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竹綱 庸仁 院長の独自取材記事

たけつな小児科クリニック

(生駒市/学研北生駒駅)

最終更新日:2022/04/14

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック main

学研北生駒駅より徒歩約3分、ファミリー世帯が増えている新興住宅地域にある「たけつな小児科クリニック」。母校の大学病院や生駒市の市中病院で多くの経験を積んできた院長の竹綱庸仁(のぶひと)先生が運営する、子どもと親のためのクリニックだ。発熱や腹痛、風邪といった一般的な内科疾患だけでなく、アレルギーやてんかん、発達相談など子どもの心と体の不調に広く対応。充実させた医療設備や長めの診療時間もクリニックの大きな特徴だ。クリニックでの診療のことのみならず、「いつか地域の小児専門病院の立ち上げに携わりたい」との広い視野を持つ竹綱院長に、クリニックの役割や小児医療への思いを語ってもらった。

(取材日2021年7月7日)

幅広い分野に対応するため検査機器を充実

小児科医になったきっかけや開業までの流れを教えてください。

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック1

祖父が小児科医でしたので、小さな頃から身近な職業でした。祖父は園医もしていましたので、祖父の葬儀に参列した園児たちが自分のおじいちゃんでもない祖父の死に泣いてくれている様子を見て、自分もそういう存在になれればいいなと思うようになりました。大学卒業後は母校の大学病院で2年間研修医をした後、そのまま残って7年間、小児科で研鑽を積みました。大学病院といっても市民病院に近い感じで、24時間患者さんの対応をしたり、ドクターヘリで重症患者さんが搬送されたりと、一次から三次医療まで幅広い患者さんに携わってきました。その後、もともと住んでいた生駒の病院で小児科の立ち上げの仕事に携わり、4年半勤務した後、より自分自身の想いを形にしやすい「開業」という選択をしました。

開業の際にここを選ばれた理由と、開業されての印象を教えてください。

もともと生駒出身ですし、生駒の南のほうには小児科がありますが、北のほうにはかかりつけ医になるような小児科が不足していたこともあって、この地域を選びました。ここは、けいはんな線でつながっていますので大阪に通勤しやすいため、子育て世代のファミリーが多く住まわれている地域です。当院は病児保育もしていて、仕事をしているお父さんお母さんのお役に立ているのではないかと思っています。いろいろなことを手広くやっているからか、面識もない奈良県内の大規模病院の先生に、「たけつなに行っているのなら大丈夫ですね」と言われたといったことも耳にするので、ありがたく思うとともに、より頑張らなければいけないと責任も感じています。

小児科ではあまり見ないような検査機器なども導入されていますね。

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック2

例えば生化学検査の装置は小児科ではかなり珍しいと思いますが、当院では開業当初から入れています。脳波検査装置もあるので、てんかんの検査も院内で可能です。新型コロナウイルス感染症のPCR検査機器も入れ、1時間で結果を出すことも可能ですので、お困りの方のお役に立てているのではないかと思います。先ほどもお話ししたように、奈良の小児医療は十分でない点もあり、可能な限りの設備を整える必要があると考えています。具体的には、大阪なら24時間365日救急を含めて駆け込める小児科がどこかにあるのですが、奈良はそうではない。そのため、ここである程度までは対応できる体制を整えておかないといけないという気持ちがあります。内科的な疾患だけでなく、皮膚科や外科など幅広い分野においてオールラウンドで診れるクリニックでありたい。「たけつなに行ったら大丈夫」という感覚を持ってもらいたくて、そのためにも設備を充実させました。

患者の病気を診るだけでなく親の不安な心にも寄り添う

地域のかかりつけ医的な存在として何をすべきと考えておられますか?

