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段 俊行 院長、織田 義弘 副院長の独自取材記事

だんホームクリニック

(堺市北区/新金岡駅)

最終更新日:2025/08/21

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック main

新金岡駅から徒歩10分。2017年に開業した「だんホームクリニック」は、段俊行(だん・としゆき)院長とスタッフが一丸となり、自宅で療養する高齢者や通院が困難な人、退院後のケアが必要な人などを定期的に訪問する訪問診療を柱としてきた。2025年4月からは、織田義弘先生が副院長に就任したことで訪問診療だけでなく内科の外来診療もより充実してきた。患者や家族の不安に寄り添い、困り事を解決して穏やかに療養生活を送れるようサポートする段院長と、その姿に感銘を受け、「常に学ぶ姿勢」と「断らない信念」のもとで熱意を持って診療にあたる織田副院長。インタビューでは両医師がめざす「困ったときにこそ力を発揮する在宅医療」と「地域に根差したクリニック」への熱い想いを語ってもらった。

(取材日2025年6月25日)

医師2人体制となり、訪問診療と外来診療がより充実

開業までの経緯をお聞かせください。

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック1

【段院長】消化器外科医として病院勤務をしていた頃、手術を担当したがんの患者さんが退院後に再発して亡くなることが多くありました。退院後の患者さんの生活や希望に寄り添いたい気持ちはあったものの、消化器外科医では再発後の自宅での生活や終末期を最期まで診ることがなかなかできなかったんです。そんな折、在宅医療に携わる看護師さんと知り合ったことで私も訪問診療に関わることになり、やりがいを感じるようになりました。高齢化する社会でますます在宅医療のニーズが増え、重要性が増す中で、自分の理想とする在宅医療をめざし、開業を決めました。

実際に訪問診療を行うクリニックを開業されていかがですか?

【段院長】私のやりたいことは私一人ではできません。スタッフをはじめ、多くの人に支えられ実現していくものだと感じています。スタッフたちは皆、「自分の親や身内がされてうれしいことをやっていく」という私の考えをよく理解してくれて、患者さんやご家族に丁寧・親身に接してくれます。事務や助手などのスタッフも向上心を持って勉強し、専門知識を身につけ、診察がスムーズにいくようにサポートしてくれています。4月からは織田先生が来てくれたことで、これまで訪問診療優先で診療枠を狭めていた外来診療も、月曜から土曜日まで毎日診られるようになりました。地域に根差したクリニックであるために、訪問診療だけでなく外来の患者さんも同じように大切にしていけたらと思っています。

織田副院長が訪問診療の道に進まれたきっかけは?

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック2

【織田副院長】大学病院や総合病院の循環器内科で10年以上勤務していましたが、退院されてもすぐに悪化して再入院される患者さんが多かったんです。長期入院となるとご高齢の方は認知機能や筋力が落ち、日常動作を自分で行うことが難しくなってきます。そんな患者さんを目の当たりにする中で、入院に至るまでに適切に管理することの重要性を痛感し、在宅医療に興味を持つようになりました。2年ほど非常勤としてこちらで経験を積んだのですが、段院長の人柄はもちろんのこと、私のイメージする在宅医療以上のサポートを皆さん一丸となってされている姿に感銘を受けて、常勤としてお世話になることに決めました。長期入院されている患者さんは、ご自宅でゆっくり過ごせることを非常に求められていると感じます。そのお手伝いを私にもさせてもらえたらと思います。

患者と家族の希望や不安に寄り添った訪問診療を

訪問診療で大切にしていることは何でしょう?

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック3

【織田副院長】訪問診療の場合、通院が困難な患者さんがほとんどですので、私たちで最大限できることをやるのがあるべき姿だと思っています。以前勤めていた急性期病院では「どんな患者も断らない」という信念のもとで診療にあたっていました。在宅医療でもその信念は非常に大切です。安易に断らず、専門外の領域についても常に学び、自分が診るんだという気概をしっかりと持つようにしています。現在も週1日非常勤で病院勤務をしているのですが、その時に他科の医師に意見を伺ったりしています。その上で専門的な検査や治療が必要な場合には速やかに医療機関を紹介し、できるだけ患者さんに負担がかからないようにしています。

終末期を自宅で過ごす患者さんの家族に対してはどのように接していますか?

