寺本 純之祐 院長の独自取材記事
いけだ歯科櫛引クリニック
(さいたま市大宮区/大宮駅)
最終更新日:2024/10/07
櫛引通り沿いの住宅地にある「いけだ歯科櫛引クリニック」は、子どもから高齢者まで気兼ねなく受診しやすい地域のかかりつけ歯科医院だ。2017年の開業以来、院長を務める寺本純之祐先生は、「高齢になっても健康な歯を1本でも多く残したい」という信条のもと、痛みに配慮した治療や予防歯科に注力している。根管治療の難症例などは、大宮駅前にある本院「いけだ歯科クリニック」へ紹介。メンテナンス治療に重きを置く同院は、より良い治療を提供するために歯科衛生士の担当制を導入している。患者の状態や性格を理解している歯科衛生士が、毎回そのケアを担当するという。「患者さんが子どもでも大人でも、誠実に真摯に接することで信頼関係を築いていきたい」という寺本院長。診療にかける想いや健康な歯を残す上で大切なことについて聞いた。
(取材日2022年10月12日/再取材日2024年9月11日)
患者とのコミュニケーションを大切にしたい
まずはクリニックの紹介からお願いします。
できる限り長く自分の歯で過ごせることをめざして治療・予防を提供している、地域に密着した歯科医院です。予防歯科をはじめ、虫歯・歯周病治療から小児歯科、根管治療、入れ歯の作製や調整などを手がけています。院内の感染症対策も徹底し、当然のことですが医療器具の消毒・滅菌をきちんと行い、私を含め全スタッフが、診療中に自分が触って良い場所と触ってはいけない場所を常に意識し行動しています。根管治療の際は、唾液中のばい菌による感染を防ぐためにラバーダムを使用。歯の削り粉などが空気中に飛び散るのを防ぐ口腔外バキュームも導入し、患者さんに安心していただける医療の提供をめざしています。
診療にあたり、大事にしていることを教えてください。
初心を忘れず、患者さんとのコミュニケーションを大切にすることです。マスクを完全に外すことができない状況が続いていますが、患者さんとお話しするときは、後ろから声をかけるのではなく、患者さんの前や横に立ち、目と目を合わせるように心がけています。また歯科衛生士は担当制を採用しており、患者さんの状態や性格を理解している歯科衛生士が毎回ケアを担当することで、体調の変化や趣味の話などもできるような関係性を構築。患者さんが緊張することのないよう工夫しています。歯科衛生士の真摯かつ温かなケアのおかげで、健康的な口腔環境を維持できている患者さんもいらっしゃるのではないかと思います。院内ではしばしば、患者さんが歯科衛生士に大きな信頼を寄せている光景を見かけます。このような場面に接する度に、スタッフに対する感謝の気持ちでいっぱいになります。
身近な虫歯治療の相談に対して、どのような対応をされていますか?
本院と連携して、当院で型採りをして、本院に私が持っていって削り出しを行い、翌日に当院でかぶせ物をセットすることも可能です。セラミックを入れる自由診療だけでなく、保険診療で白いかぶせ物を入れることもできるので、まずはご相談ください。虫歯の治療は、1日で終わるものはあまりありません。かぶせ物を入れる場合、できあがるまでの間、何となく違和感を覚えつつも仕方がないと我慢して過ごした経験のある方も多いのではないでしょうか。当院では、治療中であってもできる限り日常生活に不自由が生じないように配慮し、仮歯でも違和感などが極力ないように、完成品に近い仮歯を作って入れるようにしています。
診療の基本は、患者の主訴と誠実に向き合うこと
最近、患者さんの主訴で気になることはありますか。
奥歯の痛みを訴えて来院されるケースです。中には虫歯が原因だと思っていたら、実は「歯ぎしり」や「食いしばり」が原因だった、というケースも考えられます。実は私自身も、学生時代に食いしばりがひどいことが判明した一人です。それがわかってから今まで、夜間は食いしばり防止用のマウスピースを装着して就寝しています。食いしばりを治すには生活習慣や日常的な行動の改善を伴うため容易なことではありませんが、装置を利用することで歯痛の軽減や悪化を防ぐこともめざせます。また歯を削るような治療法ではないので、安心してスタートできるのも大きなメリットでしょうか。日々の生活を継続しながら苦痛を緩和するための方法として、マウスピースの装着は有用な手段であると思います。
子どもの患者さんも多いのでしょうか?
