嶋田 秀仁 院長の独自取材記事
銀座こうのとりレディースクリニック
(中央区/有楽町駅)
最終更新日:2021/10/12
中央区銀座1丁目の外堀通り沿い、ビル7階にある「銀座こうのとりレディースクリニック」は、「有楽町」「銀座一丁目」や「銀座」駅からそれぞれ徒歩数分という便利な立地にある不妊治療専門クリニック。会社員から医師に転身した経歴を持つ嶋田秀仁院長の「働く女性が通いやすいクリニックに」という思いを形にしたものになっている。銀座の街灯をイメージしたという間接照明や、たまごモチーフのオブジェなどにセンスが光る院内は、ナチュラルとモダンが融合したシックな空間。迎えてくれた嶋田院長は「不安や迷いを抱えがちな不妊治療だからこそ、前向きさを忘れず取り組んでほしい」と笑顔を見せる。銀座・有楽町エリアで働く女性たちから支持を受ける同院の特徴や不妊治療の心構えなど、話を聞いた。
(取材日2020年3月31日)
働く女性の通いやすさに配慮した不妊専門クリニック
働く女性に配慮したクリニックと伺いました。
不妊治療中に限らず、妊娠中、産後も仕事を続けるという女性が多くなっています。私自身、医師になる前に10年ほどこのエリアの企業に勤めて、働きながら治療や妊娠、出産、育児を頑張る女性たちの大変さを目の当たりにしてきました。そうした大変な状況にある患者さんたちに、少しでもご負担なく治療を受けていただきたいという思いから、「働く女性目線での通いやすいクリニック」をコンセプトにしています。「有楽町」駅から徒歩2分、「銀座一丁目」駅にも近い上、「銀座」駅からも徒歩数分という便利な立地に加えて、平日20時までの夜間診療と土日の午前診療も実施。ネット予約のシステムも活用するなど、できるだけ幅広いニーズにお応えできるよう工夫しています。
近隣にお勤めの患者さんが多いのでしょうか?
千葉や埼玉などの遠方から通っていただいている方もいらっしゃいますが、やはり銀座・有楽町エリアに通勤していらっしゃる方が多くなっています。働き方改革が叫ばれる近年では、妊娠・出産・育児とともに不妊治療にも柔軟に対応してくれるという企業も増えている印象です。とはいえ、働きながらの治療、妊娠、出産はやはり大変なもの。そうした意味で、当院では働く女性たちにとっての不妊治療が、ご自身のワークライフバランスやキャリアプランを再考するきっかけとなればと考えています。
どのような診療を受けられますか?
タイミング療法や人工授精(AIH)から体外受精(ART)まで幅広く行っています。凍結胚移植についても新鮮胚移植から凍結胚移植まで対応可能です。不妊検査についても内診や超音波検査、感染症検査、ホルモン検査や子宮卵管造影検査などの基本的なものに加え、着床不全の原因となる免疫の異常を調べる検査なども行っています。不妊の期間や体の状況、お仕事などの社会的な背景により、ベストの治療は異なります。当院では、個々の状況に応じた最適な方法を都度お選びいただく完全オーダーメイドの診療をご提案させていただいています。
不安を抱えがちな患者に寄り添い、親身にサポート
診療に際して心がけていらっしゃることは?
いつでも患者さん目線であることは強く意識しています。「この患者さんが自分の家族だったら、友達だったら、この方のために何がしたいか?」という思いで、日々一人ひとりと接しています。不妊治療では不安や悩みを抱えがちなもの。たとえ望む結果が得られず気落ちしたとしても、気持ちを切り替えて前向きに治療に向き合えるよう、患者さんの気持ちに寄り添うということも心がけています。僕は大学時代、部活で合気道をやっていたのですが、合気とは「気を合わせる」ということ。医師になった今も合気道の精神を忘れず、どのような状況下でも患者さんの心に自分の心を合わせ、親身にサポートすることを心がけています。そうすると、いろいろなことがうまくいくように思うのです。
気持ちに寄り添ってサポートしていただけるというと?
