嶋澤 優子 院長の独自取材記事
あゆみ歯科ゆうこ堺診療所
(堺市堺区/堺駅)
最終更新日:2023/08/02

南海本線の堺駅から住宅街を抜けて徒歩8分。どこか懐かしさの残る街並みの中にある「あゆみ歯科ゆうこ堺診療所」は、保存歯科で研鑽を積んだ嶋澤優子院長が患者の歯を第一に考えた診療を行う歯科医院だ。現在は歯科医師である夫と2人で訪問歯科診療に対応しながら、クリニックでの診療も精力的に行っている。「長年保存歯科で学び、働いて、自分の歯を守る大切さを目の当たりにしてきました。永久歯を抜いたら二度と生えてきません。大切な歯を守るためにも歯に関心を持ち、気軽な気持ちで歯科医院に通ってほしいです」と、明るくほがらかな笑顔で話してくれた嶋澤院長に、歯科診療にかける思いや予防歯科の大切さについて聞いた。
(取材日2018年8月31日)
自分の歯を守るために、気軽な気持ちで来院を
まずは、こちらの歯科医院の特徴を教えてください。

私は長年保存歯科の分野で経験を積んできました。保存歯科とは、名前のとおり歯をできるだけ抜かず、削らず、大切な歯を維持して機能させていくことを主と領域です。その経験を生かして、当院では歯を保存することを第一に考えた治療を実践しています。そのため、抜歯や歯を削ることをできるだけせずに治療を進めること、何よりも予防歯科を中心にメンテナンスの重要性をお伝えしながら、歯を通してお口と体の健康を守っていくことをめざしています。現在は、私と歯科医師である夫の2人で診察しています。訪問診療に出て不在にしていることもありますから、お待たせしないためにも、来院の際はご予約いただけるとありがたいです。
クリニックとしてめざしていることはありますか?
とにかく気軽に来てもらうようにすることです。歯科医院を嫌いな人は多いですよね。痛いし、怖いし、できることなら行きたくないと思っている人のほうが多いでしょう。しかしだからこそ、発想をちょっと変えて、そうならないための場所だと思ってもらいたいんです。確かに、今までの歯科医院は治療のために行く怖いところだったかもしれません。でも、予防のために行く歯科医院は痛くもなく、怖くもなく、むしろスッキリして気持ちが良いのではないかと思います。歯を削られることもないですし、もちろん抜かれることもありません。お薬がいっぱい出ることもありません。歯科医院に行くのが予防のためだったら、イメージする苦痛なことはほとんどないと思います。
予防のために受診した患者さんにはどんなことをするのですか?

歯のお掃除をしたり、状態をチェックします。人の歯というのはそれぞれで、びっしりきれいに並んでいる人ばかりではありません。デコボコしていたり、歯の溝が深かったり、歯磨きを自分でしていてもうまくできない場所があったりするものです。そうすると、そこに汚れがたまっていきます。汚れがたまっていくとそこから菌が繁殖して、虫歯のもとになったり、歯周病のもとになったりします。だから、その部分を定期的にきれいにして、次に来る時までにどんなことに気をつけたらいいかをお伝えします。毎日家でシャンプーするけれど、たまに美容院でシャンプーしてトリートメントをしてもらうとスッキリするし、髪がサラサラになって気持ちが良いですよね。あの感覚と同じだと思ってもらえたらうれしいですね。
無理をしてやめてしまうより、頑張り過ぎないケアを
口臭も歯科医院で治療できるそうですね。

そうなんですよ。口臭の原因は胃腸だというイメージがあるかと思うのですが、ほとんどの場合はお口にあるんです。歯周病や虫歯が原因のこともありますし、舌苔や歯垢が原因のこともあります。そういったことが原因の場合、いくら胃腸薬を飲んでも治りません。あまり知られていませんが、口臭のある方のほとんどは歯周病が原因です。営業職や接客業などの方は、口臭が原因で積極的になれないなど、悩んでいらっしゃる方も多いです。でも、適切な処置をすれば口臭の改善は期待できますし、虫歯や歯周病が治れば体の健康にも良い影響が望めます。精神的にもきっと楽になるはずです。
どのくらいの頻度で通えばいいのですか?
これはお一人お一人の体質や、状態によっても違います。ですから、当院では最初に来院していただいたら、その1ヵ月後に再び来てもらい、その後どうなっているかを診せていただいて、その状態に合わせて、また1ヵ月後、もしくは3ヵ月後に来ていただくようにしています。体質的に歯石がつきやすい・つきにくいもありますし、歯並びによって歯磨きしやすい・しにくいもあります。それにお仕事や家庭の事情もそれぞれおありだと思います。忙しい人に「こまめに来てください」と言っても無理でしょう。だったらどうするか、患者さんと相談して考えることが必要です。そうして、無理のない範囲での通院時期を決めていきます。
毎日の習慣として歯磨きをしていても、意識をしたケアとなると身構えてしまう人も多いのでは?

