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松岡 弘典 院長の独自取材記事

マツオカそらいろクリニック

(神戸市東灘区/摂津本山駅)

最終更新日:2022/08/03

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック main

JR摂津本山駅から徒歩5分ほどの住宅街の一角にある「マツオカそらいろクリニック」。外観はガラス張りでスタイリッシュ。“優しさ・笑顔・癒やし”をコンセプトにデザインしたというクリニックは、まるでおしゃれなカフェのよう。日本呼吸器学会の呼吸器専門医である松岡弘典院長は、呼吸器疾患の中でも、特に咳や喘息の治療を得意とする。専門的な治療を受けるために、遠方から来院する患者もいるそうだ。咳で苦しむ患者を助けることを心から願う松岡院長。「長引く咳で困っている患者さんは多くいらっしゃいます。治療が終わると、患者さんはとても喜んでくださるんです。それが咳の治療の醍醐味ですね」と温かく語る。心優しい松岡院長に、専門とする咳の治療や診療の際の心がけなど幅広く聞いた。

(取材日2018年12月10日)

患者が笑顔になれて、癒やされるクリニックでありたい

カフェのようなすてきなクリニックですね。

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック1

開業当初は、喫茶店と間違えて入ってこられるカップルもいました(笑)。たいていの方は不安を抱えてクリニックに来院されます。そうした患者さんも、帰る頃には笑顔になれるようなクリニックをめざしています。“優しさ・笑顔・癒やし”をコンセプトに、看板やロゴ、ホームページ、封筒などのデザインを一つの会社にお願いして、統一感を出すようにしました。さらにハード面だけでなく、私やスタッフの対応などのソフト面も、コンセプトに沿うよう努めています。良い診療を受けても、受付で冷たい対応をされるとがっかりしますよね。そういったことがないように、スタッフ間で意識を統一させています。また、当院では地域の方々を対象にした勉強会などのイベントを企画したりもしています。皆さんが気軽に集える場所になれたらいいですね。

先生のご専門についてお聞かせください。

高知医科大学を卒業以来、呼吸器内科を専門にしてきました。呼吸器内科では、肺がんや間質性肺炎、肺結核などさまざまな疾患を診ます。私はその中でも特に、咳や喘息の診療を専門にしています。喘息は気管支がアレルギー性の炎症を起こしていて、ヒューヒューという喘鳴や息苦しさを伴います。慢性的な咳が特徴となっている咳喘息、風邪や肺結核、肺炎からくる咳などもあります。実際咳のために夜眠れないなど、長引く咳で困っている患者さんはたくさんいらっしゃいます。呼吸器疾患には難治性のものも多くありますが、咳や喘息の場合、治療することで症状を和らげることが期待できます。治療が終わると、患者さんはとても喜んでくださるんです。それが咳の治療の醍醐味ですね。

どんな患者さんがいらっしゃいますか?

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック2

来院される患者さんの平均年齢は40歳ぐらいです。子どもからご年配の方まで幅広い年齢層の方がいらっしゃいますが、一般的な内科に比べると、働き盛りの世代が多いのではないでしょうか。若い方のほうがアレルギー疾患を持っている場合が多いからかもしれません。お子さんは鼻炎や喘息、咳喘息の子が多く来院しています。とはいえ、最近はご高齢の方が突然喘息を発症されることも多々あります。東灘区の患者さんが大半ですが、兵庫県はもとより、大阪府や奈良県、愛知県、福岡県など遠方から来られる方もいらっしゃるんです。咳を専門に診るクリニックは全国的にもまだまだ少ないのが現状で、当院の90%以上が咳や喘息の患者さんですね。

長引く咳をそのままにせずに、早めに受診してほしい

長引く咳の診断や治療法について教えてください。

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック3

喘息や咳喘息の診断で最も大切なのは、問診です。「痰があまり出ない乾いた咳かどうか」「朝方や夜間に咳が強くなるかどうか」「鼻炎やアトピー性皮膚炎、小児喘息などのアレルギー疾患を患っていないか」「これまでも風邪をひいた後2~3週間咳が長引くことがあったか」といったことを一つ一つ丁寧にお聞きします。問診で喘息が疑われる場合には、呼気中の一酸化窒素を測定する機器を用いた検査を行っています。喘息になると、呼気中の一酸化窒素濃度が高くなるからです。喘息治療は主に吸入ステロイド薬を用いて行い、治りが悪い場合には他の薬も併用していきます。咳が治まったとしても気管支の炎症は残っているというケースが多いですので、月単位での治療をお勧めしています。

どのタイミングで受診すればよいでしょうか?

