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橋詰 清江 院長の独自取材記事

漢方内科スペースシン

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2020/04/01

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2018年1月に開業した「漢方内科スペースシン」。木目の床が温かみを感じさせる院内は、友人の家を訪れたかのような居心地の良さがあり、病院だと感じさせない空間だ。クリニック名の「スペース」には、来院した患者との空間や時間を大切にしたいという橋詰清江院長の思いが込められている。院長は、西洋医学だけでは解決できない患者の症状をどうにかしたいと、内科の医師として勤務する傍ら学校に通い中医学を学んだ。最初は自分の体で勉強したことを試し、その効果に「面白い!」と夢中になったという。得意とする冷えの改善をはじめ、多様な不調や不定愁訴に対応。丁寧に問診をし、しっかり話を聞いてくれる橋詰院長を慕い、親子3代で通う患者もいるそうだ。橋詰院長の中医学にかける思いを聞いた。
(取材日2018年4月10日)

症状の改善やメンテナンスにも漢方は役立つ

とても落ち着く空間ですね。

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クリニックらしくない、温かい雰囲気の場所を作りたかったんです。普通のおうちのようなイメージで、木のぬくもりや窓から入る光を感じられるようにこだわりました。以前勤めていた病院で、「病院に行くのが嫌だ」という患者さんの話を聞くことが多かったため、行くのが嫌にならず、楽しみに通えるクリニックにしようと思ったのがきっかけです。当院は問診に時間をかけるので、病気を診てもらいに行くというよりも、楽しく話をしに来ていただけたらと考え、クリニックをつくりました。

漢方内科と鍼治療をされているとのことですが、治療内容を教えてください。

主に、問診で患者さんの話を聞き、舌と脈を診て診断をして、漢方薬を処方したり、鍼に移行します。聴診器も基本的には使いません。中医学では、きちんと舌を見て脈を取ることによって、大体の状態を理解できるとされています。鍼は自費診療で、ベッドに寝ていただいて打っていきます。私は「空間」を大切にしたいと考えており、空間で得られる「体感」を通して、患者さんとの信頼関係を築いていきたいと思っています。そういった意味も込めて、空間づくりはもちろん、鍼の施術専用の部屋も用意したりしているんですよ。当院にいらっしゃる患者さんの症状は本当に多様です。漢方は病名や環境関係なく、子どもから大人まで対応できる分野ですから、体調を整えたいという方はもちろん、今元気だけれどもっと元気になりたいという人にも利用していただけます。

西洋医学の内科とはどのように違いますか。

西洋医学は簡単に言うと症状を治すことが目的です。しかし中医学は、症状を治しさらに予防までもっていくことをめざしています。不調が良くなるのは当たり前という考え方で、良くなったその状態を維持し、最終的に薬を使わず生活できることをゴールとしています。私自身、内科の医師として勤務していた経験がありますので、内科的な判断も踏まえて患者さんの疑問にお答えしています。希望される方には、西洋医学と中医学、それぞれの見方からの診断もお話していますよ。

先生が得意としているのは、どのような治療でしょうか。

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多様な症状や不定愁訴に対応していますが、しいて言えば冷え性や血行が悪い方への治療ですね。ただ、西洋医学ではこういう考え方はしませんが、冷え性は生活改善で症状が治まることも多いんです。例えば、夏の間に冷たいものの食べ過ぎが原因で起こっているケースもあるんですよ。もちろん、ひずみが大きい方は生活を見直すだけでは改善は難しいので、漢方の力も借ります。冷えには、当院で各方面から対応できますから、症状によって治療を提案しています。ただし、漢方も鍼も1回2回で効果が出るものではありません。続けて通っていただきながら、体調を整えていくことが必要です。

西洋医学では解決できない問題の手立てを探して

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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医学部をめざそうと思ったのは高校2年生のときです。母親が元歯科衛生士で、その影響を受け歯学部に進もうと思っていたのです。ところが母に「歯だけじゃなくてオールマイティに治療できたほうが良いんじゃない」と言われ、それもそうだと医学部をめざすことにしたんです。また、子どもの頃に弟が他界してしまったことも、ひとつの理由だったのかなと、今となって思います。医学部に進んだ後の専門は、消化器内科です。消化器内科を選んだのは、おなかの症状で悩む人が一番多いのではないかと思ったからです。自分自身を振り返っても、消化器内科を受診することが多かったので、そう感じたのかもしれませんね。

中医学を学ぼうと思ったのはなぜですか?

