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廣野 大介 院長の独自取材記事

こうの整形外科・漢方クリニック

(豊中市/千里中央駅)

最終更新日:2019/08/23

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大阪市営地下鉄・千里中央駅から南へ。住宅街の中に建つ新しいクリニックモールにある「こうの整形外科・漢方クリニック」。廣野大介院長は専門の整形外科に加え、漢方薬を駆使して慢性的な痛みを和らげる診療を積極的に行っている。西洋医学に加え、東洋医学も駆使するのは「痛みに向き合うことが整形外科クリニックの地域医療での基本的な役割」と語る廣野院長らしい多角的なアプローチと言える。検査では異常が見つからないのに痛みに悩まされていた患者を治療した経験から、漢方薬を取り入れた治療に開眼。その後、関西で漢方治療の中核的な医療機関とされている兵庫県立尼崎総合医療センターで漢方内科に取り組んだ。西洋と東洋の医学、双方を融合し治療に取り組む廣野院長にインタビューを行った。
(2017年12月26日)

西洋医学と漢方治療を融合させて痛みを取り除きたい

整形外科と漢方の組み合わせでの診療は珍しい気がします。

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整形外科の医師が患者さんに対して何をしてあげられるか、ということを突き詰めて考えると患者さんが訴える痛みにしっかりと向き合うことだと思うんですね。整形外科と漢方という治療法は実は相性が良いと考えています。天気が悪いとどうも調子が悪いとか、季節が移ろい寒くなってくると痛み出すとか、患者さんの体質や症状が起こるに至った歴史やライフスタイルによって事情はさまざま。ですが西洋医学だけでは、そういった諸事情を処方として反映させるのはなかなか難しいんです。もちろん、レントゲンや画像診断といった検査で原因をしっかり特定して西洋医学的な治療をしっかりやるのは当然だと思います。しかし実際の臨床の場では原因が明らかでないのに症状が存在したり長引き、治療が定まらないことをよく経験します。そういう時に視点を変えて、漢方からアプローチすることは有効だと思っています。

どういったきっかけで漢方を取り入れようと思ったのですか?

まだ私が総合病院で整形外科の研修医として働いていた頃に遡ります。慢性的な膝の痛みに悩まされている女性の患者さんがいて、すでに通院中のクリニックからは鎮痛薬や湿布を処方されていました。その処方が効いている感じはないけれども手術の適応はないからこれしか治療法はない、と言われていました。でも実際痛いので何か手がないか病院を変えて頼って来られたのが私の外来でした。その期待に応えたい、何か手がないか、同じ医師である父のアドバイスを受け、漢方薬を処方してみたんです。すると症状が緩和してきたんです。私自身、漢方は体質を改善しながら、症状をゆっくりと和らげるものだと思っていましたから本当に驚きました。その衝撃的な経験が漢方に興味を持ちはじめたきっかけです。

漢方を専門的に学ばれたとのことですが……。

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日本整形外科学会整形外科専門医の資格を取得した後も漢方への興味が衰えることはありませんでした。だから、総合病院で勤務医として働きながらも休みの日はセミナーに出て、漢方を学んでいましたね。整形外科の医師としての仕事、それも総合病院の勤務医は一般外来のほかに救急治療に手術と多忙です。それでもコツコツと漢方の勉強を続けられたのは研修医時代のあの驚きがあったから。勉強を続けるうちに、もっと専門的に漢方をやりたいという気持ちが強くなって、兵庫県立尼崎総合医療センターの漢方内科を選んだんです。こちらは関西では漢方治療の中核的存在の医療機関。独学で学んできた知識をしっかり整理して体系的に使いこなせるようになったのは兵庫県立尼崎総合医療センターの漢方内科での臨床経験に負うところが大きいと思います。

患者の目線に立ったスタンスを身に付けた研修医時代

医師を志したきっかけは?

