小林 周央 院長の独自取材記事
調布NORI歯科クリニック
(調布市/調布駅)
最終更新日:2025/10/10
新宿駅から京王線の特急で4駅、調布駅から徒歩圏内にある「調布NORI歯科クリニック」は2017年9月開業。院長の小林周央(こばやし・のりひさ)先生は、「数ある病院の中でも、歯科は患者さんにとって一番つらい思いをするところだと思うんです」と言い、誰でも通いやすいクリニックをめざして、リラックスして診療を受けられる空間づくりにこだわった。その言葉どおり、院内は明るく居心地の良い雰囲気に満ちている。父も兄弟も歯科医師だという小林院長は、歯科医療に対する高い理念を持ち、日々の診療にあたっている。多忙な中、歯科医療にかける熱い思いから趣味に至るまで、幅広く語ってもらった。
(取材日2017年9月15日/再取材日2025年2月17日)
誰でも来院しやすいクリニックをめざして開業
カフェのような雰囲気の待合室で、驚きました。

誰でも気軽に立ち寄れるクリニックにしたかったので、ゆったりとリラックスできる雰囲気を重視しました。たまに病院に行くと置かれている椅子や照明、壁の色など、なんとなく無機質なイメージを受けました。そこで開業にあたっては、僕自身、海が好きだということもあるので、自然を感じられるような空間にしたいと思いました。特に待合室はクリニックの顔でもあり、来院した患者さんが治療までの不安な時間を過ごす場所になりますから、できるだけ緊張をほぐせるような雰囲気にこだわりました。
キッズスペースも広くて、お子さん連れでも安心ですね。
キッズスペースはお子さんのためだけではなく、親御さんも安心して治療できるように造りました。親御さんの歯をきちんと治すために造ったと言ってもいいくらいです。妊娠中の歯科治療には制限があることもありますし、出産後は子育てで忙しく、特に小さなお子さんがいる方は、ご自身のことが後回しになってしまうことが多いですよね。当院のキッズスペースは個室で広々としているので伸び伸びと遊ぶことができ、親御さんはじっくりと治療をしていただくことができます。今までちゃんとしたキッズスペースがあるところが見つからなくて歯科医院に行けなかったという方にも安心してきていただきたいですね。
診療にあたっての方針をお聞かせください。

何を望まれているかという患者さんの思いと、実際に検査などをした上で当院が良いと思う治療方法とをすり合わせて、ベストの道を導き出すようにしています。急患であれば、まずはその場でのお困り事をできる限り解決して、次回の治療時までに痛みや不具合が生じないための処置をすることが大事です。ご予約の患者さんでしたら、症状を確認して適切な道筋を整理してお伝えし、患者さんのご意向を確かめてから、治療計画を実行に移していくという流れですね。
歯科医療のプロ集団として最良の治療をめざす
どういったことを心がけて、日々の診療をされていますか?

父が歯科医師で地元で開業しており、僕を含めた兄弟3人全員歯科医師で、父から歯科医師としての生き方を教え込まれました。それは患者さんの立場で考え、最適な治療を行うために、決して妥協しないことです。歯科治療は実際に削ってみなければわからないこともあって、当初の治療予定を変更しなければならないこともあります。その際には患者さんにきちんと説明をして、納得いただいた上で治療を進めます。また「歯科治療は歯科医師だけでなく、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士が一体とならなければいけない」が父の理念。歯科衛生士も歯科技工士もそれぞれ国家資格を持ったプロフェッショナルであり、歯科医師とは異なるアプローチで患者さんを見ています。ですから有能なスタッフの指摘はできる限り取り入れます。それが結果的には、患者さんのためになりますから。
どのようなクリニックをめざしていますか?
歯科クリニックを「歯を治すために行く場所」ではなく、「歯を治さないために行く場所」にしたいと考えています。定期検診やメンテナンスによって1本でも治療する歯を減らし、治療した歯も悪くさせない。それでも治さなくてはいけなくなってしまった場合は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士が一丸となって力を最大限に発揮し、最良の治療を提供できるクリニックでありたいと考えています。当院には、ベテランの優秀なスタッフがそろっていますし、もちろん僕も院長とはいえ毎日が勉強です。医療は常に進化していますし、歯科医師である父、兄弟もライバル。誰よりもうまくなりたいと常に思い、勉強会にも毎月、参加しています。クリニック全体が常にレベルアップすることで、患者さんに治療として還元したいのです。
補綴でのセラミック素材使用など、自費診療を選択した場合の治療で大事にしていることをお聞かせください。