診療時間には限りがありますから私が一人で完璧に対応することは難しいのですが、心配な様子が見られる方があれば、スタッフに声をかけて対応をお願いすることもよくあります。女性同士ということで医師には話せなくてもスタッフには話せるということもあるようですね。不妊治療の悩みは家族や友達などの親しい人にもなかなか打ち明けられないことが多いようです。そんな悩みも話せば少しは気持ちが軽くなることも。デリケートで他人には相談しづらいという内容も、気軽にご相談いただければと思っています。
2人目の不妊に悩むというケースもあるようですね。
2017年にスタートした当院も3年目を迎え、多くの方が当院を卒業されていきました。と同時に、2人目、3人目の妊娠についてのご相談を受ける機会も多くなってきています。「1人産めたのだから次も大丈夫」と思われる方もいらっしゃるようですが、1人目とは身体的にも環境的にもまったく状況が異なるのが2人目の不妊です。気がかりなことがあるようであれば、早いタイミングで受診いただきたいと思います。
不妊治療説明会や、オンライン診療なども行っていらっしゃるそうですね。
患者さんごとに状況が異なり治療はケースバイケースですから、治療説明についても個別での説明が軸になります。しかし、治療の前段階として不妊治療の概要を知っていただき、治療を身近に感じていただきたいという思いから、月に1度不妊治療説明会を開催しています。未受診の方でもご主人と一緒にでもご参加いただけますので、ご夫婦で治療について話すきっかけとしてもご活用いただきたいですね。オンライン診療ではパソコンやスマホでのビデオチャットを活用した遠隔診療を行っています。不妊相談や検査結果のご説明、ピルの処方などについては来院していただくことなく対応できます。
治療をネガティブに捉えず、喜びのバトンリレーを
院長が医師、中でも不妊治療にあたる医師の道を志されたきっかけは?
義兄が内科の医師で、会社の近くの病院に勤務していました。仕事帰りに立ち寄った際に患者さんの急変があり、一刻を争う緊迫した現場を目にした衝撃が心に残り、医師という仕事を強く意識するように。兄に「今からでも医師をめざせば?」と背中を押され、思い切って方向転換したのです。産科は医療においても珍しい希望に満ちた分野。特に不妊治療は赤ちゃんの誕生に関わり、患者さんから「ありがとう」と言っていただけるという新鮮な感覚に惹かれて専門に選びました。リスキーでシビアな世界ではありますが、時々街角などで元患者さんと赤ちゃんにお会いできた時などはとうれしさとやりがいを感じます。
今後の展望について教えていただけますか?
不妊治療を乗り越えた方々から、お手紙などでメッセージをいただくことが多いのですが、今まさに治療中の患者さんたちにも、そうしたメッセージを何らかの形でシェアできないかと考えています。「当時はつらかったけれど今となっては」と、今まさにつらい思いをしている方を支えたいというお声も多いのです。不妊治療をネガティブに捉えず、喜びのバトンをリレーするという感覚で交流できる場が実現できればと、まだ漠然とですが考えています。あとは、志を同じくする人に集まってもらい、さらに医院としてのチーム力を向上していきたいですね。
不妊治療を検討されている読者にメッセージをお願いします。
技術の進歩で高齢出産が増えていますが、妊娠・出産はゴールではなくその後続く子育てのスタート地点です。女性のキャリア形成を考えると難しい面もあるとは思いますが、なるべく早い段階から妊活を意識していただければと思います。また、不妊治療というと身構えてしまう人も多いようですが、相談や検査だけでもいいですし、治療を始めてからも中断や休止をすることは自由です。「何歳までに妊娠できなければ受診」というのではなく、「思い立ったから」「時間ができたから」などの理由で受診いただくので構いません。「結果を聞くのが怖い」といった気持ちは理解できますが、まずは相談だけでも気楽にご来院いただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは※すべて税別価格
自費初診料/3000円~
自費再診料/1000円~
時間外加算料/500円~(基本的に平日18時以降/土曜日12:00以降/日曜日 終日)
一般不妊治療検査/2万円~
着床不全の原因となる免疫の異常を調べる検査/2万5000円~
人工授精/2万4000円~
体外受精/29万円~(3回目以降については減額制度があります)
ピルの処方/3000円~
オンライン診療(初診料)/3000円~