森山 泰成 院長の独自取材記事
森山クリニック
(泉佐野市/泉佐野駅)
最終更新日:2025/09/12

南海本線・泉佐野駅から徒歩9分に位置する「森山クリニック」。院長の森山泰成(ひろしげ)先生は、長年にわたり基幹病院で数多くの泌尿器疾患の手術を手がけてきた日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。2017年に同院を開業し、泌尿器疾患を中心に診療を行いながら、患者が「何でも聞ける」雰囲気づくりを大切にしている。さばけた語り口の中にユーモアが光り、インタビュー中もスタッフが顔をのぞかせて軽快なやりとりが生まれ、場が和むひと幕もあった。気づけば心の距離を縮めてしまうその気さくさが森山院長の魅力だ。今回は、そんな院長に開業の経緯や診療への思い、さらに患者やスタッフへの感謝について、じっくりと話を聞いた。
(取材日2023年9月1日/再取材日2025年9月1日)
豊富な手術経験を生かして、地域医療に貢献したい
先生は、長らく基幹病院にお勤めだったそうですね。

私はこれまで、近隣にあるりんくう総合医療センターを中心に、勤務医として数多くの泌尿器疾患の手術に携わってきました。今後の進路を考えていた時にさまざまなご縁が重なり、この泉佐野市で開業することになったんです。前の職場から徒歩2分という近さでの開業には自分でも驚きましたが(笑)。地域の医療状況を見たときに、大規模病院にかかる前に気軽に相談できるクリニックのニーズは確かに大きいと感じていました。だからこそ、最初の窓口として患者さんの診断を行い、必要があれば専門の病院を紹介するというクリニックの在り方が、とてもしっくりきています。
こちらのクリニックの診療方針を教えてください。
まず大切にしているのは、「何でも聞ける」というスタンスです。泌尿器科のお悩みはどうしても恥ずかしいと感じられる方が多いため、明るい雰囲気を大事にし、患者さんが気軽に相談できる場を意識しています。診察中も「緊張しているな」と感じたら、野球の話など雑談を交えることもあります。僕は野球が好きなので、ついつい脱線してしまうこともありますが、そうしたやりとりを通じて心の距離が縮まり、患者さんが本音を話しやすくなるのだと思います。また、患者さんの反応に合わせて接し方を変えることはあっても、医師としてのスタンスはぶれないようにしています。診療方針として、何を優先して伝えるべきかを意識し、年齢や疾患に応じて伝え方を工夫しながらも、医師としての意見はしっかり伝えるようにしています。
現在の患者層について教えてください。

この近隣や周辺にお住まいの方が中心ですね。下は1歳の赤ちゃんから上は100歳超のご高齢の方まで、おかげさまでたくさんの患者さんにお越しいただいています。長年勤務医として多くの手術を手がけてきたこともあり、これまで診てきた患者さんで、引き続き通ってくださる方もいます。中には、20年以上のお付き合いになる患者さんもいるんですよ。あとは、クチコミで来院される方が多い印象を受けています。泌尿器疾患は、なかなか気軽に人に相談できないお悩みが多いと思うのですが、その分、「森山クリニックがいいよ」と勧めていただけているのかなと思うと、ありがたいですね。
確かなチーム力があるから、納得感のある診療ができる
たくさんの患者さんがお越しになる要因は何だと思いますか?

何でしょうかね(笑)。患者さんとお互いに遠慮なく話せる関係を大切にしているからでしょうか。長年通ってくださる方には、かなり直接的な言い方をすることもありますが、それも「人と人」として向き合うからこそできることであり、フェアで正直であることを心がけています。「正直に話してくれるから、こちらも何でも話せる」。そんな関係はすぐには築けないものですが、丁寧な診療を重ねる中で少しずつ形作られてくものだと思います。どうしても診療時間が長くなってしまい、それが当院の課題ですが、それでも通ってくださる患者さん、そして支えてくれるスタッフには心から感謝しています。
診療がスムーズに進むように、スタッフさんたちはさまざまな工夫をされているそうですね。
うちのスタッフは本当に頼りになります。診療前に相談内容から検査を先読みして、診察後すぐに動けるよう準備してくれる。病気の話だけじゃなく、待合で最近の様子を聞いてくれることもあり、それが診療に役立つことも多いですね。混んでいる時は外出や車で待てるように誘導してくれるし、そういうちょっとした積み重ねが、待ち時間の時間短縮につながっています。僕は「自由にやっていい」とよく言っているんですが、その分、みんな自分の役割に責任を持ってしっかり動いてくれている。月1回のカンファレンスも僕抜きで行ってくれることもあり、どうすればもっといいクリニックになるのかを話し合ってくれているんです。自由に任せても、進んで考えて行動してくれる。それがうちの強みですね。
ハード面でも、待ち時間の短縮ができるよう検討していますか?

