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重松 浩司 院長の独自取材記事

しげまつ整形外科・手の外科クリニック

(東大阪市/八戸ノ里駅)

最終更新日:2023/05/01

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック main

八戸ノ里駅から徒歩2分の「しげまつ整形外科・手の外科クリニック」は、「手」の診療・治療を得意とする重松浩司院長が2017年に開業。看護師、放射線技師、理学療法士といった人材をそろえ、診察から手術、術後ケア、リハビリテーションまで、一貫診療が可能ないわば「手の総合病院」的な存在だ。子ども連れでも通院しやすいキッズルームも完備。周辺の大学病院や医療センター、クリニックからの紹介で来院する患者も多いと言う重松院長に、疾病や診療内容、診断に関する注意点など、手にまつわるさまざまな話を聞いた。

(取材日2018年3月24日)

「手」の複雑な構造・機能に魅せられて20年

「手の外科」とは聞き慣れない方も多いと思います。どのような患者さんが来られるのでしょうか。

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック1

腱鞘炎、神経障害、関節の病気、骨折ほか、手に発症することが多いリウマチなどの患者さんの診療が多いですね。構成する要素は神経、血管、骨、腱など。整形外科全般に言えることですが、妊娠・出産・閉経などホルモンバランスの変化、骨粗しょう症などが関節や骨に関わってくることから、女性の患者さんが多いんです。リウマチもそうですね。私は高校生の頃、野球をやっていたのですが、野球肘で断念したこともあり、スポーツ整形の分野に興味がありました。身内が重い病気になるなどさまざまなことも重なり、本格的に医学部をめざしたのが高校3年の夏。医学部に進学し、整形外科の医師になりました。そのまま肘を専門にやろうと思ったんですけど、肘以上に手が面白かった。そして「手の外科」を自分の専門に選んだんです。

「手が面白かった」とは、どういうところでそう感じたのですか?

手は5本の指それぞれがつまんだり、握ったり、開いたりと細かい複雑な動きをしています。哺乳類の中でそのように手が使えるのは、サルと人間。進化の中で手がなかったらできないことがたくさんあります。手の複雑な機能、それを動かすための組織である骨や関節、腱、神経など複雑なものが絡んでいるので面白いんです。逆に言えば、動かなければ本当に困る部位でもあり、そこを自分の知識や技術で何かができるという醍醐味もあります。出身の香川大学で3年ほど整形外科で学んでいましたが、そこで手が面白いと気づきました。それで切断された親指をつなぐ手術を行った玉井進名誉教授がいる奈良県立医科大学で学ぶべく関西にやって来たんです。それ以降はずっと手一色。20年続けてきて「飽きないのか」と聞かれますが、興味は尽きませんね。

開業したのはどういった理由からですか?

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック2

私自身がやりたい医療があったからなんです。開業前、私は市立東大阪医療センターに勤めていたのですが、大きい病院だと小回りが利かないこともあり、患者さんの手術前から手術、手術後、リハビリテーションまで診ることができない状況で、だんだんと「ずっと一貫して診られる施設をつくりたい」と考えるようになり、それが開業の理由となりました。開業にあたっては、これまで診ていた患者さんが継続して来院できるように、前の勤務地に近いこの土地を選びました。ここ東大阪市は50万人都市ですが、「手の外科」は専門性が必要とされるため、私を含めほんのわずかしかいないんです。なので、以前から診ていた患者さんも大勢来てくださっていて、開業をきっかけに通院を再開してくれた方を含めたら、さらにその数は多くなると思います。

手術も連日執刀、「手」の一貫診療をめざして

手に悩みを持った患者さんが多いのですね。

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック3

お話を聞いて診察をすると手の疾患が見つかることが多いですね。他の病院で首だと言われて治療したけど改善しない、すると手の病気だったということもあり得ます。手の違和感は首が原因であることが一番多いのですが、その中で隠れている手の疾患もあり、治療しないと残念ながら手遅れになってしまう方も。私はそれも嫌で、一刻も早く手の疾患を見つけるには、患者さんが一番最初に来院する町の開業医が良いと思ったんです。初期段階で疾患が見つかれば適切な治療ができたり、即手術したりすることができます。「手術して良かった」「先生で良かった」と言われることが一番うれしいですね。診断から治療、手術、投薬、リハビリテーションまで関わり、治療を終える方を見られるのがいいですね。

