清水 俊樹 院長の独自取材記事
しみず脳神経外科クリニック
(京都市中京区/二条駅)
最終更新日:2023/03/23

嵯峨野線二条駅より徒歩3分。関西のどこからも通院しやすい場所にある「しみず脳神経外科クリニック」。清潔感ある院内はモダンで開放的な雰囲気だ。院長を務めるのは大学病院や救急の現場で数多くの脳疾患の治療、手術を行ってきた清水俊樹先生。これまで重症者を治療してきた経験から、早期の段階で医療介入する必要性を痛感し、気軽にかかれるクリニックでありながら大規模病院並みの検査ができる体制をめざして2017年に開院した。「困っている患者を助けたい」という思いがあり、時間外でも患者を断らない。そんな患者思いの清水院長に診療にかける思いなど話を聞いた。
(取材日2023年2月16日)
大規模病院レベルの過不足ない医療をめざして
広々して開放的なすてきな院内ですね。どういうところにこだわったのですか?

院内でこだわったのは清潔感ですかね。当院では、検査した当日に結果までお伝えして、治療も開始できるようにするという1日で完結する医療をめざしていますし、救急も時間外診療も受けていますので、どうしても患者さんをお待たせしてしまうことがあります。ですから、居心地の良い空間にしたかったのです。あとは、片頭痛で来られる患者さんは、光や音が苦手なことが多いですので、そういう方を暗い部屋で隔離できるように、待合室を2つ造ってスペースを分けました。
どうして開院しようと思ったのですか?
これまで関東と出身地である京都で10数年ずつ勤務医として病院に勤務してきたのですが、京都には気軽にかかれる脳神経外科、救急で診てくれるクリニックの絶対数が少ないということを感じていましたので、京都で開院することにしました。私はこれまで大学病院を始め大規模病院の脳外科で勤めてきました。脳外科の中でも脳血管障害や脳腫瘍のICUなど救急色の強い部署にいたのですが、そこで感じていたことは、もう少し早い段階で医療介入できていればというもどかしい思いです。脳出血や脳卒中、頭の外傷は、なってしまうと重症化してしまいますので、そうなる前、できれば未病の段階で見つけて、治療したほうがもちろんいいに決まっています。だから、ちょっと不調を感じた時に、大学病院よりも気軽にかかれるクリニックを開業したい、MRIを備えて、最初の受診日で検査ができ、その日中に結果がわかるようなそんな施設をつくろうと思いました。
脳神経外科と聞くと敷居が高いと感じてしまいますが、どのような症状の患者さんが多いのですか?

打撲、物忘れ、てんかん、認知症など幅広く診ていますので、患者さんの年代もお子さんから高齢の方までさまざまです。やはり、訴えが1番多いのは頭痛やめまいですね。当院は病院レベルで過不足ない医療をめざしたかったので医療設備はかなり充実させました。MRIも先進のものを導入していますので、検査時間がこれまでよりも短く、画像はより精細になっていますので、多くの情報を読み取ることができるようになりました。病棟はありませんので、手術も入院もできませんが、大規模病院の脳外科外来に遜色のない検査設備と経験で対応したいと思います。
予防薬で片頭痛のコントロールを
頭痛の患者さんが多いそうですが、内科ではなく脳神経外科で頭痛を診てもらうメリットを教えてください。

