性皮膚炎、結節、熱傷をはじめとする外傷など、当院で診断から処置までをきちんと行って、長いスパンで診ることを大事にしています。開院時から看護師と私の2人体制で診療に臨んでいます。看護師の負担もかなり多くなってしまうのですが、頑張ってもらっていますね。
生物学的製剤を使用した治療を行っているそうですね。
アトピー性皮膚炎や慢性じんましん、尋常性乾癬など、長年症状に悩まされ続けている患者さんにより良い治療の選択肢を増やしたいという気持ちがずっとありました。そのため、当院では2023年10月から生物学的製剤を用いた治療を行っており、アトピー性皮膚炎に対して免疫抑制薬を使った治療にも対応できます。治療を試みたもののなかなか良くならず放置してしまっている人や、治療を諦めてしまった人も気軽に相談してください。昨今の皮膚科診療の進歩は目覚ましく、安全性に配慮された有用な製剤も多く開発されています。外用薬を塗る量や手間を減らすことや、ステロイド外用薬の強さを下げることにもつながり、QOL(生活の質)の向上も期待できます。
最後に読者にメッセージをお願いいたします。

別のクリニックで受けていた治療と同じ治療方法や同じ薬の処方を希望する患者さんもまれにいらっしゃいますが、皮膚の状態は治療期間や季節によっても変化するため、定期的に経過を観察して、その時々の皮膚の状態に合った治療や処方を施すことが肝要です。例えばステロイド外用薬の場合、症状の経過によっては、だんだんと作用の強いものから弱いものへ切り替えることで、肌への負担や副作用のリスクを下げながら治療を続けることが望める、といった具合です。そのため、最低でも3回は経過観察や副作用の確認のために、定期的に受診していただきたいです。気になることがあれば、どうぞ気軽に相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは男性型脱毛症(AGA)治療/(初診)3050円、(再診)780円、(処方薬28日分)6000円〜