女性スタッフが対応
クリニックで受ける乳がん検診
上野くろもんクリニック
(台東区/湯島駅)
最終更新日:2024/02/29


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乳がんにかかる女性は年々増え続けている。今や日本女性の9人に1人が乳がんになるともいわれている。先進諸国の中で死亡率が上昇しているのは日本だけで、これは検診がまだ普及していないことも大きいという。乳がんにおいて大切なのは「早期発見、早期治療」。自治体も検診メニューを用意しているが、実際の受診率は低く、欧米に遅れをとっている。一方でイメージが先行して、「胸が薄い私は検査できない」「男性医師や技師だったら嫌だなぁ」「痛そうだ」と検査から足が遠のきがちになるのも事実だ。実際にはどのように検査が行われているのか。「上野くろもんクリニック」の大幸和加子院長に、検診の意味や検査の流れ、医師、検査技師、スタッフが女性のみのクリニックならではのメリットなどを聞いた。
(取材日2018年3月15日/更新日2024年2月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q乳がん検診はいつ受ければいいのでしょうか?
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A
私は20歳になったら受けたほうが良いと思っています。社会人になったタイミングでもいいかもしれませんね。検診はこういうものなのだと1度体験して、ご自分の胸の状態を知り、関心を持っていただくことが一番ですから、最初からマンモグラフィ検査はできなくても、まずはエコー検査だけでも受けたほうが良いです。患者さんは10代から90代まで幅広く、若いから検診が早すぎるということはまったくありません。乳がんは早期発見、早期治療が大事。定期的に検診を受けていれば小さいうちに発見できる確率が高くなります。間が空いたために進行が進んでしまって手遅れというリスクを避けるためにも定期的な検診をお勧めします。
- Qエコー検査だけ受けていれば大丈夫ですか?
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A
もちろん一番望ましいのはマンモグラフィ検査と併せて受けることです。実は2つの検査では見つかるがんの種類が違うのです。がんの中のカルシウムが石灰化した固まりはマンモグラフィがキャッチしますし、石灰化を起こさないやわらかいタイプはエコー検査のほうが見つかりやすい。どちらかだけだと初期段階のものを異常なしでスルーしてしまうことも多々あります。やはり2つとも受けることでがんの発見率は上がります。「マンモグラフィは痛いから」と敬遠される方がいらっしゃいますが、感じ方はその方によって違いますし、例えば生理の終わったタイミングで来ていただければ痛みは少なくなると思います。まず1度体験なさってみることですね。
- Qこちらの医院にはどのような特徴がありますか?
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A
まず医師、検査技師、スタッフがすべて女性だということ。それも落ち着いた年齢層の方ばかりだということでしょうか。みんな子育てを経験された方たちですから、若い方が不安を抱えて来られたとき、電話でお尋ねがあったとき、母親が娘を心配するような目線でお話しすると、それだけで安心されるようです(笑)。お子さん連れのお母さまの場合、検査の間スタッフがお子さんを見ていることもできます。またマンモグラフィの検査技師も上手な方がそろっており、痛みへの配慮もしています。「お友達にも勧めます」とおっしゃってくださる方もおり、そうやってご紹介の患者さんが少しずつ増えているのは励みになりますね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診表に記入することからスタート
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問診票にはまずなぜ検診を受けようと思ったか、気になっているところを書き込む。その他これまでに検診を受けたことがあるか、どの部分が気になるのか、違和感は痛みかしこりかなど必要事項を記入。自治体の検診を受けられない男性や豊胸手術を受けた人も受診が可能。また成長段階にある中高生が、胸にしこりや痛みがある、胸の左右差が大きいなどで検診を受けることもあるそう。子どもの場合はエコー検査のみ可。
- 2院長による問診と視触診
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問診票を確認しつつ、医師が詳しく話を聞く。さらに必ず胸を実際に触って視触診を行う。視触診によって異常が見つかる場合もあるといい、患部が胸の外側や下部などマンモグラフィで挟みきれないところにある場合は特に念入りに診る。患者の話をじっくり聞き、患者一人ひとりに合った検査を提案する。
- 3マンモグラフィ検査
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エコー検査と両方受ける場合は検査着に着替えて乳房専用のエックス線検査・マンモグラフィの撮影から行う。緊張をほどくよう室内は少し暗めに設定されている。検査時間は約10分。自分の胸が機器に挟めるか心配する人もいるが、男性でも受けられる検査であり、その心配はまったくないそう。最近はデジタル機器になり放射線量は低下しているが、同院では腰から下にプロテクターを装着し、卵巣や子宮が被ばくしないようにしている。
- 4エコー検査
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検査室を移動。胸にゼリー状の液体を塗り、乳房の上に器具をすべらせ、乳房内部の断面を映し出す乳房超音波検査を受ける。一緒に画像を見ながら医師から簡単な説明を受ける。この間マンモグラフィ画像が現像され、医師と検査技師がそれぞれ画像を確認。さらに他に2人の医師がチェックし、合計4人でのチェックを行っている。検査技師がチェックする医院は少ないそうだが同院では技師の撮影時の微妙な感触を大事にしているという。
- 5検査結果の説明
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診察室でマンモグラフィ検査、エコー検査の画像を見ながら説明を受ける。気になる部分やより詳しい検査が必要な場合、後日「針生検」や「細胞診」を行い確定診断をつける。この検査の結果、もし乳がんだとわかったときは病状や治療の選択肢の説明を受ける。医師のアドバイスが大事になるので、信頼できる医師のもとでの検査、治療が望ましい。
自由診療費用の目安
自由診療とは視触診+マンモグラフィ検査+超音波検査(エコー検査)1万2000円、症状がある場合は保険診療