聖テレジア病院に勤務していた際、心因反応だという患者さんが紹介でいらっしゃったんです。心に原因があるということなのですが、検査をしてみたら、肉体的な異常は本当に何も見つかりませんでした。そこで患者さんに「異常がありませんでした」とお伝えしたところ、ため息をつかれてしまったんです。その反応を見たときに、検査だけでは解決できない問題があることに気づきました。他に手立てはないだろうかと考えていた頃、遼寧(りょうねい)中医大学附属日本中医薬学院を紹介していただきました。私が医学部の学生だった時代は漢方の講座がなく学ぶきっかけもなかったものですから、とても興味深く感じ、仕事をしながら学校に通って勉強を始めたんです。日曜は学校、それ以外は仕事と、とても忙しかったのですが、それ以上に勉強の内容が面白くのめり込んでいきました。

印象に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。

不登校の患者さんがお母さんに連れられて来たことがあります。1学期はちゃんと通えていたのに、夏休みを挟んで9月になったら朝起きられなくなり、学校に行けなくなってしまったのです。本人は学校が嫌いなわけではなく、行きたいという思いはあるのに、朝起きられないから行けないという状態でした。よく話を聞いてみると、夏休みの間の食生活に問題があることが分かりました。冷たいものをたくさん食べすぎてしまっていたんですね。それで「夏バテ起こしているんだよ」と伝えました。食生活を改善し漢方を使ったところ、だんだんと改善していき朝起きられるようになり、学校に行けるようになりました。中医学は、漢方の力と、本人が日常生活を変えていこうという努力が必要なんです。

本人に努力していただけるように、診療ではどのような工夫をされているのでしょうか。

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皆さんに納得していただくことを大切にしています。どうしてこうなったのか、どういうところがいけないのか、普段食べているものについてのアドバイスなど、写真等を使いながら分かりやすくお伝えするように努めています。私がお話しするのは、自分で変えられる部分についてです。西洋医学だと「この薬じゃないと駄目だよ」となってしまいますが、漢方は日常生活の改善がとても重要です。皆さんそれぞれができる範囲で日常生活を変えていき、症状が良くなってそれを保てるような改善の方法も一緒にお伝えしています。

体の不調と向き合うことは自分をケアするチャンス

休日はどのように過ごされていますか。

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双子の娘がいるので、子育てや家の中のことをしています。双子でも性格が正反対で、上の子は夫と町探検に行くのが好き、下の子は家にいるのが好きなんです。そのため私は下の娘に合わせて留守番することが多いですね。あとは、今は忙しくてなかなかできませんが、旅行や温泉が好きです。また食べることも寝ることも好きです。人を診る仕事をしている以上、自分のこともきちんとケアしなくてはいけません。仕事をして、食べて、休むというバランスを大切にして生活しています。

今後の展望を教えてください。

自分で自分の養生をしっかりできる、ケアできる人が増えると良いなと思っています。元気な人がより元気になっていけるような環境にしたいんです。病気を治すだけでなく、メンテナンスのためや、より良い状態になるためのお手伝いができれば良いですね。

読者の方へ、メッセージをお願いします。

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嫌だなと思うことは、誰でもありますよね。けれどそれは考え方を変えてみるとチャンスなんです。自分の体の不調に向き合うことを、自分をケアするチャンスだと考えてもらえると良いと思います。皆さんがピンチをチャンスに変えてくれたら良いですし、そのきっかけづくりの役に立てれば最高です。命あるものはいつかその命が終わりますが、それまでの間、いかに元気でいられるかということに目を向けていきましょう。そのための選択肢の一つとして、漢方や鍼に興味を持っていただけたらうれしいですね。

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