自費診療は使用する素材だけが重要なのではなく、歯科医師と歯科技工士の技術がとても大切です。当院では父とのつながりで、経験豊富でとても腕のいい歯科技工士にお願いしています。歯科技工士の優れた技術を100パーセント生かすためには僕自身もそれに見合う腕にならなければ恥ずかしいと思い、常に技術を磨くよう心がけています。自費診療では患者さんも少なくない金額を使うわけですから、自分が持てる最高の技術を提供したいですよね。もちろん、自費診療を無理にお勧めすることはありませんが、自費診療を望まれる方には素材の違いだけでなく、技術が伴うことの大事さをお伝えしていきたいですね。
インプラント治療も行っているようですね。
インプラントについては、施術前後が重要です。施術前は、インプラントを打てるよう土台づくりのために予防歯科治療を中心に行い、施術後はインプラントを長く持たせるために定期的なメンテナンスを実施します。インプラントは打ったら終わりではなく、その後のケアが大切。ご自分の歯よりも感染リスクが高いため、長く持たせるためには歯科衛生士によるメンテナンスは欠かせません。当院ではインプラントについて専門に学んだ歯科衛生士が在籍しておりますので、ご安心いただけると思います。もちろん設備や治療面でも大学病院と同等の治療を提供できるよう、体制を整えています。歯科用CTによる精密画像の使用に加え、マイクロスコープも導入しています。より精度の高い治療のためにアップデートし続けていきたいですね。
歯を治すためではなく、治さない歯にするために来院を
子育て世代の方に、歯科医師としてアドバイスをいただけますか?

小さなうちから、歯が痛くなくても歯科クリニックに行く癖をつけてほしいですね。歯磨きの練習、フッ素を塗る、検診に行く、なんでもいいんです。そうすることでお口を開けることに抵抗がなくなり、治療も予防もスムーズにできます。自分の歯に問題がなければクリニックに行かないという親御さんは、お子さんに対しても同じように考えますが、将来のことを考えればそれはマイナスです。日本は先進国の中でも、口腔内に対する関心が非常に低く、それを変えてほしいというのが、われわれ歯科医療に関わる者に共通する思いです。お子さんの将来を考え、小さい頃から「歯医者さんは痛い歯を治すために行くんじゃなくて、歯を痛くしないために行くんだよ」という教育をしてほしいですね。
ところで院内にサーフボードがありますが、サーフィンがご趣味なのですか?
幼い頃からスポーツをやっていて、サーフィンを始めたのは大学を卒業してからです。海という大自然が相手ですから、雑念を持たずに真面目にやらないと命に関わるんです。僕はプライベートな時間、例えば好きな映画を見る時、本を読む時、食事やお酒を楽しむ時も、歯科のことが頭を離れなかったのですが、サーフィンをしている時だけは無になれます。もちろん趣味でもありますがそれを超越する貴重な時間です。
読者へのメッセージをお願いします。

近所の方と待ち合わせ場所にしたり、ここでお子さんが宿題をしたりするような、気軽に立ち寄れるクリニックをめざしています。待合室には水槽もありますから、「お魚を見に来てね」と言うこともあります。もちろん治療室や器具の衛生管理は万全を期するように努めていますし、高いレベルでの治療を提供することは当然のことと考えていますのでご安心ください。このような内装にしたのは、ご近所の皆さんが気軽に来られるような場所にできたらと思ってのこと。それをきっかけに1本でも抜く歯、治す歯を減らすために予防に関心を持っていただき、歯を「治さない」ためにご来院いただきたい。そんなふうに意識を変える一助になればと、考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(埋入費用+アバットメント+上部構造)/48万4000円~、セラミックインレー/5万4780円~、セラミッククラウン/13万7500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