【段院長】24時間365日対応といっても、私たちが常にそばにいるわけではありません。ご本人・ご家族の不安を取り除くことが重要です。当院では24時間、看護師や医師と連絡が取れるような体制を整えています。外部の訪問看護師やケアマネジャーとも、連携ツールを通じて円滑に連絡を取り合えるようにしています。希望されるご家族とはメッセージアプリで薬の変更や採血結果などを報告し、コミュニケーションを取っています。私が訪問できないときでも看護師が患者さんの状態などを知らせてくれるので、適切に対応することができます。そうした連携は、不安を抱えながら自宅療養される患者さんやご家族の安心につながると思います。

診療する上で気をつけていることなどはありますか?

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック4

【段院長】できるだけ薬を増やさないようにしています。複数の医療機関を受診している方は必要以上に増えてしまうことがあります。服薬が多すぎるために副作用が出てしまっていることもあるので、その際はきちんと説明して必要性の低い薬を中止してもらえるよう説明します。処方する場合には「良くなったらやめましょう」「結果が出なかったらやめてみましょう」と初めから処方後のことを説明することも大切だと考えています。
【織田副院長】ご自身の状況を訴えやすいよう話を引き出す工夫をしたり、ご家族や施設スタッフなど周りの方からの聴取も大事にしながら、話を照らし合わせて考えるようにしています。在宅医療はいろんな職種の方で成り立っています。互いに連携を取ることが患者さんの過ごしやすさにつながるので、さまざまな方のお話を聞きながら、他職種連携も大事にしています。

一人で悩まず相談を。困ったとき力を発揮する在宅医療

訪問診療のやりがいをお聞かせください。

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック5

【段院長】医療にも限界があり、医師が対応できるものは限られています。場合によっては看取ることしかできないこともありますが、無力感を感じるのではなく、最期を過ごす患者さんにどう関わっていくかが大切で、そういう部分にやりがいを感じます。必要以上の医療を提供するのでなく、患者さんやご家族の希望をかなえ、安らかに過ごしていただくために必要なことを行っていきたいです。一番の不安は痛みや苦しみだと思いますが、それらを取り除くための方法をお伝えしていきます。退院する際に病院の医師や薬剤師が説明していても、もう一度説明することが大切で、訪問診療では患者さんと近いところでお話ができ、何度も説明する機会が持てるところにも良さがあります。

今後の展望をお聞かせください。

【段院長】訪問診療を知らない方や困っていらっしゃる方に当院のことを伝えていきたいですね。「堺市で訪問医療といえばだんホームクリニック」と言ってもらえるようにしていきたいです。また、啓発活動や教育にも力を入れ、訪問診療の担い手に大きな負担がかからない働き方や環境づくりにも力を入れていきたいです。そうすることでより多くの患者さんに良い訪問医療をお届けできると考えています。
【織田副院長】循環器内科での専門性を生かし、心疾患が重症化しないようきめ細かい管理をしていきたいですし、心不全の終末期を在宅で過ごされる患者さんにも寄り添った医療を提供できたらと思っています。また、患者さんの力になれるよう常に研鑽を積みながら、さらに幅広い知識や技能を身につけて、私たちで総合的に患者さんを診ていけたらと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

段俊行院長、織田義弘副院長 だんホームクリニック6

【段院長】「一人じゃない」ということをお伝えしたいです。病気やお金のことなどいろいろな困難があると思いますが、一人では思いつかなくてもみんなで考えると解決することもありますので、一緒に解決できればたいへんうれしいです。困ったときに力を発揮するのが在宅医療なので、ぜひご相談ください。
【織田副院長】急性期病院の役割は非常に重要です。しかし病状が不安定な患者さんが自宅で安定して暮らしていくためには、在宅医療の役割も非常に大きいと考えています。退院後も適切な医療を受けながら、慣れた自宅や施設で安心して過ごせるよう私たちがサポートさせていただきます。熱意を持って患者さんとご家族に寄り添い、また周りの専門職の方とも連携しながら対応していきますので、安心して来てください。

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