頭痛はありふれた症状ですが、重篤な疾患が隠れている可能性も否定できませんので、まずは適切に診断をつけることが必要です。片頭痛は、脳の血管が収縮したり拡張したりする病気なので、頭痛がない方に比べると隠れ脳梗塞がある方も多いですし、脳血管自体が少し狭くなっているような方もいます。なので必要に応じてMRIを撮り、画像を診て重篤な疾患の可能性を排除した上で、どういう薬を使うのがいいのかを考える必要があるのです。あとは脳波の乱れから来る片頭痛もありますので、そのことが疑われる場合は、脳波の検査も行った上で、脳波からアプローチする予防薬で治療をしていきます。多くの方は当院にかかるまで市販薬で誤魔化していたり、痛くなったらクリニックでもらった薬で対応していたりしていると思いますが、頭痛は症状にあった薬を使用することで、上手に頭痛をコントロールできる可能性が大いに期待できることを知っていただきたいですね。
検査設備がかなり充実していますね。
脳波やエコー、心電図、血圧脈波などといった検査設備をそろえています。めまいに悩む患者さんも多いのですが、これまで病院にかかってもCTを撮って「脳ではありませんので耳鼻科へ行ってください」と言われて終わりという経験をされた方が多いのではないでしょうか。当院では重心動揺計を使ってどこからくるめまいなのかを検査します。脳性のめまいなのか、内耳性のめまいなのか判断した上で治療を進めていきますので、いろいろ診療科を回る必要がなくなると思います。
脳ドックも行っているそうですが、どんな方にお勧めされますか?

やはり血のつながったご家族に脳血管障害の方がおられる方、しかも若年で発症されている方が身内にいる場合は、遺伝性もありますので脳ドックを受けたほうがいいですね。年代的には40~50代から受け始めたほうがいいと思います。脳ドックを受けることで隠れ脳梗塞があるかどうか、隠れ脳出血、過去に小さく切れた跡があるかの確認につなげます。こういうのがある方は、血圧の管理がうまくいってないという証拠なので、将来的に脳出血のリスクが高まります。リスクの高さを把握できていたら、血圧や塩分の管理に気をつけることができますからね。もちろん脳腫瘍や破裂する前の動脈瘤、血管が詰まりそうになっている、首にプランクがあるなど、そういったような症状の判断にもつなげます。もし脳ドックでなんらかの手術が必要と判断した場合は、京都大学医学部附属病院と連携をとっていますので、すぐにご紹介します。
「痛みを取ってこそ」軍医の祖父の教え
診療方針を教えてください。

大切にしているのは、適切な診断と治療です。片頭痛ですごく痛みが出ても、辛抱している方も多いのではないでしょうか。あるいは救急科外来に行って、CTを撮っても何もなかったから頭痛薬を処方されて帰ってくるというケースもあると思います。頭痛がきつい時はなんとかしてほしいというのが患者さんの思いですから、注射なり、点滴なりで改善を図ってから帰ってもらうようにします。痛みが強そうなら、MRI検査を待っている間に先に点滴治療を行うこともできます。それから、救急にも、時間外診療にも対応しており、受付には断らないようにと伝えています。当院の診療時間は午前と午後の間には本来休み時間があるのですが、患者さんがいらっしゃる限り、対応していますので、いつも午前から午後まで休みなく診療時間がつながっている状況です。診てくれる施設がないから来られているのに、それを当院が断るわけにはいかないですからね。
そのような考え方になったのには何か理由があるのですか?
救急や多くの重篤な患者さんの治療を経験したことは大きかったですね。なんとか治してあげたいという一心です。加えてうちの祖父は、父方も母方も両方軍医だったんです。ですから、「医者っていうのは人の痛みを取らなきゃダメ」だと幼い時から繰り返し聞いていましたし、父親も医師でそういう教えで育ってきましたので、「様子を見ましょう」ということは、なるべく使いたくありません。とにかく今ある痛みを改善したいと思っています。
今後の展望とメッセージをお願いします。

今はかなり幅広いエリアから患者さんに来ていただいています。遠方から診療に来られるのは負担になって大変でしょうが、精いっぱい対応して、1日で結果を出せるようにしたいと思っています。今いるスタッフは、忙しい中フットワーク良く頑張ってくれていますので感謝しているんです。もう少し人数を増員しようと思っていますので、地域医療に貢献したいという志をお持ちの方は、やりがいのある仕事なので当院で一緒に働いてくれるとうれしいですね。地域の方に関しては、困ったことがあればいつでも気軽にご相談ください。多少お待たせしてしまうことはあるかもしれませんが、受付時間に縛られずにお電話いただけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/30000円~