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大幸 和加子 院長の独自取材記事

上野くろもんクリニック

(台東区/湯島駅)

最終更新日:2022/10/13

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック main

江戸の情緒が残る湯島の地で、乳がん検診など乳腺に関する診療を中心に展開する「上野くろもんクリニック」。家族をトータルでサポートしたいとの想いから内科の診療にも対応し、地域のホームドクターとして親しまれている。クリニックに入ると温かな雰囲気に包まれるのは、大幸和加子(だいこう・わかこ)院長をはじめ、朗らかで明るいスタッフたちが迎えてくれるからだろう。スタッフは全員子育て経験のある女性だといい、子連れでの受診やデリケートな内容の相談にも配慮を心がけながら対応している。「乳がん検診をもっと気軽に受けてもらいたい」とさまざまな取り組みを行う大幸院長に、診療へかける想いを聞いた。

(取材日2022年6月14日)

乳がん検診への関心を高め不便な受診環境の改善を

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック1

父が小児科医だったのですが、大変なところをたくさん見ていたので、最初は医師にはなりたくないと思っていたんです。しかし高校生の頃に進路を決める際、父に診てもらって良かった、という患者さんが周囲にたくさんいるのに気がつき、その方々から話を聞く機会がありまして。それで医師という仕事はすごく良いことをしているのではないかと思うようになり、医学の道へ進むことを決めました。ただ、父には最初はとても反対されたんですよ。女性には大変な仕事だからと。しかし母の協力もあり、最後には応援してくれるようになりました。実際に同じ医師という立場になってみて、父に対しては年々尊敬の念を新たにしています。

卒業後はどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか?

卒業後は大学病院に入り、消化器や乳腺、小児を診る第2外科に入局しました。当初は消化器を専門にしたいと考えていましたが、次第に乳腺や肛門に関して、女性の患者さんから女性医師の需要が非常に高いことに気づいたんです。やはりデリケートな部分ですから男性の医師よりも女性に診てほしいと希望される方が多く、外部の病院に行っても任されることが多かったんですよ。そこで女性の医師にはこういう活躍の場があるのだ、ということを実感しました。女性だからこそできる相談やわかる気持ちもあるのではないかと考え、乳腺外科をメインにすることに決めました。

どのような患者さんが来院なさいますか?

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック2

最近は10代など若い人の検診も増えてきたんですよ。一度検診を受けた方が知人や家族を連れてきてくださることも多いですし、遠方から来る患者さんもたくさんいらっしゃいます。乳がん検診や治療を受けたくても、そもそも乳腺外科を診療する医療機関が少なく、女性医師の数も少ないので、受診に不便を感じている人はたくさんおられると思います。仕事のある方の受診はどうしても土日に集中してしまうため予約が取りづらく、検診は半日がかりで大変。そんな不自由を改善したいと思ったのが、開業したきっかけでした。当院は予約優先ではありますが、完全予約ではないので当日でも診察が受けられますし、検査の結果は即日出すこともできます。また授乳中の乳腺炎など、すぐに診療が必要な方にも対応できます。

台東区のがん検診も行っているそうですね。

台東区で乳がん検診を実施しているクリニックが少ないことに加え、検診を実施していても、乳腺外科の常勤医がいないため、検診後のフォローは難しいというクリニックもあるでしょう。そこで当院は検診後もしっかり患者さんを支えられる体制をつくり、少しでも地域のお役に立てればなと思ったのです。当院で検診を受けた方に限らず、他院で受けた検診で気になる所見があった方の二次検診にも対応していますし、大きな病院で手術を受けた方のアフターフォローをすることも多いですね。

子育て経験を生かした優しい心配りを大切に

診療の際はどのようなことを大切にされていますか?

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック3

患者さんの悩みをよく聞いた上で選択肢を提案し、ライフスタイルや希望に沿うかたちで相談しながら診療を進めるようにしています。患者さんが何を重視するかは、さまざまです。一番希望に沿うかたちを一緒に探し、最終的に患者さんの行きたい方向に進む手助けができればと思います。時には、医学の教科書に書いてあることだけでなく、私の経験や気持ちでお話しすることもあります。例えば乳がんに罹患した女性がそれをお子さんに打ち明けるか悩んでいれば、「隠さずにお子さんにも打ち明けて、お母さんも戦うから応援してほしいと伝えてみては?」と話します。どんなアドバイスをすべきかは、患者さん個人の性格や家族の背景によって変わってきますよね。決まった回答があるわけではないので、自分の経験を生かしながら話すようにしています。

乳腺外科とは別に内科の診療時間もあるのはなぜですか?