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック3

当院は病児保育も行っていますし、言語発達が遅い子のトレーニングもしています。求められているものは非常に大きいと感じています。その期待にどこまで応えていけるかというところまで来ているのかなと思います。僕は「できない」とは絶対に言いたくない。皆さんのニーズに応えて、「あそこに行って良かったね」と言っていただけるような存在になりたいと思っています。では、ニーズは何かと言われるとその時その時で変化していくので「これ」とは言えないのですが、今なら新型コロナウイルス感染症への対応でしょうか。また、これは常に考えていることなのですが、奈良には小児専門の大きな医療機関がほとんどありませんので、そういう施設を生駒市につくりたい。そんな仕事に携わりたいと考えています。

治療において心がけていらっしゃることは?

治療というと、実は子どもの場合、8割は自分の免疫力で治癒するのが現状です。残りの2割が治療が必要な子どもで、その子どもたちの病気を見つけるのが、僕ら小児科医の仕事。では残り8割は診なくていいのかというとそうではなく、そこには親御さんの不安がありますので、アドバイスや風邪薬の処方など、親御さんにも安心してしていただくようなアプローチをしていくことも大切です。その安心のためには、診療時間を工夫したり、設備投資をすることも必要です。また、当院はホスピタリティーを大切にしています。遊園地のようにとまでは難しいですが、子どもも大人も、また行きたいなと思える場所にしていくことも大切だと思っています。

確かに、お休みも少なく診療時間も長いですね。

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック4

先日も、ある小児科の先生に「お盆はどうするの?」と聞かれたのですが、当院はお盆休みなしで診療する予定です。新型コロナウイルス感染症の流行でどこにも行けない、というのもありますが、何よりも必要としてくれる患者さんがいますしね。年末年始も2日か3日しか休まないんですよ。当院が開いていることが皆さんの安心につながるのでしたら、それでいいと思ってます。

心に残る患者さんのエピソードなどはありますか?

当院では食物アレルギーの負荷試験を行っているのですが、もし、この負荷試験を通して、食べられなかったものが食べられるようになったらうれしいですよね。他には、エピソードではないかと思いますが、勤務医時代を含めてたくさんのお子さんの診療を行って研鑽を積んできましたので、お子さんの命を守っていくことについては自負があります。

患者親子の幸せが自分の幸せにつながっていく

ご自身の健康のためにされていることがありましたら教えてください。

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック5

実は、特に健康管理はしていません(笑)。僕は今、コロナ禍の中で仕事があるだけでも幸せなことですし、小児科医という仕事が僕は天職だと思っているんです。好きなことをやらせてもらっていますし、患者さん親子が幸せと感じてくれることが、僕自身の幸せにもなります。そういったことが、自分の中では健康維持になっているのではないかと感じています。逆に、時間があると何をしていいかわからないですね。診察室にいて患者さんに向かっていろんな話をして……、というのが僕の健康法なんです。僕はきっと死ぬまで小児科医なんだろうと思います(笑)。

今後の展望を教えてください。

当院だけでできるわけではないのですが、24時間365日いつでも対応できるように、小児科医療をもっと充実させていきたいと強く感じています。冒頭にお話ししたように、入院も含めて小児科専門の二次的な医療機関を作っていくのが僕の大きな目標の1つなのですが、一番の希望というか理想は、自分の診ている子どもたちが将来小児科の医師になって、僕の想いをつないでいってくれることです。今はそのような思いで子どもたちに向き合いながら、日々診察に臨んでいます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

竹綱庸仁院長 たけつな小児科クリニック6

お子さんの体調が悪くなった場合、まずはご自宅で様子を見ると判断するのではなく、心配なことがあれば気軽に受診してもらえればと考えています。小児科に関しては、急変して悪化してからだとそこから治療をしていくのにとても時間がかかったり入院しなければならなかったりします。そうすると、会社を休まなくてはいけなくなるなど、ご家族にも制約がかかってきます。早めに受診していただけたら、僕らができることはゼロではないと思いますので、咳や鼻水だけでも構わないですし、他のちょっとしたことでも構いません。何か心配なことや不安なことがあったら、当院でも他でもいいので、小児科のクリニックにご相談いただくのがいいでしょう。

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