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松岡 訓 院長の独自取材記事

まつおか内視鏡内科

(富山市/栄町駅)

最終更新日:2021/12/03

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科 main

富山地方鉄道不二越上滝線の栄町駅を下車、駅を背にして常願寺川方向へ10分ほど歩くと、左手に「まつおか内視鏡内科」が見えてくる。途中通過する富山県立中央病院の内視鏡センターで腕を磨いた、松岡訓先生が院長を務める。人生は挫折の連続だったという松岡院長は、自称・久留米大学自動車部出身だと笑う。もちろんそんな学部はなく、学生時代は自動車のオフロードレースに打ち込む日々を過ごしたとのこと。同志社大学工学部から再受験して医学部に転じたものの部活に打ち込み、流れで選んだという消化器内科。医師5年目の奮起で内視鏡と「運命の再会」を果たし、今はこの道にまい進する。話を聞くほどに熱い人柄が見えてくる、魅力的なドクターだ。そんな松岡院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2021年10月20日)

内視鏡検査は自分に向いていないと思い込んでいた

医師の仕事を選んだいきさつを教えてください。

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科1

実は、医学部には再受験で進学しました。小学生時代から将来は医師になりたいと思っていましたが、高校の成績は低空飛行で散々でした。父はサラリーマン、母は教員で、三者面談の時はいつも父が同行し、担任から毎回「医学部は難しい」と言われ続け、大学進学さえ危ぶまれていました。友人の助けを得て勉強し、なんとか同志社大学の工学部に進みました。両親も祖母も喜んでくれましたが、大学で授業を受けていても何か違うと思ってしまって、勝手に大学を辞めて荷物を実家に送り返しました。案の上、父親から厳しく叱られましたが、がむしゃらに勉強し、福岡県にある久留米大学医学部に何とか入学できました。

消化器内科を選んだのはどうしてですか。

これといった決め手はありません(笑)。初期研修で厚生連高岡病院に入ったのですが、最初の2年ほどは内視鏡にはあまり興味がありませんでした。自分には向いてないと勝手に思い込んで避けていたんです。医師になって5年で身内の事情でクリニック勤務をすることになったのですが、何もわからない状態からのスタートでした。それでは駄目だということで拾ってくれたのが、富山県立中央病院の内視鏡センターでした。そこから真剣に内視鏡に向き合い、クリニック勤務と2足のわらじを履いて働きました。今の僕があるのはすべて富山県立中央病院の先生方のおかげであり感謝しかありません。

その後、ご自身で開業することになったのですね。

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科2

出身は富山県の滑川で、中学・高校は地元でした。両親から「大学卒業後は地元で」と言われていたので、卒業後すぐに富山に戻り、勤務先の病院で10年かけて消化器内科の医師として育て上げてもらいました。指導してくださった先生方への恩返しとして、また地域への社会貢献として、専門性の高い内視鏡診療をクリニックの規模でやりたいという思いがあり、この地を選びました。2017年10月に内科主体で開業しましたが、2020年12月までの期間で7198件の内視鏡経験を積み、当院に対する内視鏡のニーズの高まりを感じ、2020年5月にクリニック名を変更しました。2021年10月には内視鏡検査数が延べ9700件となり、スタッフ共々身が引き締まる思いでいっぱいです。

女性だけの検査日を設けて早期受診を促進

どんな患者が多く通われていますか。

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科3

性別で見ると女性が多いですね。世代は幅広いのですが、20代後半くらいから患者さんが増えてくる印象です。全体の8割がお勤めの方で、現役世代が多いということなのでしょうね。健康診断で要検査となり来院される方も少なくありません。10代の患者さんは、がんが疑われるよりも、ストレスで胃腸を壊した方のほうが圧倒的に多いです。受験期のお子さんも受診されます。親御さんが体調を崩して来院された時にお子さんの相談を受けるケースもあります。全体的に訴えとして多いのは、胃の調子が悪い、血便があるなどの相談ですが、その原因として考えられる炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎を見逃さないように注意をしています。