もともと地域に根差したクリニックにしたいと思っていたので、ご家族をトータルで診ることが重要ですし、それには内科は必須だと思ったのです。学校や会社帰りなどに寄っていただけるようにと、夜も少し遅い時間まで診療しています。子どもが風邪をひいても自分とは別の病院に連れて行かなくてはいけないというのは結構負担なんですよね。一緒に診られるものは一緒に診て、こちらで対応しきれないものは他院をご紹介する。そういうルートがあればママさんも安心かなと考えました。風邪も頭痛も、更年期も膀胱炎も幅広く相談に乗っています。

女性への配慮、特にママ目線での気遣いを感じます。

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック4

男性の立ち入りを考えて内科の時間は別にしたり、スタッフを女性でそろえたりと、乳腺を診るクリニックとして配慮はもちろんですが、ママ世代のサポートには特に気を配っています。マンモグラフィ検査の時以外はどこでもお子さんと一緒にいて大丈夫ですし、お子さんが同席できないときは遠慮なく預けてください。当院のスタッフは出産や子育て経験のある人間ばかりなので、お子さん連れの方も安心して受診していただけると思います。子育てに悩みのあるママさんの相談も歓迎です。スタッフは、もともと私のママ友達や同級生など信頼できるメンバーです。受付スタッフが明るいムードをつくってくれるので感謝しています。診療放射線技師も9人が在籍していてローテーションで来てもらい、何かあったときにも無理なくスケジュールを埋め合えるようにしています。内科の時間帯には薬剤師も常駐していますので、お薬の相談や処方もできます。

乳がん検診は早いうちから、2つの検査を

乳がんの啓発活動も活発ですが、医師として感じるところは?

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック5

乳がん検診への意識は少しずつ変わってきていると思いますが、検診できる環境はまだ十分に整っているとはいえないのが現状でしょう。区や会社の検診で対象とならない世代の方は、自費診療だったり病院が混んでいたりと、ちょっとハードルが高いですよね。まだそのあたりのフォローの必要があると思います。それから乳がんについての正しい知識を普及させていくことも大切です。授乳中や妊娠期は乳がんの進行が早くなりがちであること、閉経後であってもがんになる可能性があることなどを知らない方もいらっしゃいます。男性の乳がんもあるんですよ。当院にも相談に来られる男性が増えてきました。

検診はいつ頃からどのくらいの頻度で受けるべきでしょうか?

ぜひ早いうちから、例えば20歳とか社会人になったタイミングなどで乳がん検診を受けていただきたいです。実際に10代から90代の方まで幅広く患者さんを診てきました。マンモグラフィとエコー検査では得意な乳がんのタイプが異なるので、できれば両方受けるのが望ましいです。検診の頻度は年齢にもよりますが、特に患者が増える40代以上は毎年、両方の検査を受けることをお勧めします。毎年といっても、つい忘れてしまう人もいると思うので、ご希望の方にはお手紙でお知らせもしています。

最後に今後の展望とメッセージをお願いします。

大幸和加子院長 上野くろもんクリニック6

開業当初から想いは変わらず、乳がん検診や相談をしやすい環境をつくりたい、子育て中の方を含め、皆さんが通いやすいクリニックにしたいと願っています。国立がん研究センターや、聖路加国際病院、東京都立駒込病院とも密に連携を取っていて、患者さんを紹介したり、術後のアフターフォローを当院で受けたりもしていますから、万一がんが見つかっても落ち着いて治療に取り組んでいただけると思います。また、地域のホームドクターとして、何科に行けばいいのかわからない症状の相談にも乗りますので、乳腺のことに限らず気軽に受診してくださいね。「検診は悪いところを見つける検査」と身構えず、何も問題がないことを確認して安心する機会と考えてみてくださいね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診(エコー)/6600円~、乳がん検診(マンモグラフィ)/8800円~、乳がん検診(エコー+マンモグラフィ)/1万3200円~※すべて視触診・結果説明含む価格

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