いずれはAIの導入も考えていますが、実際に患者さんの満足度を高めているのは、スタッフのあいさつや傾聴、共感ある会話なんですよね。かゆいところに手が届く対応こそが大事だと思っています。待ち時間の対応ももちろん重要ですが、効率化と人間的な対応とは矛盾だらけなところがあると思います。僕は「しっかり診てもらえた」「理解できるまで説明してくれた」と納得して帰っていただくことのほうが大切だと思っています。だから診察時間を削ることはこれからもしません。野球の話で盛り上がってしまっても、後ろから「先生、話が長いですよ」と注意してくれるスタッフに恵まれていますからね。患者さんが喜んでくださるならそれでいいんです。スタッフには迷惑をかけますが、それを理解して支えてくれている。その結果「待ってでもここで診てもらいたい」と思っていただければうれしいですね。
小さな悩みも専門相談も、笑顔で帰れる場所として
先生が、患者さんにもっと知ってもらいたいと思うことは何でしょう?

まずお伝えしたいのは、「年齢のせいだと片づけないでほしい」ということです。例えば夜間頻尿。年のせいと考える方も多いのですが、もし夜中に2回以上トイレに行くなら、病気が隠れている可能性があります。泌尿器科で治療すれば改善が図れる場合もありますし、別の科での診察が必要なケースもあります。その際は信頼できる病院をご紹介しますので安心してください。「もう年だから仕方ない」と思わずに、ぜひ気軽に泌尿器科に相談していただきたいですね。また最近は、男性更年期障害のお悩みも増えています。テストステロンの低下によって体や心、性機能に影響が出ることは、もっと広く知られていいと思います。「ストレスのせいかな」と見過ごさず、気分が沈む、笑えなくなったなどの変化を感じたら、一度クリニックを訪れてみてください。
医療のクオリティーにもずっとこだわり続けていらっしゃいます。
クリニックでは、総合病院レベルの医療クオリティーを維持することをめざしています。今でも毎週月曜日は手術日で、僕が対応できる疾患なら近隣の病院に場所を移して自分で執刀しています。診察から術後の経過まで一貫して診ることで、患者さんも安心できると思うんですよね。これまでの経験を頼りに来てくださる方もいますし、僕自身も責任を持って最後まで診たいという気持ちがあります。ただ、専門的な治療が必要な場合は迷わず他の病院をご紹介します。今後は「大規模病院とクリニックの間」みたいな役割を担って、できる限り治療を引き受けたい。南泉州全体での医療連携を意識して、地域全体の底上げにつながるような存在になれたらいいなと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

泌尿器科のお悩みは、デリケートだからこそ医師にも話しづらいと感じる方が少なくありません。当クリニックでは、そんな方にも安心してご相談いただけるよう、医師もスタッフも、何でも話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。待合室には笑い声があふれ、初めての方でもリラックスして過ごしていただける環境です。また、当クリニックには和歌山県立医科大学の教授の柑本康夫先生も外来を担当しております。常に高い医療水準を保ちながら、地域の皆さまに頼りにされる存在であり続けたいと考えています。慢性疾患で通院が必要な患者さまには、長期的なフォローにも力を入れ、継続して安心して治療を受けていただける体制を整えています。小さなことも専門的なことも気軽に相談しやすく、通いやすいクリニックをめざしています。スタッフ一同、皆さまに笑顔でお帰りいただけるよう、誠心誠意お力になりたいと思っています。