そうなんです。でも身構える必要はないんですよ。というのも、私はいきなり100%をめざさなくてもいいと思うんです。一生懸命やろうとしても、その結果疲れてやめてしまったら元も子もありません。ほとんどの人はそれまでの歯磨きに何らかの癖があり、それを1回ですべて治すのは難しいことです。だから焦らなくていいんですよ。ほんのちょっと意識するだけでいいんです。そうやって意識したことは、いつか必ず習慣になります。だから焦って頑張り過ぎないでほしいですね。今回はここ、次はここ……というような感じで、ゆっくり一緒に取り組んでいきましょう。歯科医院通いも同じです。無理のないペースを探して、気軽な気持ちで来ることが一番なんです。
歯の美しさは十人十色。だからケアの仕方も自分らしく
そう考えると、すごく気楽な気持ちになる人も多いと思います。

歯への関心が高い人ほど完璧をめざしてしまうものですが、みんながみんなホワイトニングをして、真っ白な歯じゃないといけないわけではありません。しかし、一人ひとりに合った治療をさせていただくために、歯を白くしたいという方にはホワイトニングもさせていただいています。皆さんに歯を楽しみながらお手入れをしてほしいですね。日本では歯医者は歯を治すところというイメージがいまだに強いですが、欧米では歯医者は歯を悪くしないために予防で通うところという認識が浸透しています。歯は悪くなって処置しても、元の自然の状態には決して戻りません。どんなに良い材料で処置しても自然の歯には及ばないのですが、歯は悪くなったら治せばいいと考えておられる方が日本にはまだまだ多いです。そうではないこと、また、お口や歯をきれいに保つことは気持ちのいいことなんだと知ってほしいし、それを伝えていくのが私たちの役目だと思っています。
先生がそのように考えるきっかけはあったのでしょうか。
私は女性ですし、美容にも興味があります。お化粧もしますし鏡も見ますが、口というのは顔の中でもパーツが大きく、それだけに印象も大きいんです。どんなに美人でも、前歯に大きな虫歯があったらがっかりしますよね。例えばそれは、おしゃれしても靴が汚れていたら台なしになるのと一緒だと思うんです。今は、いろんな色やデザインで爪のおしゃれを楽しんでいる人が増えましたが、ネイルと同じように歯をきれいにしている人はまだ少ない。これはすごくもったいないことです。先ほど言ったように、お口が人に与える印象はとても大きくて、ネイルよりも目立つと思うんです。だからネイルサロンに行くように、歯も歯科医院でお手入れしていただけたら、きっともっと魅力的な女性が増えるのではないでしょうか。このことをもっと患者さんに伝えていきたいですし、皆さんが歯のケアを受けに気軽に足を運べる、そんな場所をつくりたいと考えています。
それでは、最後に読者へのメッセージをお願いします。

大人の歯が生えそろったら、その歯は一生ものです。抜いてしまったら、次は生えてきません。私は皆さんに、大切な歯を守っていつまでもおいしく食事をし、人生を謳歌してもらいたいと願っています。そんな人生を送りたいなと思っている方のお力になりたいと思っています。他院で「抜くしかない」と言われて迷っている方のセカンドオピニオンはもちろん、治療への疑問や、お口に関する相談も歓迎です。もちろん、ただ歯をきれいに洗ってみたい方も大歓迎。どんな人も気軽な気持ちでいらしてください。難しいこと、無駄な治療を押しつけたりは絶対にしません。安心して足を運んでもらえたらと思います。皆さまにお会いできることを楽しみにしています。