不妊治療いつから開始する?
年齢や原因に対する検査方法を紹介
銀座こうのとりレディースクリニック
(中央区/有楽町駅)
最終更新日:2021/10/12


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少子化や出産の高齢化に伴い、認知度が高まっている「不妊治療」。しかし、不妊治療はいつ始めればいいのか、具体的にどのような流れで行うのか、どのくらいの頻度で通院するのかなど疑問を持つ人も多い。「銀座こうのとりレディースクリニック」の嶋田秀仁院長は、「赤ちゃんがほしいと思ったときが、受診するタイミング」と、早めの相談を勧めている。同院では、確率的に少しでも早く妊娠に到達する手段を適切な時期に選んでもらいたいという思いから、通院や検査、治療をスムーズにする工夫と、患者にとって利便性の高い予約システムやビデオチャット診察も行っている。「不妊治療のゴールは妊娠ではなく、新しい家族を無事に迎えること」と語る嶋田院長が実践する「テーラーメイド式の不妊治療」をレポートした。
(取材日2017年12月7日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q不妊治療にはどのような種類があるのですか?
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A
排卵日に夫婦生活を取っていただくタイミング療法や、採取した精子を精製して子宮内に注入する人工授精(AIH)といった一般不妊治療、体外受精・胚移植、顕微授精などの生殖補助医療(ART)などがあります。自然妊娠からスタートする方もいれば、体外受精からの方もいて、どの治療から始めるかは一人ひとり違います。タイミングを逃さないためにも、検診など妊娠に向けて準備できることは早めにしておいたほうがいいですね。年齢が高くなってから手術が必要な疾患が見つかり、妊娠が厳しくなることもありますから、思い立ったらすぐにでも来院していただくのが良いと思います。検査と治療は同時進行なので、いったん始めると早く進みます。
- Q不妊治療の通院頻度はどのくらいですか?
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A
治療のステージによって通院頻度は異なります。例えばタイミング療法や人工授精(AIH)では、経膣超音波で卵胞を確認していくので、大体2~3日おきに来ていただくことが多いですね。体外受精の場合は意外にも大体のスケジュール感が前もってわかるので、逆に予定を組みやすいという面もあります。旦那さんが多忙であれば精子を凍結するなどの手段もありますから、治療法をうまく使い分けることも大切ですね。年齢や卵巣の状態、お仕事の状況などそれぞれが違って当然です。だからそれぞれに適した治療法があっていいと思っています。そこはきちんと相談させていただきたいですね。
- Q費用について教えてください。
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A
不妊治療では、初診時に多くの検査を行います。結果を早く知ることが次のステップに早くつながるからです。採血によるホルモン検査、卵胞の状態や子宮内膜の厚さを計測するエコー検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査、精子検査などがあります。不妊治療では自費負担がほとんどですが、保険の適用ができるものもあります。初診で行う一通りの検査費用の目安は大体2~3万円になりますが、治療ステージによっても費用は異なります。今年の12月から当院では都の助成金も申請できるようになりました。こういった制度もうまく活用されるのがいいでしょう。まずはお話をして、治療についてじっくり考えてもらいたいと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前予約した日に来院して問診票記入(直接来院も可)
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受付で問診表を受け取り記入。受診理由、治療歴、基礎体温、アレルギーの有無、生理の様子、不妊治療における要望などの設問に答えていく。問診表は同院のホームページからダウンロードして、事前に書き込んでおくと受診がスムーズ。来院は夫婦で訪れても女性側だけが訪れても問題ないが、治療に対する夫婦の意思が統一されていることが大切だそう。同院では、患者の利便性を考え24時間対応のオンライン予約システムを導入。
- 2診察し、今後の方針を定める
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問診表をもとにヒアリングが行われる。不妊治療を進めるにあたって必要な検査の説明、自然妊娠を望むのか体外受精などのARTまでを視野に入れているのか、これまでの治療歴なども確認。患者一人ひとりの要望や年齢などの状況を踏まえ、今後の診療方針が決められる。一般不妊治療から始め、より高次の治療法へと段階を踏むのが基本だが、年齢や不妊原因など状況に合わせ治療のステップアップや適切なアドバイスをしてくれる。
- 3検査と治療を同時進行
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月経周期によってホルモンの状態や卵巣・子宮の状態が変化するため、女性側の検査は月経周期に沿ってどんどん進められる。採血による各種ホルモン検査、尿検査、エコー検査のほか、卵管の通り具合や子宮内腔の状態が確認され、治療的効果も期待できる子宮卵管造影検査、また、細いファイバーカメラで子宮内を確認する子宮鏡検査などの検査を実施。治療も並行して進められる。なお男性側は、この間に感染症検査や精液検査を実施。
- 4検査結果を踏まえ適切な治療を提案
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検査結果や夫婦の状況を踏まえた治療方針が提案される。少しでも早く妊娠に到達する手段を適切な時期に選択できるようアドバイスも。そのため治療方針はフレキシブルに変えていくことも必要だという。精子検査の結果が悪いのに漫然とタイミング療法を続けるのではなく、人工授精もある程度の回数で次にステップアップすることが大事だとのこと。検査を兼ねて体外受精が勧められる場合も。
- 5継続して受診。ビデオチャット診察やウェブ予約も活用
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検査の結果報告や、内容によっては通院の負担を減らすことができるビデオチャットでの診療が可能。ウェブから予約し指定した時間に待機。クリニックからのアクセスを待つ。同院は患者のニーズに合わせ、診療は朝9時から夜20時まで、土日も診療している。診療時間の幅広さと、アクセスの良さで、仕事のある夫婦も直接来院しやすい環境だ。時間帯指定のウェブ予約をすれば、待ち時間状況はウェブ上で確認できるそう。
自由診療費用の目安
自由診療とは検査初期費用/2~3万円、体外受精/29万円