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上田 裕介 先生、岩切 裕美 さんの独自取材記事

光輪クリニック

(西宮市/甲子園口駅)

最終更新日:2020/04/08

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「光輪クリニック」はJR神戸線の甲子園口駅近くに拠点を置く、訪問診療を専門とするクリニックだ。上田裕介先生が指揮を執り、西宮市全域と芦屋市、神戸市の東部方面の訪問診療に尽力する。同院は訪問診療を専門に行う、医療法人光輪会のクリニックの1院であり、それぞれのクリニックが同一の理念や志を持ちながら、医師同士が相互に連携を取り合い診療にあたっているという。医療面のみではなく、患者の療養環境にまで心配りを怠らない、上田先生と看護師の岩切裕美氏に実際の訪問診療の様子や、医師、看護師としてのやりがいなどを聞いた。
(取材日2019年3月8日)

大変な思いをしてきた高齢者に恩返しを

訪問診療を専門としているそうですね。こちらのクリニックについて、詳しく教えてください。

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【上田先生】訪問診療の対象となる患者さんの中心層は、75歳以上の後期高齢者です。戦時中に大変な思いをしてきた世代の人々に、恩返しをしたいという思いで診療を行っています。当院は、訪問診療を専門に行う、医療法人光輪会の中の1院にあたります。現在、医療法人内には関西に5軒、関東に1軒のクリニックがあり、関西には医師12名、関東には医師2名が在籍しています。医師同士が連絡を取り合って、主治医が対応できない場合でも他の医師がバックアップする、チーム医療体制を整えています。常勤看護師によるコールセンターも設置し、24時間体制での対応を可能にしました。この点は、われわれならではの強みです。

訪問診療に携わって、自身に医師としての変化などは感じますか。

【上田先生】以前は神戸の総合病院に勤めていて、診察室で患者さんを待っていました。今はそれとは、まったく逆ですね。実際に個人宅に訪問させていただき、高齢者の方の普段の暮らしぶりを見ると、外来診療に行くのは大変だったんだなと思わされることもあります。今まで病院に足を運んでいただいていたのは、実はかなりの負担だったんだと実感させられました。それと外来診療をしているときは、患者さんがエックス線やCTなどの画像所見を持って来られることが多いんです。今になって振り返ると、僕は患者さんを覚えていたつもりでも、画像を覚えていたんだということが少なからずありました。訪問診療に携わるようになって、病気だけではなく、患者さんの人となりを見ることが大事なんだと、医師の本質を改めて痛感させられましたね。

看護師の立場では、訪問診療にどのような思いで携わっていますか。

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【岩切さん】患者さんのもとを訪ねるのは、2週間に1回が基本なんです。その間はご家族や、施設の場合はスタッフさんから、患者さんに変化がないか情報をお聞きしています。訪問の際は患者さんの状態やお部屋の様子なども含めて、前回からの変化やどこかに異常が現れていないかを注意深く見て、何かおかしいと思ったことは先生に進言します。訪問診療に同行するようになり、そういう目が持てるようになりました。高齢化社会が進むこれからは、病気になっても自宅で過ごしたいと願う人が増えるでしょう。医師や周囲のスタッフと連携し、患者さんの生活の質を上げて、時間を有意義に過ごしていただけるお手伝いをしていきたいです。

医師、看護師のチーム医療で支える

訪問診療に携わって、どんな気づきがありましたか。

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【上田先生】患者さんの信頼を得るのは、簡単ではないということですね。僕も病院に勤めているときは、患者さんを在宅の先生に送り出す立場でした。ですが準備万端にして帰っていただいても、体調を崩されると訪問の先生を呼ぶのではなく、救急車を呼んで病院に戻ってくる方が多くいらっしゃいました。医師になった頃から訪問診療に興味があり、実際にそういうことを経験して、自分なら訪問診療でどんなことができるだろうと思ったのが、この世界に飛び込むきっかけの一つでした。在宅に戻られる患者さんは、それまでの主治医との関係が切れると不安に思われる方が多い。ですが訪問ですべてを補えるわけではないですし、必要であれば、主治医の先生のところに行っていただいて構いません。ただその際は、その後のためにも状況や情報を正しく把握しておく必要がありますので、僕を窓口にしてご相談いただきたいです。

