患者に配慮した白内障の日帰り手術
技術と声かけで不安を和らげる
鈴木眼科クリニック名東
(名古屋市名東区/上社駅)
最終更新日:2023/03/15
- 保険診療
誰もが一度は聞いたことのある「白内障」。加齢などによって徐々に目が見えにくくなる病気だが、今日では日帰りで容易に手術できるようになった。とはいうものの、手術と聞くとやはり不安を覚える人も多いことだろう。痛みや所要時間も気になるところだ。そこで20年以上、白内障手術に携わってきた「鈴木眼科クリニック名東」の鈴木宏光院長に、白内障手術についての疑問をいろいろぶつけてみた。同院は、インターネットの情報などではなく、実際に治療を受けた知人や家族からの紹介で来院する患者が多いという。そして、鈴木院長自身も他医院から白内障手術を依頼される経験豊富な医師だ。話を聞くうちに、「上手な手術」というだけではなく「患者に優しい手術」を医院全体でめざしている、鈴木院長の熱い思いを知ることができた。
(取材日2022年10月11日)
目次
白内障手術に誇りを持ち、患者の痛みや不安を軽減するため、どこよりも「優しい手術」をめざす
- Qそもそも白内障とはどのような病気なのでしょうか?
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A
目に入っているレンズ(水晶体)が濁って、見えにくくなる状態が白内障です。軽度のものを含めると60代で約7割、70代で約8~9割、80代ではほぼ100%になります。ほとんどが加齢によって誰もがなるものなので、病気と呼んでいいか難しいですね。症状としては徐々に見えにくくなることが多く、自分でも気づかないこともあります。例えば、運転免許の更新で視力検査が通らなかったり、夜間の運転中に対向車のヘッドライトをまぶしく感じたり。「以前に比べて見にくくなった」「まぶしく感じる」と気づいて、来院されることも多いです。また視力が良くても白内障が進行している人もいます。薬では治療が難しいので、手術治療を行います。
- Q目を手術することに不安を覚えます。痛くはないのでしょうか?
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A
実は僕自身が予防接種や採血をされるだけで緊張してしまうタイプなので、そのお気持ちはよくわかります。だから、なるべく「痛みを感じにくい手術」「患者さんに優しい手術」をめざしています。手術では麻酔の点眼薬をしますし、人工レンズは折りたたみ式で、ほんの2~3ミリ切る程度ですから痛みを感じることは少ないと思います。手術中もなるべくお声がけをし、少しでもリラックスしていただくようにしています。白内障手術で期待できる身体的・精神的なメリットは大きいと思いますよ。
- Q手術までの流れと、その後のフォローについて教えてください。
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A
まず手術となりましたら手術日を予約いただき、その日に合わせて手術前検査の日程を決めます。検査結果を踏まえて手術の説明の日に来院し、その後は手術日に来ていただく流れになります。僕は手術前から手術が始まると考えているので、説明は丁寧に行います。手術当日は診察後、瞳孔を開く点眼薬と麻酔の点眼薬をさしてリカバリー室で待機していただきます。手術を受ける方は複数名いらっしゃるので順番にお呼びします。手術自体は通常5分ほどで終わり、休憩後、およそ2時間後には帰宅できます。フォローとしては木曜日が手術日なので、手術後の金・土・火曜日に診察に来ていただき、問題がなければ1週間、2週間、1ヵ月後の診察になります。
- Q手術後の生活で気をつけることはありますか?
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A
手術後に透明の眼帯をつけていただきますが、大事なのは、うっかり触らないこと、濡らさないことです。そして、当日は、お風呂と自動車の運転を控えていただきます。手術した目さえ濡らさないようにすれば、お風呂は翌日から入れます。お仕事は、デスクワークなら当日から可能です。洗顔やシャンプー、激しい運動、体を使うお仕事などは、火曜日の診察まで待っていただいて、その時に問題がなければしていただいて構いません。いろいろとご不安があるかもしれませんが、僕も含めてスタッフ全員でサポートさせていただきますのでご安心ください。
- Q実際は何歳ぐらいの患者さんが多いですか?
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A
白内障は主な原因が加齢なので、やはり70代、80代の方が多いですね。でも、50代、40代以下でも症状が出る方もいらっしゃいます。例えば、アトピー性皮膚炎の患者さんだと、かゆみで目をこすったり、ステロイドの薬を処方したりするせいか、20代で症状が出る方もいますよ。強度近視の方、糖尿病の方も若い年代で症状が出る場合もあります。いずれにせよ緑内障など、ほかの病気もあるので、50歳を超えたら年に1回は検査を受けることをお勧めしますね。長生きをすれば、ほとんどの人が白内障になりますので、手術するタイミングは眼科医と相談するといいと思います。