当院では、子どもの患者さんからのご相談も数多く受けています。子どもの患者さんに対しても大人の方と同様に、その方の気持ちに寄り添い誠実に向き合っています。心がけているのは、大人の患者さんよりも「できるだけ多くの言葉がけ」を行うこと。例えば注射を行う際、針の痛みに意識が集中しないよう配慮しています。また立派に頑張って治療を終えた際には、きちんと褒めてあげることも大切です。歯科医師として、子ども時代に歯科医院を嫌いにならないよう意識しています。子どもだからといって特に何かを心がけているわけではなく、当院にわざわざ来てくださったすべての患者さんに対して、感謝と誠意の気持ちを持って対応しています。
長く自分の歯で過ごすためには、どのようなことが大切になるのでしょうか?
一番大切なのは、患者さんご自身が自分の歯に関心を持つこと。歯に興味がなく、「悪くなったら治せばいい」では、虫歯や歯周病で歯を失うことは防げません。歯の健康は食習慣とも深い関係がありますし、もちろん日頃のセルフケアや定期的な歯科医院でのメンテナンスも重要です。最近は「歯周病が全身の健康状態に影響すると聞いたが、私は大丈夫だろうか」「マスクをつけている間にホワイトニングに挑戦してみたい」など、患者さんの意識の高まりを感じる機会も増えました。特にホワイトニングは、実は歯の黄ばみが気になっていたという60~70代の方がトライされるケースも多いです。当院では治療や予防に加えて審美面に配慮した施術も可能ですので、興味のある方はご相談ください。
理想は予防が浸透し、虫歯になる人がいなくなること
歯科医師をめざすようになったきっかけを教えてください。
小学生の頃、八重歯だった上の歯を矯正したのですが、それをきっかけに漠然とですが歯科医師への憧れが芽生えました。また、それと同じ時期くらいに、噛むことの重要性を取りあげたテレビ番組を見る機会がありました。「現代の子どもはやわらかいものばかり食べているので、どんどん顎が細くなり、将来的には逆三角形のような顔になってしまうだろう」といった内容に恐怖を感じ、「噛むことって大切なんだ」という思いが子ども心に刻まれました。そんなことも、歯科医師という職業に興味を持ったきっかけになりました。
地域の方に知っておいてほしいことはありますか?
悪くなってから治すのではなく、「健康維持」に対する意識を高めていきたいと思っています。歯に限らず、健康でいるために自分の体を気にかけたり、メンテナンスしたりするのはとても大事なこと。長く健康でいられたほうが楽しいと思うので、まずは自身の歯や体に興味を持ち、予防を考えてみてほしいですね。いつの日か、私は患者さんのお口の中のチェックだけを行い、歯科衛生士がメンテナンスを行うだけで診療が完結するという日が来ることを願っています。また地域住民の方々に、「歯の健康」に関する情報を提供することも歯科医師の役割の一つ。小学校の校医として定期的にお子さんと接する機会があるので、そのような場を利用したり、県の歯科医師会が主催する講演会などの運営に関わったりしながら、今後も積極的に啓発活動に参画していきたいです。
最後に、今後の展望を教えてください。
当院の患者さんの中には、年配の方も増えてきました。通院が難しいと感じる患者さんに向けて、訪問診療の導入を現在検討しています。「健康な歯を1本でも多く」という当院のコンセプトに従い、引き続き精進します。また、新しい技術や情報を身につけることで、診療のクオリティーを全体的に向上させたいですね。歯の治療や歯科医院に対して、「痛い」「怖い」というイメージを持つ方も多いと思いますが、当院ではそういった負のイメージを払拭するために、痛みの少ない治療を心がけています。そしてできるだけ歯を削らずに、自分の歯を残す治療をめざしています。大宮駅近くにある本院と違い、当院は住宅街の中にあります。何でも気軽に相談できる地域のかかりつけの歯科医院として、末永くお付き合いができればと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/4万5000円~
ジルコニア治療/8万8000円~
ホワイトニング/2万4000円~