看護師として訪問診療に携わる上で、大事にしていることはありますか。

【岩切さん】私たちはたくさんの患者さんと接していますが、患者さんにとって看護師、医師は一人。毎回、ほぼ同じスタッフでお伺いしています。同じスタッフが携わることで患者さんに顔や名前を覚えていただいて、互いの距離を縮めることが大切。生活背景、ご家族のことなど、今まで患者さんとお話ししたことを覚えるようにしています。そうすることで以前の流れからの会話もできますし、何か変化があれば、気づくきっかけにもなります。会話から得られる情報は、大事なものなんです。月2回の訪問を点ではなく、線としてつなげていく。病院で待っているのではなく、自分たちが足を運んで、患者さんの領域内でお話をさせていただくことで安心して心を開いてくれる。そうすることでさらに詳しいお話を聞き出せるのは、在宅ならではですね。

訪問診療を行うにあたり、医師にとって看護師の存在は大きなものですよね。

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【上田先生】医師はどうしても病気のことだけに目を向けがちですが、そこだけではなく、環境の変化などに気づいて指摘してもらえるのは、すごくありがたいです。患者さんだけではなくご家族への配慮もしてくれていて、僕が訪問しないときでも看護師だけで電話を入れてくれたり、訪問してくれたりしているんですよ。そうして、患者さんとご家族の双方から信頼してもらえる環境づくりをしてくれています。そういうことがあるから、僕の診療も信頼してもらえるようになる。訪問診療を行う上での、基礎になるところをつくってくれているんです。医師の立場から、訪問診療においては看護師の存在が大きいことを実感しています。

医療面だけではなく、環境面までもケアする

医師としての、訪問診療のやりがいを聞かせてください。

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【上田先生】病院で外来診療をしていた頃と比べると、診療できる範囲が限られてしまう部分はあります。ですが何よりも、患者さんのところに伺った際に「わざわざ来てくれて、ありがとう」と言っていただける。この言葉が、やりがいにつながるんです。通常の定期訪問ではお伺いしても異変はなく、患者さんがお元気にされていることがほとんどです。そこで患者さんとは病気の話は置いておいて、雑談することが多いですね。患者さんが嫌がらない程度にお部屋の中を見せていただいて、飾ってある赤ちゃんの写真についてお話を向けると、お孫さんやひ孫さんが産まれたとうれしそうに話してくださったりするんです。外来で診ていた頃より、患者さんとの距離はすごく近く感じます。そういったことが、やっていて楽しいですね。

患者宅に訪問する際は、それぞれどんなことに気をつけていますか。

【上田先生】患者さんのお宅にお邪魔させていただいて、療養環境を見させていただくメリットはありますが、他人が家に入ってくることに抵抗感を持たれる方もいます。お伺いする際には、そのことに配慮するよう意識していますね。また病院からご自宅に戻られたり施設に来られて、医療面だけではなく環境で困っていることはないか。そういうこともお聞きして、困っていることがあればケアマネジャーらと連携しながら、療養環境の改善を図るようにしています。
【岩切さん】患者さんが求めていらっしゃるのは先生の診療。私たち看護師も患者さんやご家族とお話ししますが、先生とお話が一番したいんだと思うんです。前段階としてご家族や訪問看護師さんからの情報を集約して、先生にお伝えするようにして、訪問した際は患者さんと先生がゆっくりお話しできる環境づくりを心がけています。

実際に訪問診療を利用するには費用面の懸念がある方もいらっしゃると思いますが、その点はいかがでしょう。

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【上田先生】一般的な外来通院とは異なり、1ヵ月単位でのお会計となっています。お体の状態が安定していれば毎月の医療費が大きく変わることもございません。また訪問に際しての交通費もいただいておりません。例えば在宅酸素や胃ろう、生活習慣病など病状により毎月のご負担額は異なりますので、ご希望の方には診療開始前に詳しい説明をさせていただいています。その上でも構いませんので、ぜひ私どもの医療サービスをご検討ください。

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