連日、クリニック内で手術を行っておられると伺いました。

はい。幸いにして手は局所麻酔が効きやすく、足は元気ですから日帰り手術が可能です。ですから当院には入院施設はありません。2017年6月から2018年3月までに行った件数は223件で、月曜から金曜まで、コンスタントに1日1件~2件。多いときは1日で3件執刀することもあります。手術をするかどうか判断基準は2つ。1つは患者さんのニーズ、もう1つは「これ以上悪くなったらまずい」というボーダーラインまでいけば手術を行います。高齢の方はゆっくり治したいと希望されてリハビリテーションを含めて治療しますが、タイミングを逃さないように「そろそろ手術を」と勧めることもありますし、若い方でしたら仕事に応じて即手術、あるいは仕事に合わせて調整します。

手の疾患を中心に、先生がやりたかった診療が実現していますね。

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック4

「それだけできたら満足でしょう」と皆さんに言われますね(笑)。もちろん手が専門ですが、プラスして膝や腰が痛いという患者さんも当然いらっしゃいます。一方で大規模病院や他のクリニックからの紹介で来られる患者さんも多いのが特徴。特にクリニックからクリニックへの紹介は珍しいと思いますよ。患者さんのリクエストや診断が正しいかどうかの診療目的、手術などさまざまな紹介がありますが、これも近隣との医療連携が良好に機能している証かなと思います。手に関しては長くやって来た分専門性はあるので、今は腰痛など他の部位の勉強会に参加し、いろいろ学んでいます。もともと市立東大阪医療センターにいましたから、他の科目でしたら大きな病院の専門の医師を紹介するなど連携もしています。

初期介入が重要、「手」の悩みは専門家に相談を

幅広い診療を実現するため、町の診療所でありながら、設備や機能性はまるで総合病院のようです。

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック5

一貫診療が目標でしたので、レントゲン装置や骨密度検査装置などの医療機器、手術室、リハビリテーションルームなど、必要と思うものはすべてそろえました。生物学的製剤によるリウマチ治療を行うための点滴室も設けています。また、私自身5人の子どもを持つ親だけに、子どもを連れての通院が大変なのがよくわかるので、親御さんたちが来やすいようにキッズルームも作りました。看護助手の1人が保育士の免許を持っています。このほか手術室経験のある看護師、診療放射線技師、理学療法士らスペシャリストをそろえています。ソフト、ハード両面において、1つの施設で安心できる環境がつくれたと思っています。

きめ細かな診療を行うと、やはり待ち時間も長くなるのでしょうか。

ええ、長くお話しすればするほど、患者さんの今後の診療にメリットがある情報が得られることは確かなんです。私が診察の中で話すこと、患者さんが話してくれる情報は非常に大切です。ただ、そこは節度を持たないといけませんね。あまり長くお待たせして申し訳ないですし、今後の課題ではあります。診療方針としては、整形外科では「高齢だから仕方ない」と言われることがよくありますが、それは言いません。「うまく付き合っていけるように工夫しましょう」と伝えるようにしています。実はこの「仕方ない」は本当に怖いんですよ。さまざまな方法で予防や治療できることもあるのに、医師から「治らない」と言われて信じ、手遅れになってしまうケースも多いんです。

最後に、手に悩みを持つ読者へ向けたメッセージはありますか?

重松浩司院長 しげまつ整形外科・手の外科クリニック6

「これはもう仕方ない」「放っておきなさい」と言われた方は注意が必要です。本当に仕方ないかどうか患者さんにはわからないですし、治療できる場合もあります。そこで治療に介入しないと進行し、放っておいたら悪化することもあります。逆に言えば初期介入できれば結果は変わるかもしれませんし、適切な時期に治療ができれば好転する可能性もあります。女性は、妊娠・出産、閉経などでホルモンバランスが乱れたり、加齢性の変化が出たり、手の疾患や関節痛が多いんです。以前「治らない」「仕方がない」と言われた方でお悩みの方は一度ご来院いただければと思います。

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