風邪の後も咳が長引くということで来院される方が多くいらっしゃいます。目安として、咳が2~3週間長引くようであれば、一度病院を受診されるとよいのではないでしょうか。咳喘息を治療せずにそのままにしていると、3割ぐらいの方が本格的な喘息に移行するといわれています。喘息になるリスクを減らすことができると考えられているので、できるだけ早めに対応してほしいですね。しかしながら、患者さんの中には、咳に対する認識が甘かったり、継続的な治療を途中で諦めてしまったりする方もいます。早期治療と継続的な治療の大切さを伝えていきたいです。また治療について、咳喘息は、吸入ステロイド薬で治療することで、ほとんどの場合つらい咳の症状を抑えることが見込めると考えられます。もちろん治療の効果や期間などは、人によって異なってきます。重症の患者さんの場合、長期にわたって治療を続ける必要があるかもしれません。

診療の際にはどんなことを心がけていますか?

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック4

患者さんの訴えによく耳を傾けるよう心がけています。また病気のリスクなどもきちんと説明させていただきますが、診療の最後に励ましの言葉をお伝えするようにもしています。患者さんのお気持ちを少しでも楽にして差し上げたいのです。スタッフにも「よくなってくださいね」と声かけしてもらったり、クリニック全体で患者さんに配慮を示すことが大切だと思います。中には、私には直接言いにくいことをスタッフに話される患者さんもいて、その話をフィードバックしてもらうこともありますね。当院は院内処方なので、お薬をお渡しする際にも患者さんに一言二言お声かけするなどして、話しやすい雰囲気をつくるよう努めてもらっています。

患者の喜ぶ姿に大きなやりがいを感じる

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック5

親からは、「人の役に立つような仕事をするように」とよく言われたものです。小学生の頃は大工さんにも憧れましたが、父も祖父も医師でしたので、「自分もそうなるのかな」とおぼろげに思っていたかもしれません。子どもの頃から、父や祖父が働いている姿を身近で見てきました。祖父は患者さんを第一に考える医師で、いつでも往診に行けるよう服のまま寝ていましたし、父親も患者さんのために昼夜問わず対応するような医師でした。高校を受験するにあたって、人に役立つ職業とは何かを考えた時、最初に思い浮かんだのが医師だったんです。一時期、漢方など東洋医学の道に進むことも考えましたが、「人の病気を治したい」「人に喜んでもらえる仕事がしたい」という思いはずっと持ち続けていましたね。

どんなときにやりがいを感じますか?

「先生に診てもらえてよかった」と言っていただけるとうれしいものです。長く咳でお困りだった方の場合は、いっそう大きなやりがいを感じますね。以前、「他の呼吸器内科のクリニックにもかかりましたが、咳が治まらないんです」とおっしゃる方を診た経験があります。治療後、とても喜んでくださったのですが、そんなときは本当にうれしいですね。呼吸器は大切な器官ですが、それに特化したクリニックはまだまだ少ないのではないでしょうか。その呼吸器の中でもさらにマイナーな、咳という分野に専門的に取り組むことに、医師としての存在価値を見いだしていますね。長引く咳でお悩みの皆さんを楽にして差し上げたいです。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

松岡弘典院長 マツオカそらいろクリニック6

咳の治療には専門的な知識や経験が必要になりますので、身近にお悩みの方がいたら、ご紹介いただければうれしいですね。また最近は、寝ている時にいびきや無呼吸がみられる睡眠時無呼吸症候群の患者さんを診ることも多くあります。実は睡眠時無呼吸症候群を患っていると、咳や喘息が治りにくくなることもあるんです。なかなか咳が治らない患者さんには、「いびきをかきませんか?」とお尋ねするようにしていますね。咳やいびきは見過ごされがちな症状ですが、背後に重大な病気が隠れている可能性もあります。もしご自身やご家族の方にそうした症状がみられるなら、一度専門の病院を受診なさることをお勧めします。

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