「つらくない内視鏡検査」をめざされているそうですね。

一般的に大腸検査は、スコープが細ければ楽と思われがちですがそうでもありません。ちょっと考えてみてください。大便って細くないでしょう? スコープを入れて痛みを感じるのは、大腸のねじれにスコープが当たったり、スコープ操作で大きなねじれを作ることが原因となります。そこに気をつけて対応すれば、麻酔がなくてもそれほど痛くないですし、痛みの理由がわかれば意外と頑張れると思います。痛いのもその瞬間だけ、少し我慢してもらえれば乗り切れますとお伝えしておくと「意外に平気だ」と感じる方も少なくありません。もちろん、スコープの入れ方にも工夫をしています。大腸のねじれは人それぞれ異なるので、挿入角度や力の加減を調節するなど、スコープの特徴を掌握した上で操作しています。

女性だけの検査日を設けているそうで、ちょっと珍しい気がします。

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科4

日本人の40歳以上の女性でがんと診断された方のうち、消化器がんの中では特に大腸がんが多く、増加傾向にあります。ただ、検査はつらくて恥ずかしいというイメージがありますよね。自分はまだ若いので大腸がんはないと思っている人も少なくありません。そのため、内視鏡検査まで至らないケースも多いのです。一方、がん発見時には既に進行がんのケースもあり、入院となれば仕事を休んだり辞めたり、キャリアや家庭生活にも影響します。当院は毎日20人を超える内視鏡検査を行える体制としており、そのうち大腸カメラは10人前後受け入れられる体制を取っています。予約をしていただければいつでも受けられるのですが、やはり女性だけの検査日があったほうが心理的ハードルを下げられるのではないかと考えて、選択肢としてレディースデイを設けました。

開業医が役割を担い、基幹病院の質を維持したい

診療の際に心がけていることを教えてください。

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科5

患者さんには「人生の先輩や若い方」など価値観の異なる方がたくさんいらっしゃるので、しっかりとお話を聞かせていただくのが重要と思っています。私も人間なので調子に乗ってしまうこともあるのですが、節目節目で初心に戻り、なぜ開業したのか、なぜこの仕事をやらせてもらっているかを考え、体調の悪い方が自分を頼ってきてくれることの意味を常に自問自答するよう心がけています。あとは院内のトイレ掃除を率先して行っています。スタッフも含め当院にいらしてくださるすべての方に快適に過ごしていただきたいと思っています。

気分転換には何をされていますか。

医学部在学中、部活に夢中になった時期もありました。自動車のオフロードレースにどっぷりはまり、モーターショップに足しげく通ったおかげで車のことをいろいろと学びました。今はレースはやめていますが、その経験が仕事に生きています。内視鏡検査の技術を磨くため、中古ファイバースコープを分解し機能を徹底研究しました。それから解剖学的に腸の構造を理解し、無理のないスコープ操作を学びました。最短でコーナリングするためには、ブレーキとアクセルとハンドルをタイミング良く動かし、適切な荷重移動を起こし理想のラインに乗せることが大切です。車の運転と内視鏡操作は考え方が似ているので役立っています。レースでは中部地区戦で年間3位になったこともありますが、今はそのエネルギーを内視鏡にぶつけておりノーストレス。仕事が趣味みたいなもので楽しくてしょうがないです。

今後の展望や読者へメッセージをお願いします。

松岡訓院長 まつおか内視鏡内科6

昨今、地域の基幹病院の規模縮小が行われ、入院から在宅へという流れが加速しています。しかし、基幹病院を頼りにする患者さんは多く、病院はいつも混んでいるため、基幹病院の先生方の疲労感は尋常ではありません。そこで、私たち開業医が検査や術後の管理などできることを担当することにより、基幹病院の先生方が本来すべき仕事に集中でき、結局は患者さんへのしわ寄せが減ると考えるのです。開業医が技術を磨き、的確な病診連携を行うことで、地域全体へ良質な医療が提供されることを願います。最後に読者の皆さんにお伝えしたいことは、市販薬を服用しても改善されないようないつもとは違う体調不良の際は、まずは病院を受診して検査を検討されることが大切だと思います。ご自分で考えてから検査をするのでは順番が逆で、検査をしてから考えるという進め方も覚えておいていただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

内視鏡検査(胃カメラ/経口・経鼻)…1万8000円
内視鏡検査(大腸カメラ)…2万8000円
腹部エコー検査…9500円

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