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父が整形外科の医師だったんですね。親に対して反発していた訳ではないんですが、中学生の頃は医師をめざそうという気持ちは特にありませんでした。でも、高校2年の頃に、救急救命室を舞台にしたアメリカのテレビドラマを見たんです。専門的な医療知識が盛り込まれたスリリングなストーリーに引き込まれていく中で、手術や治療を冷静に進めていく整形外科の医師ってかっこいいなと思ったのがきっかけですね。ちょっと単純なエピソードで恥ずかしいんですが……(笑)。実は勉強はさぼり気味だったんですけど、それからは心機一転、勉強に打ち込みましたね。医師をめざして、一緒に受験勉強を頑張った仲間は今でもいろいろなことを相談し合える友人です。

医師としてやっていく上で糧となった経験は?

研修医として勤務した洛和会音羽病院での経験が医師としての基礎を形づくっていると実感しています。若い整形外科の医師を育てようという情熱を持った元津先生という方が整形外科部長だったんですが、この方の部内の動きを管理する能力がすごかったんです。ある患者さんの治療方針について相談しようと思っていると、「オペはこの日で組んどいたから」と指示されるんです。私が相談する前に状況を把握して必要な手をすでに打ってあるんです。だから、この病院では医師として本当に濃密な時間を過ごすことができました。着任後の1年間で多くのオペを執刀し、貴重な経験を積むことができたのも元津先生のおかげですね。治療のスタンスという上でも大きな影響を受けました。

具体的にはどういった影響を受けられたんでしょうか。

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例えば、関節が動きにくくなったり、痛みで歩きづらい患者さんの足の運びや姿勢をしっかり記憶して経過が快方に向かっているのか、悪化しているのかをしっかり把握する観察力の大切さを学びました。それと患者さんに対する時のスタンスですね。患者さんと目線を合わせて、症状をわかりやすいように客観的に説明することも重要だと思います。もともと、私はゆっくり話を進める性格なんですが、元津先生の診療を見て、より丁寧な説明を心がけるようになりました。先ほど、漢方治療を試みて慢性的な痛みが和らいだ患者さんの話をしましたけれど、その衝撃的な経験もこの病院でのことでした。

地域の人々の健康に寄与するために

どのような医療を展開していこうと開院されたのでしょうか。

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私は難しい手術を成功させる整形外科の医師に憧れて医師を志しました。でも、漢方という方法論に出会って医師としての視野が広がったと思っています。例えば、診察する時も患者さんの今までの生活史やライフスタイルにまでアンテナを張るようになったんです。漢方は身体の機能が乱れることで症状が出ると考えるんですね。だから、日常の暮らし方や身体の動かし方の癖に着目し、治療へとつながる道を探っていくんです。以前はレントゲンや検査結果を見て症状の原因を判断することに注力していましたが、漢方に出会ったことで、患者さんの日常生活にまで着目するようになりました。漢方を通して、地域の患者さんと密接につながることができるクリニックでの診療を展開していこうと開業したんです。

先生が展開している漢方治療を具体的に教えてください。

漢方というと保険が適用されないのではとか、生薬だから飲む手間だったりタイミングが煩雑といった面倒なイメージがあると思います。でも、それは昔の話なんです。私たち医師が使っている漢方薬は保険が適用されますし、生薬の成分を抽出し粉砕したもの。顆粒や錠剤になっているので一般的な薬と同じように白湯や水で飲めばいいだけなんです。手軽に服用できるものなので、興味を持たれたら気軽に相談していただきたいですね。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

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私は整形外科の医師としてのキャリアで培った西洋医学と兵庫県立尼崎総合医療センターの学んだ漢方内科のスキルという2つのツールを持っています。相反する知識のように思えるかも知れませんが、実際はこの2つの方法論は補い合うもの。どちらも私の医療活動に欠くべからざるものになっています。例えば、子どもさんがけがをされたら整形外科の医師として適切に対処できますし、来院の際に同時にお母さんから漢方による体質改善の相談を受けるといったことにも対応可能。高齢者の方が悩む長年の肩凝りを整形外科の医師として、漢方内科の医師としてと多角的な観点から診られると思います。いろいろなことを相談できるホームドクターとして、地域の方から頼りにされる存在として、皆さまとともに歩んでいきたいと考えています。

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